日本人の4人に1人は花粉症!

花粉症は、スギやヒノキなど植物の花粉が原因となって起こるアレルギー症状全般のことをさします。

現在日本人の約25%、4人に1人は花粉症だといわれており、花粉の飛散量とともに年々増加傾向にあります。

花粉症の原因となる植物

花粉症の原因となる植物には、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ、イネ、シラカンバ、ハンノキ、カナムグラなどがあげられます。

中でもスギは全国の森林の18%、国土の12%もの面積を占めており、花粉症患者の約70%はスギ花粉が原因となっています。

花粉症の種類について、詳しくは関連記事をごらんください。

花粉症の症状

花粉症の代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状と、目のかゆみや充血などの目の症状があります。

そのほかにも、喉や皮膚のかゆみ、下痢などのお腹の症状、だるさや頭痛、熱っぽさなどが現れることもあります。

花粉症の症状は風邪と似ている部分もあるため、症状の原因を見極めることが治療の近道になります。

北海道と沖縄にはスギ花粉がほとんどない

北海道はスギの分布が北海道南部の一部に限られているため、スギ花粉症は本州ほど大きな問題になっていません。

北海道ではスギ花粉症よりもシラカンバ花粉症が多いといわれています。

シラカンバ花粉症の場合、リンゴやモモ、サクランボといったバラ科の果物に対して過敏症を起こすことがあり、食べると口の中が腫れたりかゆくなったりすることがあります。

なお、沖縄にはスギが全く生息していません。花粉症患者の数自体も、沖縄県は本州と比べるとごく少ないものとなっています。

雨の日は花粉が飛びにくい?

一般的には、雨が降れば一時的に花粉の飛散量は減少します。しかし、飛散量が減少するのは、朝から雨が降っている場合です。

スギやヒノキの花粉は雄花の花粉嚢(かふんのう)に蓄えられており、雄花の開花とともに花粉が飛散し始めます。

朝から雨が降れば、雄花は濡れて開花しないため、花粉の飛散量は少なくなります。

しかし、雨の降り出しが遅い場合は、前日もしくは午前中に舞い上がった花粉が雨の粒や粒周辺の空気とともに落下してくることになります。

弱い雨の場合には雨粒が落下の途中で蒸発し、花粉だけが地表付近に落ちてくるケースもあります。

地表付近に落ちてきた花粉は、雨が降っている間は空気中に停滞する時間が短いため花粉症の患者に与える影響は大きくありません。

しかし、雨の翌日には落下した花粉が乾いて再び飛散するほか、雨が降っている間に開花しなかった雄花が一気に開花するため非常に花粉が多くなります。

花粉の飛散する時間帯や天気について、詳しくはこちらをごらんください。

花粉症が起こるメカニズム

アレルギーの原因となる花粉(異物)が体内に侵入すると、体内では花粉に対抗するIgE抗体が作り出されます。

IgE抗体が作られた後に再び花粉が体内に入ると、鼻や目の粘膜の中に存在するマスト細胞の表面の抗体と結びつきます。

IgE抗体と結びついたマスト細胞は、異物が体内に入るたびに増えていき、ある一定の量に達するとアレルギー症状の原因となるヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出します。

ヒスタミンには鼻や目の粘膜の中にある知覚神経を刺激する作用があり、同じく粘膜の中にある「H1受容体」と結びつくことで鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどの症状を引き起こします。

ロイコトリエンは血管を拡張させる作用があり、鼻づまりを引き起こします。

大人になってから突然発症することもある

内に花粉が入ってできたマスト細胞が年々蓄積し、一定量を超えると症状が現れます。そのため、大人になってから突然花粉症を発症することもあります。

症状が現れる一定量には個人差があり、一概にいうことはできません。

現代では温暖化などの影響で花粉の飛散量が増加していることから、花粉症の患者数も増えています。

花粉症のメカニズムと薬の眠気の関係とは?

花粉症の薬を飲むと眠くなる理由には、花粉症の発症のメカニズムが関係しています。

花粉症の薬の主な成分は、ヒスタミンの放出をおさえる抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬はヒスタミンより先にH1受容体と結びつくことで、ヒスタミンとH1受容体の結合を阻止してアレルギー症状の発生を抑制します。

花粉症の眠気の原因はヒスタミンの抑制にあり

鼻や目の粘膜では、ヒスタミンはアレルギー反応を起こす原因となる非常にやっかいなものです。しかし、脳内にあるヒスタミンには、集中力・判断力・睡眠覚醒・作業能率の維持など脳を動かす大事な役割を担っています。

抗ヒスタミン薬を使用すると、鼻や目の中にあるヒスタミンに作用するだけではなく、血流にのって脳にあるヒスタミンにも作用してしまうのです。

そのため、脳内にあるヒスタミンを抑制することで脳の働きを抑えてしまいます。

花粉症の薬の中には、服用すると眠くなるものがあります。

花粉症の薬の主な成分は、ヒスタミンの放出をおさえる抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンより先にH1受容体と結びつくことで、ヒスタミンとH1受容体の結合を阻止してアレルギー症状の発生を抑制します。

抗ヒスタミン薬の眠気を比較

一口で抗ヒスタミン薬といっても、さまざまな種類があります。

分類 処方薬名 一般名
第一世代 ポララミン マレイン酸クロルフェニラミン
第二世代(Ⅰ類) アゼプチン アゼラスチン
ゼスラン メキタジン
セルテクト オキサトミド
ザジテン フマル酸ケトチフェン
第二世代(Ⅱ類) アレグラ フェキソフェナジン
アレジオン エピナスチン
エバステル エバスチン
ジルテック セチリジン
アレロック オロバタジン
タリオン ベシル酸ベポタスチン

第1世代抗ヒスタミン薬は効果は強めですが、眠気や口の渇き、胸焼けなどの副作用が現れやすくなっています。

第2世代抗ヒスタミン剤は、第1世代の効果はそのままに副作用をおさえるように開発されたものです。また、第2世代の中でもⅡ類よりⅠ類が眠気が少ないとされています。

H1受容体との結合率から、各成分の眠気につながる鎮静作用を比較した研究があります。

抗ヒスタミン剤の中ではアレグラは鎮静作用が低く、もっとも眠くなりにくいといえます。
なお、抗ヒスタミン剤の鎮静作用の感じ方には個人差があるため、車の運転や機械の操作をする際には、鎮静作用の少ない薬を選択しましょう。

おわりに

花粉症は、今まで症状のなかった人でも突然発症することもある病気です。

薬によって眠気や集中力の低下が現れるものもありますが、花粉症のつらい症状に比べればずっと快適に過ごすことができます。

花粉症が疑われる症状がでた場合には、早めに病院を受診しましょう。