エバステルの特徴
エバステルは効果も副作用も穏やかな薬
エバステルは「エバスチン」を主成分とした薬で、第2世代抗ヒスタミン薬という比較的新しい薬に分類されます。
抗ヒスタミン薬は、花粉症のアレルギー症状の原因となるヒスタミンをブロックしてアレルギー症状の発症を緩和させる作用があり、花粉症だけではなく皮膚のかゆみや湿疹、じんましんにも効果を発揮します。
第1世代に比べて第2世代の薬は全体的に副作用がでにくくなっていますが、その中でもエバステルは副作用が少ない薬として知られています。
その分、効果も他の薬と比べると比較的緩やかです。
エバステルは1日1回の使用でOK
効果に持続性があるため、1日1回の使用で済むことも特徴のひとつです。
通常、5〜10mgを1日に1回使用します。
エバステルの副作用
エバステルは花粉症の薬の中でも眠気の副作用がでにくいですが、全くでないというわけではありません。
薬を飲んだあとに車の運転や、機械類の操縦は避けましょう。
エバステルの副作用と発生頻度は次のとおりです。
【0.1〜2%未満】
・精神神経系:眠気、倦怠感、 頭痛、めまい
・消化器:口渇、胃部不快感
【0.1%未満】
・過敏症:発疹、むくみ、じんましん
・循環器:動悸
・精神神経系:しびれ感、不眠
・消化器:嘔気・嘔吐、 腹痛、鼻・口腔内乾燥、下痢、舌炎
・肝臓:AST(GOT)、 ALT(GPT)、 LDH、γ-GTPの上昇
・その他:好酸球増多、胸部圧迫感、ほてり、体重増加
【頻度不明】
・循環器:血圧上昇
・肝臓:ALP、 ビリルビンの上昇
・泌尿器:排尿障害、頻尿
・その他:月経異常、 脱毛、味覚 異常、BUNの上昇、尿糖
重篤な副作用
下記の副作用はめったに起こりませんが、念のため薬を服用後の体調の変化に注意してください。
・ショック、アナフィラキシー様症状
・肝機能障害、黄疸
エバステルは子どもの花粉症にも使用可能
小児にはOD錠がおすすめ
エバステルの剤形には、一般的な錠剤とは別に、OD錠という口の中で溶ける薬もあります。
OD錠は錠剤を飲みこむことが苦手な方や、嚥下能力が低下している高齢者の方、小さな子どもにおすすめです。
とくに、エバステルOD錠5mgには、イチゴの味がついており、子どもでも飲みやすくなっています。
小児の用量用法
処方薬のエバステルは7歳以上から使用可能です。
通常、5〜10mgを1日に1回使用します。なお、年齢や症状によって用量を調節する場合があります。
エバステルの薬価:ジェネリックや市販薬はある?
ジェネリック医薬品の方が安い
エバステルはジェネリック医薬品も販売されています。
ジェネリック医薬品とは先発薬の特許が切れたあとに販売される薬のことで、先発薬と同じ成分で同じ効能があると国に認められている薬です。開発にかかる費用が必要ないため、先発薬より安価で販売することが可能です。
ジェネリック医薬品の中でも製造された年代やメーカーによって価格の差がありますが、いずれの製品も先発薬よりもジェネリックの方が安価になっています。
先発医薬品 | ジェネリック医薬品 | ||
エバステル錠5mg | 69.5円 | エバスチン錠5mg | 26.8~41.1円 |
エバステル錠10mg | 91.7円 | エバスチン錠10mg | 41.6~54.2円 |
エバステルOD錠5mg | 69.5円 | エバスチンOD錠5mg | 26.8~41.1円 |
エバステルOD錠10mg | 91.7円 | エバスチンOD錠10mg | 41.6~54.2円 |
※2017年2月現在
ジェネリック医薬品を希望する場合は、診察時に医師へジェネリック医薬品を希望する旨を伝えてください。また、保険薬局で薬剤師へ相談することも可能です。
ただし処方箋にジェネリック医薬品への変更不可の記載がある場合や、在庫が無い場合は購入できないこともあります。
エバステルには同じ成分の市販薬も
エバステル錠は処方薬のため入手するには医師の処方箋が必要となりますが、エバステルと成分・成分量が同じ市販薬「エバステルAL」という薬が存在します。
「エバステルAL」は、第1類医薬品であり、薬局・ドラッグストア・amazonなどのインターネットで購入できます。どうしても病院へ行く時間がない方には、市販薬も有効です。
ただし、処方薬と市販薬では価格が大きく異なります。
エバステル錠(処方薬) | エバステルAL(市販薬) | |
成分量 | 5mg/1錠 | 5mg/1錠 |
用法 | 1日に1回1錠使用 | 1日に1回1錠使用 |
価格/1日 | 69.5円 | 約166円 |
対象年齢 | 7歳以上 | 15歳以上 |
※価格は2017年2月現在
※市販薬はメーカー希望小売価格(税抜)で算出しています
処方薬はこの価格からさらに保険が適用されるため、市販薬よりもかなり割安となります。
ほかにも処方薬には配合量や剤形にも種類があるため、より個人の状態に合わせて薬を選択することが可能です。
市販薬の医療費控除
エバステルALは、「セルフメディケーション税制」対象商品です。
セルフメディケーション税制は、2017年1月1日から導入された医療費控除制度です。
セルフメディケーション税制対象商品については、12,000円(扶養家族分の合算)を超えて購入し、一定の条件を満たしている場合に医療費控除が適用されます。購入時のレシートは保管しておきましょう。
セルフメディケーション税制について、詳しくは関連記事をごらんください。
おわりに
エバステルは眠気がでにくく穏やかに効き、1日1回の使用で効果のある薬です。
ただし、エバステルは花粉症の薬の中でもいちばん強い薬というわけではありません。症状がおさえられていないと感じた場合は、医師に伝えて別の薬を処方してもらうなどの対処が必要です。