食べ物や飲み物は花粉症改善に効果がある?

ヨーグルトや甜茶など食べ物・飲み物などでが花粉症に効くと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

病院や医師の指導以外で行う治療方法は「民間療法」と呼ばれています。

民間療法の多くは効果が科学的に証明されていないため、症状に対して確実に有用な効果があるとはいい切れません。

2007年に厚生労働省によって行われた花粉症の民間療法の実態調査によると、大人6,700名、子供1,800名の花粉症を含むアレルギー性鼻炎の患者のうち、民間療法に有用な効果があるとした割合は「少しある」も含めて30%以下であったと報告されています。

民間療法の効果の感じ方には個人差もあり、あくまで科学的に効果があると立証されているものではありません。

しかし、症状を改善するひとつの手段として薬での治療などと合わせて取り入れることで、効果を期待できる場合もあります。

民間療法を取り入れる場合は、効果が科学的に立証されているものではないことを認識した上で、自己責任のもとで行いましょう。

花粉症と食べ物・飲み物の関係

花粉症の症状は、体の免疫のバランスが崩れることで悪化しやすくなります。

人の免疫は、さまざまな細胞がバランスを取り合うことでコントロールされています。

生活習慣の乱れや栄養バランスの偏りなどにより、どれかが過剰になったり弱まると、免疫のバランスが崩れてしまいます。

花粉症の症状を緩和させるには、免疫のバランスを整えることが重要であり、栄養バランスのとれた食事が重要になってきます。

レンコン・トマトのポリフェノール

野菜には免疫力と関係する栄養素が入っていることが多く、野菜の中でも特にレンコンとトマトが注目されています。

レンコンやトマトなどの野菜には、ポリフェノールという栄養素が含まれています。

ポリフェノールには5,000以上の種類があり、その中でも「フラボノイド」という種類のポリフェノールには、抗アレルギー作用があることが報告されています。

レンコンとトマトにはフラボノイドが豊富に含まれています。

ヨーグルトの乳酸菌

ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、花粉症の症状を改善する効果が期待できる可能性があります。

乳酸菌は、免疫のバランスを改善する作用や、アトピーなどのアレルギーを緩和させる作用をもつことが研究で明らかにされています。

花粉症はアレルギー反応の一種であること、花粉症の症状が現れるしくみに免疫が関係していることから、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が花粉症に効果があることが期待されています。

また、整腸作用により腸内環境が改善されると免疫力が高まるといわれています。

ただし、どのヨーグルトにも乳酸菌は含まれていますが、全ての乳酸菌が花粉症への効果を期待できるわけではありません。

花粉症対策にヨーグルトを選ぶときは、「花粉症への効果をテストした乳酸菌が入ったヨーグルト」を選びましょう。

ヨーグルトの花粉症への効果については、関連記事をごらんください。

納豆の納豆菌

納豆を作るために必要な「納豆菌」と免疫力との関係について、さまざまな研究がなされています。

タカノフーズ株式会社の研究により発見された「S-903納豆菌」には、免疫に対する機能性が一般的な納豆に比べて1.5倍あることが報告されています。

2014年2〜4月に行われた花粉の被験者によるテストでは、「S-903納豆菌を含む納豆」を摂取した被験者は鼻水・くしゃみ・目のかゆみの症状が緩和されたと報告されています。

プロポリスの効果

蜂蜜を作るミツバチを守っている「プロポリス」は、樹木の新芽・樹脂・樹液・花粉・ミツバチの唾液・ミツロウなどから作られる物質です。

プロポリスはミツバチの巣の入り口や壁の隙間などに塗られ、菌やウイルスが巣に入るのを防ぐなどの役割をしています。

株式会社山田養蜂場と鳥取大学医学部の研究で、プロポリスの摂取で、花粉症の症状を軽減させ花粉症の薬の使用量を減らすことに繋がった報告されています。この研究は、医学・薬理学の専門学術誌である「応用薬理」に認められ、掲載されました。

お茶のポリフェノール

お茶は花粉症対策として有名な飲み物のひとつです。お茶にはポリフェノールという栄養素が含まれており、花粉症の症状緩和が期待されています。

すべてのお茶に花粉症に対する効果が期待できるわけではなく、花粉症に対する効果が報告されているお茶を選択しましょう。

甜茶(てんちゃ)

甜茶とは、中国原産の甘みのあるお茶の総称です。甜茶の中でも甜葉懸鉤子(てんようけんこうし)という種類に、花粉症の症状緩和の効果があるとされ注目されています。

甜茶には「甜茶ポリフェノール」という栄養素が含まれています。甜茶ポリフェノールには、アレルギーの症状を予防したり、おさえる効果があるとされています。

べにふうき茶

べにふうき茶とは、他のお茶には含まれない「メルチ化カテキン」というポリフェノールを含んでいるお茶です。メルチ化カテキンには、アレルギーの症状を改善する効果があることが報告されています。

スギ花粉の花粉症の被験者30名を対象に行われたテストでは、べにふうき茶を摂取した被験者は、くしゃみ・鼻水・目のかゆみが緩和されたと報告されています。

花粉症を悪化させる食べ物・飲み物は?

食べ物や飲み物は、花粉症の改善に効果が期待できるものばかりではなく、花粉症の症状を悪化させるおそれのあるものも多く存在します。

花粉症の症状を悪化させることにつながるものは、「トランス脂肪酸が含まれる脂質」と「動物性たんぱく質」です。トランス脂肪酸と動物性たんぱく質は、どちらも過剰な摂取をすると体の免疫力の低下につながります。

トランス脂肪酸とは人の体の細胞を作るために必要な脂肪酸のひとつで、加工された油脂や、牛や羊などの動物に含まれているものです。

動物性たんぱく質とは、乳製品や肉などに含まれるたんぱく質です。

お菓子やファストフード

お菓子やファストフードには、トランス脂肪酸が多く含まれています。トランス脂肪酸の摂取量は、農林水産省によると1日あたり約2g未満の摂取が好ましいとしています。

ケーキやスナックなどのお菓子、ハンバーガーなどのファストフードには、特にトランス脂肪酸が多く含まれているため摂取量に注意しましょう。

牛乳やお酒

牛乳やチーズなどの乳製品には、トランス脂肪酸と動物性たんぱく質の両方が含まれています。

トランス脂肪酸は牛や羊などの動物の胃の中で微生物によって作られるため、牛乳や乳製品などにも天然に含まれています。

動物性たんぱく質は基本的に良質なたんぱく質であり、人の体を作る主成分でもあり必要な栄養素です。

必要な栄養素だからといって過剰に摂取してしまうと、体に負担がかかり、消化も悪く、免疫力の低下につながります。

お酒には、血管を広げる働きがあります。お酒はトランス脂肪酸や動物性たんぱく質とは関係ありませんが、血管を広げることで鼻や目の症状を起こしやすくします。

コーヒーは効果ある?悪化する?

コーヒーの花粉症への効果は期待できません。コーヒーの花粉症への効果に関しては、研究などによる報告がされていません。

コーヒーを飲む事で花粉症が改善することや、コーヒーを飲む事で花粉症が悪化するということはないといえます。

口腔アレルギー症候群に注意

花粉症の人が野菜や果物を摂取すると、口腔アレルギー症候群を起こすことがあります。口腔アレルギー症候群とは、花粉症の人が野菜や果物を摂取したときに、口の中がイガイガするなどのアレルギーを起こす病気です。

野菜や果物には、花粉症の原因となる花粉とアレルゲンの構造が似ているものがあります。アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質をさします。

花粉症の人が花粉とアレルゲンの構造が似ている野菜や果物を摂取すると、アレルギーを起こす細胞が反応します。花粉症で口の中に違和感を感じた場合は、病院で検査を受けてアレルギーの原因となる食べ物を確認する必要があります。

おわりに

花粉症に効く食べ物といわれるものは基本的に、免疫力を高めて体質改善をすることで花粉症の症状を緩和させることが期待できるというものです。あくまで花粉症の症状を緩和させる補助的な役割であり、まずは薬で対処することが前提です。

食べ物だけで花粉症を治す効果はないため、花粉症の治療では必ず病院を受診しましょう。