ヒノキ花粉症の基礎知識

ヒノキ花粉症とはヒノキの花粉によって鼻や喉の粘膜、眼球の結膜、皮膚がアレルギー反応を起こして、鼻炎・結膜炎などの症状を起こすものです。

一般的に、スギ花粉のあとにヒノキの花粉が飛び始めます。

ヒノキ花粉はスギ花粉の飛散が終盤になる3月上旬から飛散が始まり、3月下旬から4月上旬にピークを迎えます。全国的には5月中旬ごろに飛散は終息します。

花粉の飛散数と症状の強さは比例し、花粉が飛散している間は発症しやすい状態がずっと続きます。スギ花粉の飛散が減ってきてもくしゃみ・鼻水、鼻づまり、目の炎症が治らない、もしくはあらたに症状が起きた方はヒノキの花粉が関係しているかもしれません。

ヒノキ花粉症は今後増える?!

ヒノキは高さ30~40mまで成長し、本州では福島より南~九州・屋久島まで分布している常緑高木です。天然のヒノキ林もありますが、ほとんどは植樹による人工林です。

日本の森林面積のうち約4割が人工林で、その中で一番面積が広いのがスギ林、ついでヒノキとなっています。これらのスギ林では樹齢40~60年にあたるものがほとんどで、まさに今、花粉をさかんに放出する時期を迎えています。

ヒノキはスギより若干若い樹が多いので、むしろこれから大量に花粉を飛散するようになると予想されています。

このような状況を受けて、国では植林の際に花粉が作られにくい少花粉や無花粉品種を増やすよう対策が進められています。しかし、実際に飛散する花粉が減るには数十年かかるとみられ、花粉症に悩まされる日々はまだ当分続くでしょう。

関西で要注意!ヒノキ花粉の地域差

現在、花粉症の7割はスギ花粉が原因といわれていますが、花粉の量には地域差があります。

関東・東海地方ではヒノキ花粉の飛散も見られますが、スギの人工林がより多いためスギ花粉症の方が多く、症状も強く現れる傾向にあります。

関西ではスギとヒノキの植林面積はほぼ等しいものの、現状ではスギ花粉の飛散数の方が多いようです。しかし今後はヒノキが花粉を盛んに放出する樹齢に差し掛かるため、ヒノキ花粉症の影響が大きくなると予想されています。

ヒノキ花粉症の症状

花粉症のおもな症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどですが、ヒノキ花粉症では目の症状がでやすい傾向にあるといわれています。

また、スギとヒノキでは花粉の構造が似ていて、スギ花粉症の7~8割はヒノキ花粉でもアレルギー反応を起こすといわれています。

どの症状が強く出るかには個人差があり、症状だけでは原因となる花粉を見分けることは困難です。炎症が長引くと治りにくくなるので、症状が強い部分の診療科で早めに診察を受けましょう。

例)
・目がかゆい、充血している:眼科へ
・鼻水が止まらない、鼻づまりがある:耳鼻科へ

ヒノキ花粉症に効く市販薬の選び方

花粉症の薬は何十種類もあります。成分の特徴と症状を照らし合わせ、ライフスタイルなども考慮しながら選んでください。

タイプ おもな症状 効果的な薬
くしゃみ・鼻水型 ・水のようなサラサラとした鼻水が止まらない
・鼻のムズムズが止まらない
・くしゃみを連発する
抗ヒスタミン薬
鼻づまり型 ・鼻が詰まって息が苦しい
・就寝中に鼻が詰まって眠れない
・口を開けて寝るため口の中が乾く
抗アレルギー薬、点鼻薬
目がつらい型 ・目がかゆい
・白目が腫れている
・目が充血している
点眼薬

抗ヒスタミン薬の特徴

細胞から放出されたヒスタミンの作用をおさえる薬で、アレルギー症状が出たときの対処法として効果的です。くしゃみ・鼻水など初期症状を素早くおさえます。

効き目の特徴から第一世代と第二世代に分類され、第一世代では眠気の副作用が強いので注意が必要です。

アレグラFX 14錠 医療用アレグラと同成分配合 花粉症に (第2類医薬品)

眠気がでにくいタイプの抗ヒスタミン薬で、成人(15歳以上)1回1錠、1日2回朝夕に使用します。食前・食後を気にせず、空腹時でも使用できます。

抗アレルギー薬の特徴

細胞からヒスタミンやロイコトリエンなど神経伝達物質が放出されるのをおさえる薬で、眠気などの副作用がでにくい特徴があります。

アレルギー症状の予防や長引く鼻づまりなどに効果的で、花粉の飛散が始まる前から飲み始めるとピーク時の症状が軽くなります。

アレギサール鼻炎

眠くなる成分が含まれていない鼻炎薬です。成人(15歳以上)1回1錠、1日2回朝食後および夕食後に使用します。花粉が飛散が始まる1~2週間前から使用すると効果的です。
 

花粉症の点鼻薬・点眼薬について

鼻炎や目のかゆみがひどい場合は、点鼻薬・点眼薬を内服薬と併用または単独で使用します。

点鼻薬・点眼薬ともに市販薬では抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を含んでいるものがほとんどです。いずれも局所の炎症を速やかに鎮める効果があり、全身的な副作用がでにくい特徴があります。

ザジテンAL鼻炎スプレーα 7ML(第2類医薬品)

ザジテンAL鼻炎スプレーは抗ヒスタミン成分配合の点鼻薬です。1日4回、両鼻腔内にスプレーします。クールな使い心地で、血管収縮剤は含まれていません。

ザジテンAL点眼薬 10mL 目のかゆみに 医療用と同成分配合 (第2類医薬品)

ザジテンAL点眼薬は抗ヒスタミン成分配合のアレルギー専用目薬です。1回1~2滴、1日4回で効果を発揮します。

ロートアルガード

アルガードは抗アレルギー成分配合の点眼薬です。すっきりクールなさし心地で防腐剤無添加です。花粉でデリケートになった目におすすめの、花粉対策のスタンダードな目薬です。

点鼻薬・点眼薬選びの注意点

市販の点鼻薬や点眼薬には血管収縮剤を含むものも多くあります。

毛細血管を収縮させて腫れや充血を改善するものですが、繰り返し使用するとリバウンドで症状が悪化する可能性があります。花粉症は長期に渡って繰り返し薬を使用するため注意が必要です。

病院では総合的な鼻症状の緩和のためにステロイドの点鼻薬を処方するケースも多く、鼻アレルギー治療ガイドラインでは重症例の第一選択剤として推奨されています。

市販薬の使用は自己責任です。購入の際は薬剤師に相談し、効き目が感じられない場合は早めに医療機関を受診しましょう。

アレルギー体質と花粉症の関係は?

厚生労働省の調査では、日本人の2人に1人は何らかのアレルギー症状があるとされ、アレルギー体質の人は花粉症にもなりやすいといわれています。

花粉症では免疫機能を働かせるIgE抗体の増加が症状につながります。アレルギー体質の人はこのIgE抗体が体内で作られやすかったり、すでに体内にたくさん存在している可能性があります。

アレルゲンに対して反応しやすくなっているところに花粉が入れば、少量でも引き金となるため症状が起こりやすく、すでに発症している症状は悪化しやすくなります。

ハウスダストや食物でアレルギーがある方やアトピー性皮膚炎の方は、花粉症にも注意が必要です。マスクや眼鏡の着用で、日頃から花粉を吸い込まない工夫を続けましょう。

アレルギー検査について:診療科・費用・注意点

花粉症対策を的確におこなうためにも、スギ花粉症の方はヒノキ花粉にも反応するか調べてみましょう。

アレルギー検査は、内科・小児科・耳鼻咽喉科・皮膚科などで受けることができ、結果は4~6日間でわかります。

スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサといった花粉のほか、ハウスダストやダニについても一緒に調べられるので、日頃からアレルギーが気になっている方は合わせて確認ができます。採血が難しい小さな子どもには、3~4滴の血液で検査する方法もあります。

費用は病院でおこなう検査項目によって異なり、血液検査・アレルゲン検査の場合は3,000~6,000円くらいです。

アレルギー検査は症状がでている場合は基本的に保険適用になりますが、症状がない状態での検査は自費診療になる可能性があります。詳しくは各医療機関でご確認ください。

なお、アレルギー検査を受ける前に抗ヒスタミン剤など花粉症の薬を飲まないでください。正しいアレルギー反応がでない可能性があります。

おわりに:体調メモをつけてみよう

毎年花粉が飛び始める時期に体調が悪くなる方は、体調メモをつけることをおすすめします。

例)
・天候と気温
・いつ、どんな症状が出たのか
・使用した薬と効き目について

以上のことを簡単にメモしておきます。

これにより、天気の傾向と症状の関係がわかるほか、薬の効き目もメモしておくと医師や薬剤師への相談に役立ち、薬の選択もスムーズにおこなえます。自分に合った治療を進めるためにも、気になったことは記録しておきましょう。