はじめに

「腱鞘炎」と聞くと、美容師さんやピアニスト、漫画家、作家、スポーツ選手など特殊な職業の人に多く見られていましたが、今はパソコンやスマートフォンの使用頻度が劇的に上がったため、年齢、性別、職業関わらず腱鞘炎の患者数は増加し、「パソコン腱鞘炎」「マウス腱鞘炎」という名前が付くほどになり、もはや腱鞘炎は「新現代病」ともいわれています。

腱鞘炎は誰にでもなる可能性がある病気のため、症状や予防法を知っておきましょう。


 

腱鞘炎(ドケルバン病)が増加

「腱鞘炎」は正式には「狭窄性腱鞘炎:きょうさくせいけんしょうえん」といい、手や指の使い過ぎにより、指や手首に炎症が起こるものです。

腱鞘炎で近年多く見られるのは、
手首や親指に炎症が起こる「ドケルバン病」と言われるものです。
腱鞘炎には、手首や親指の炎症の他に、指の関節(特に人差し指、中指、薬指)に炎症が起こり指が曲がってしまう「ばね指」もあります。
現代は「ドケルバン病」が増加しています。

 

腱鞘炎(ドケルバン病)の原因

「腱」とは骨と筋肉をつなげて筋肉を動かす働きをし、人間の運動に欠かせない機能を担っていますが、「腱鞘」とは腱の鞘(さや)と書き、チューブのような構造をしていて内部は滑液により満たされ、腱のすべりをなめらかにしています。

腱鞘炎の原因は、「母子(親指)使い過ぎにより →腱鞘が腫れて厚くなり →腱表面が傷み →また腱鞘が腫れる」という悪循環が起こり、手を動かすたびに、炎症が起きている腱鞘に腱が通るために痛みを伴うものです。

腱鞘炎は手首や指を「長時間断続的に使う」 「同じ動作を繰り返す」 「一部分の関節への負荷のかけ過ぎ」が要因となります。

腱鞘炎の痛みの原因とメカニズムの記事もありますので参考にして下さい。
参考記事:手首が痛いのは「腱鞘炎(けんしょうえん)」かも!?腱鞘炎の手首の痛みの原因・なりやすい要因について知ろう
 

腱鞘炎の代表的な症状は?

主な症状

  • 親指を少し動かしたり、広げるだけで手首が痛む
  • 手首を動かすと筋が引きつるような痛み
  • 時に電気の走るような強い痛み
  • 患部が熱っぽい
  • 目に見えて親指の付け根や手首が腫れている
  • 起床時に手首が固まって動かせない

など日常生活のちょっとした動作にも痛みや動かしにくさがあらわれます。
 

生活で痛みを感じる主な動作

・ドアノブをひねる
・鞄を持つ
・ペットボトルのふたやプルタブを開ける
・赤ちゃんを抱っこする
・髪を洗う
・タオルを絞る
・やかんからお湯を注ぐ
・包丁やはさみ
・コップを洗う
・お箸を持つ
・字を書く

など日常で当たり前にしている様々な動作に困難や苦痛を覚えます。
痛みの程度や腫れ、関節の可動域にも個人差がありますが、悪化すると日常生活に支障をきたし大きなストレスにもつながっていきます。


 

腱鞘炎は症状が現れるのが遅いのが特徴

腱鞘炎のほとんどは、手を酷使している時には何ともなかったのに、突然痛みを感じることが多く「なってしまってから気づく」のが特徴です。
少しの間なるべく手を使わないようにすると症状が治まることがありますが、日常ではなかなか手を使わないわけにはいかないため、治りも遅く、そのうち痛みに慣れてきて重症化するケースも多く見られます。
 

腱鞘炎になる前兆はあるの?

腱鞘炎は、炎症がひどくなり腫れや痛みが現れるまでにいくつかの兆候があります。

  • 手首がだるい
  • 手首や親指が動きにくい
  • 親指を内側にしてグーからパーに開くと親指にツッパリ感がある。
  • 手首の内側が熱っぽい
  • 指を動かすときしんだり音がする
  • 腕全体がだるい、重い

日常において長時間、指や手を酷使している場合、このような違和感を感じたら注意が必要です。
 

腱鞘炎を予防するには?

腱鞘炎になってしまう前に日頃から以下のことを意識しましょう。

◇特に座るときに猫背にならないように姿勢に気を付ける
◇片方だけの手や指を駆使している時は、できるだけ時々反対の手を使うことを意識する
◇パソコン操作の際に画面を確認している時間は、マウスとキーボードから一旦手を放す
キーは強く叩かずに軽いタッチで叩く
マウスを持つ時にはデスクに肘をまっすぐに起き、力を入れず軽く添えるようにする
連続作業の際は適度に休憩を取り、体を動かして血行を良くする
◇日頃からマッサージやストレッチなどで肘、腕、肩、背中の柔軟性を高める

など、普段の姿勢や手の使い方や力の入れ方など、小さな注意と心がけの積み重ねが予防策となります。


 

おわりに

腱鞘炎は、痛みが出てからでは炎症が進んでいることになり、なかなか治らない厄介なものです。
まずは時々、腱鞘炎の前兆があるかどうかチェックしてみましょう。
軽視されやすい病気ですが、ある日突然痛みが出て気づくということにならないよう、日頃の注意点を知っておきましょう。
 

image by Photo AC
image by Photo AC
image by Photo AC
image by Photo AC