はじめに
痛風とは尿酸(にょうさん)が体の中に異常にたまり、結晶となって激しい関節炎を伴う発作が起こる病気です。
尿酸値の基準値(7.0mg/dL)を超える状態は「高尿酸血症」と呼ばれ、放置すると痛風以外にも、様々な病気の発症のリスクが高まるため注意が必要です。
まだ発作を起こしていない「痛風予備軍」は大勢いるとされます。痛風の前兆症状と初期の対策を知っておきましょう。
痛風予備軍とは?
痛風患者は約100万人、痛風予備軍は今や500万人とも700万人ともいわれています。
チェックしてみましょう。
❏30歳以上の男性
❏更年期の女性
❏肥満である
❏アルコールをよく飲む
❏レバーや魚卵などプリン体を含むものが好き
❏高血圧
❏ストレスが多い
❏激しい運動をすることがある
❏家族に痛風患者がいる
痛風患者の約9割は男性ですが、生活習慣や女性ホルモンとの関わりが大きいため、痛風は女性にも増えています。
痛風の前兆症状は
痛風の典型的な前兆症状は
- 関節がピリピリ、ムズムズする
- 熱っぽい
- 足の指をぶつけたような鈍い痛み
- 足の裏にしびれを感じる
前ぶれとしてはこのような違和感を感じます。その後、足の親指の痛みや腫れが現れると痛風発作が起こる可能性が濃厚です。
ところが全くこれといった前ぶれがなく突然発症することも多くあります。
やがて痛風発作の耐え難い痛みは睡眠・歩行障害まで
発作が最も多いのは足の親指の付け根です。
その他はくるぶし、かかと、足の甲、ひざなどにも起こります。
痛風は尿酸が体内で結晶化し鋭利なガラス片のような状態になります。発作はその蓄積した尿酸の結晶が剥がれ落ちることで起こります。
突然足の親指が激しく痛みだし、赤く腫れあがり、まさに「風が吹いても痛い」といわれるほど耐えがたい痛みで、睡眠や歩行も困難に
なるほどです。
痛風は何科を受診すればいい?
関節の痛みのため、整形外科でも診断は可能ですが、痛風は代謝の病気のため、内科を受診するのが一般的です。
痛風の専門外来があれば受診するのがベストでしょう。
発作の前兆を感じたら「コルヒチン」を一錠
初期段階は急性関節炎をおさえる治療から始めます。
「コルヒチン」という発作を予防するお薬を処方してもらいます。痛風発作の初期段階に効果があります。
その後も発作の前兆があったときは、本発作がやってくる前に「コルヒチンを一錠だけ服用」します。
なるべく発作が起こる前に飲むのがポイントです。ただし、発作を抑えるだけで尿酸値を下げるものではないため、飲みすぎないことです。副作用として吐き気や下痢、胃腸障害 けいれんなどが起こることもあります。
痛風発作における激痛のピークは24時間で、発作は約10日前後で治まります。その際、治まったからと放置すると、半年から1年ごとに発作を繰り返し、発作の間隔も短くなります。
痛風の治療方法については、医師の指示による薬などの治療法と、日頃の生活習慣の改善が重要です。
さいごに ~痛風は痛くなければ大丈夫ではない~
痛風の前兆が見られた場合、放置すると高尿酸の症状がさらに悪化し、腎機能障害や尿路結石、高血圧、心血管障害などの合併症を引きおこすことになります。
痛風は初期段階で治療し、悪化させないことが大切です。痛風の前兆を知っておき、初めて発作が起きたときは、できるだけ早く診察を受けるようにしましょう。