若い世代と比べると、高齢者(65歳以上)で花粉症を発症している方は少ない傾向にあります。また、もともと花粉症の症状をもっていたのに年齢を重ねて症状が楽になったという方もいます。

それはなぜなのでしょうか?

この記事では、高齢者に花粉症が少ない理由と加齢により症状が楽になる理由を解説します。また、高齢者の花粉症と間違えやすい鼻炎や花粉症対策の注意点も紹介します。

高齢者に花粉症が少ない理由

1960年代に入るまで、日本では「花粉症」という症状がありませんでした。花粉症の発症の報告数が増え始めたのは1970年代の前半です。

つまり、現在の高齢者が若い頃は花粉症が少なかったということになります。

その理由として下記のことが考えられます。

スギの飛散量が少なかった

高齢者に花粉症が少ない理由のひとつとして、スギ花粉の飛散量が少なかったことがあげられます。

戦後の混乱期を過ぎると、住宅建設などのために木材の需要が高まりました。そこで、成長が早く建築資材として使用されるスギなどの植林が進められました。

そのため、スギの花粉が多く飛散するようになり、花粉症というアレルギー疾患が現れたのです。

和食中心の食生活である

花粉症の方が増えた原因として、日本人の食生活の変化も大きく影響しているとされています。

現在では食生活や生活習慣が欧米化し、高たんぱく・高脂質の食事をとる機会も増えてきました。ジャンクフードやインスタント食品、スナック菓子は体の免疫力を低下させ、花粉症を発症しやすくする要因でもあります。

現在高齢者となっている世代は、昔から和食中心の生活であるため、アレルギー体質になりにくいといえるでしょう。

高齢になると花粉症の症状が軽くなる

もともと花粉症に悩まされていても、年齢を重ねるにつれ花粉症の症状が楽になる場合があります。

年をとると免疫反応が低下するため、花粉に対してのアレルギー反応が弱くなることにより、花粉症の症状がでにくくなるためと考えられています。

しかし、免疫反応には個人差があるため、歳をとれば必ず症状が軽くなるというわけではないのでご注意ください。

高齢者の花粉症対策の注意点

若い世代より少ないとはいえ、高齢者にも花粉症に悩む方は多くいるため毎日の花粉症対策が必要です。しかし花粉症対策の中でも高齢者特有の注意すべき点があります。

マスクによる肌荒れに注意

花粉症の基本的な対策は、年齢に関わらずマスクの着用です。しかし、肌の弱い高齢者がマスクを使用する場合は、マスクによる肌荒れが起こる可能性があります。

さまざまな種類のマスクが販売されているので、材質や形状が合ったものを使用することが大切です。

■肌の弱い方はガーゼマスクがおすすめ

花粉をブロックする効果の高い気密性に優れたマスクは、息がこもり水分が溜まることで、肌を刺激してしまいます。また、キメの粗い不織布のマスクも肌を刺激する可能性があります。

一方、ガーゼのマスクであれば、柔らかく肌への負担が少なくてすみます。小さいガーゼを不織布マスクの内側にいれるのもよいですね。

■耳にかけるゴムの形状に注意

ゴムが細いものを使用すると、耳の後ろが痛くなったり、荒れたりする場合があります。太めのゴムのものを選んだり、使用前にゴムを引っ張っておくなどするとよいでしょう。

市販薬の使用について

気軽に購入できる市販薬ですが、高齢者の使用には注意が必要です。日常的に飲んでいる薬があれば、飲み合わせに注意が必要な可能性があるため必ず医師や薬剤師に確認をとってから使用しましょう。

また、花粉症の薬の副作用にも注意が必要です。

基本的には市販の花粉症の薬を使用するのではなく、かかりつけの医師に処方してもらうことをおすすめします。

花粉症と間違えやすい老人性鼻炎に注意

花粉症の鼻水は「透明でサラサラしている」という特徴があります。しかし、カレイが原因で起こる「老人性鼻炎」という慢性鼻炎でも、花粉症と同じようにサラサラとした鼻水がでることがあります。

「サラサラな鼻水=花粉症」と自己判断をすると誤った治療を行うことにもつながります。気になる症状がでたら医師の診察を受けるようにしましょう。

おわりに

「年齢とともに免疫力が低下すると花粉症が軽くなる可能性もある」と加齢によるよい面もあると考えられますが、免疫力が低下するとさまざまな病気にかかりやすくなります。

花粉症の有無に関係なく、免疫力が落ちないように心がけて生活することが、健やかな人生につながるといえるでしょう。