花粉症の薬のよくある質問|妊婦・授乳婦・子供・ピルとの飲み合わせ・その他の薬との飲み合わせ

市販薬・処方薬を問わず、ユーザーから薬剤師QAに寄せられる花粉症の薬のよくある質問のまとめ。妊娠中・授乳中に使用する花粉症の薬のまとめ、子供が使用できる花粉症の薬について、花粉症の薬とピルとの飲み合わせ、他の薬との飲み合わせについて薬剤師が解説します。

妊娠中でも使用できる花粉症の薬はありますか?

妊娠中の場合、花粉症の薬のように月単位で服薬を継続する場合には、大前提として一度産婦人科か耳鼻咽喉科を受診することを推奨します。

特に胎児への影響が出やすい妊娠初期(16週以内)には、衣類の花粉を払ったり空気清浄機を利用したり物理的な花粉対策にとどめ、薬を使用しないことが望まれます。

市販薬は応急処置として使用する

市販薬を鼻炎対策など短期で使用するのであれば、特に問題はありません。妊娠中にすでに数日薬を服用してしまった場合でも、あわてる必要はありません。

市販薬はあくまで応急処置ととらえ、長引くようであれば早めに医療機関を受診しましょう。

【内服薬】

妊娠中の方は基本的に、薬の説明書のにある「相談すること」に該当します。

どうしてもつらい場合を除き、内服薬は極力避けるようにし、早めに医療機関を受診してください。

【点鼻薬】

ステロイド成分を含むもの(「コールタイジン」「コンタック鼻炎スプレー」「ナザールAR」など)は使用を控えてください。

「してはいけないこと」の欄に「妊婦又は妊娠していると思われる人」の記載があります。

その他の点鼻薬に関しても「相談すること」の項目に含まれているので、基本的には医療機関を受診し、処方薬を使用しましょう。

【点眼薬】

たとえばロートのアルガードシリーズのページにもある通り、一部に使用可能な薬があります。

目薬:妊娠中ですが、使用できますか?

ロートアルガードクールEX、ロートアルガード、ロートアルガードs、ロートアルガードコンタクトaの場合
説明書に注意記載が特になければ、妊娠中の方が使用しても問題はないと考えていますが、用法・用量を守って使用することが大切です。
また、診察を受けている産婦人科医には一般用目薬を使用していることを伝え、医師の指導に従ってください。

ロートアルガードクリアブロックZ、ロートアルガードクリアマイルドZ、ロートアルガードクリアブロックEXa、ロートアルガードクリアマイルドEXaの場合
妊娠中の使用は控えてください。

ロートアルガードプレテクトの場合
妊娠中のご使用については、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。

(出典:ロート製薬ホームページより)

目のかゆみには一時的に使用できる薬があるということです。

かゆみがひどくなりがちな方は、妊娠中にも使える目薬を常備薬として用意しておくのもよいでしょう。

妊娠中に使用できる処方薬

【内服薬】

妊娠中に処方された薬は、基本的に医師の診断のもと処方されているため、指示に従って服用している限り間違いはありません。

何らかの理由で処方薬の使用の判断に迷った場合、ペミラストン(ペミロラストカリウム)の服用は避けてください。大量投与の動物実験において胎児の発育遅延が報告されているため、他剤への変更が望まれます。

一般的には使用経験の豊富なポララミン(クロルフェニラミンマレイン酸塩)が処方されるケースが多くあります。

また、以下のようなその他の薬もヒトにおける催奇形性や胎児毒性を示すデータがなく、使用可能と考えられています。

代表的な処方薬 クラリチン(ロラタジン)、ジルテック(セチリジン塩酸塩)、アレグラ(フェキナゾシン塩酸塩)、アレジオン(エピナスチン塩酸塩)、アレロック(オロパタジン塩酸塩)、ザジテンカプセル(ケトチフェンフマル酸塩)、ザイザル(レボセチリジン塩酸塩)、タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)

ただし花粉症のように数か月単位で薬を服用を継続する場合には、医師の判断が重要になります。

余った薬を再利用するなど自己判断での服用は避け、必ず産婦人科や耳鼻科を受診してください。

【点鼻薬】

局所的な作用のため使用可能と考えられます。

アラミスト点鼻液(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)、ナゾネックス点鼻液(モメタゾン)など、点鼻薬は特に問題なく使用できるということができます。

【点眼薬】

パタノール(オロパタジン塩酸塩)やフルメトロン(フルオロメトロン)等、処方の目薬は適切な使用法を守れば特に問題はありません。

目への作用は局所的であり、全身への影響もごくわずかにとどまるためです。

授乳中でも使用できる花粉症の薬はありますか?

母乳は子供の栄養として非常に重要であり、また、授乳を急に中止する母親の方でも乳腺炎の原因になることがあるため、花粉症の時期であったとしても可能な限り継続したいものです。

授乳中は薬を飲むタイミングがとても大切です。

授乳中は、授乳直後に薬を服用し、次の授乳までなるべく時間が空くよう心掛けることで、薬の母乳への影響は最小限におさえることができます。

市販薬は「小青竜湯」が無難

【内服薬】

授乳中の内服薬の服用は、産婦人科に相談することが基本となります。

市販薬の中でも、漢方の「小青竜湯」には授乳婦に対する注意書きの記載がなく、急場しのぎにはおすすめできます。

その他の市販薬はいずれも授乳婦に対して注意喚起がされています。基本的には授乳中の使用は避け、症状がつらいようであれば産婦人科の担当医に相談してください。

【点鼻薬】

適正に使用する限り、薬はほとんど血液中に移行しません。そのため、薬の成分は乳汁にもほとんど影響がなく、特に問題はないと考えられています。

ステロイド成分を含むもの(「コールタイジン」「コンタック鼻炎スプレー」「ナザールAR」など)は「相談すること」の欄に「授乳中の人」の表記がみられますが、こちらも特に問題はないと考えられます。

心配であれば、店頭の薬剤師に相談するか、医療機関を受診してください。

【点眼薬】

授乳中でも使える市販の点眼薬は数種類用意されているため、目のかゆみがつらい場合には活用しましょう。

ただし、製品を使用する前に必ず各製品ごとの説明書を確認してください。

「ロートアルガード」のように抗ヒスタミン成分と血管収縮成分といった基本的な内容であれば、特に記述もなく問題なく使用することができます。

その他の抗アレルギー成分や抗炎症成分を含む商品は、現在では種類も多く多岐にわたります。全てをまとめて記載することは困難なため、店頭やメーカーページ等にて確認してください。

授乳中に使用できる処方薬

処方薬は剤形に関わらず、以前処方された薬で余っているものが手元にある場合でも、自己判断で再利用しないでください。

【内服薬】

授乳中に処方された薬は、基本的に医師の診断のもと処方されているため、指示に従って服用している限り間違いはありません。

何らかの理由で処方薬の使用の判断に迷う場合は、以下の表を確認してください。なお、下記の表は決して自己判断での服用を推奨するものではありません。あくまで目安になります。

◎通常の治療量であれば問題ない

クラリチン(ロラタジン)、ジルテック(セチリジン塩酸塩)、アレグラ(フェキナゾシン塩酸塩)、小青竜湯

◯乳汁移行が少ないか小児にも適応があり問題ない

アレジオン(エピナスチン塩酸塩)、アレロック(オロパタジン塩酸塩)、ザジテンカプセル(ケトチフェンフマル酸塩)、リザベン(トラニラスト)、ゼスラン・ニポラジン(メキタジン)、オノン(プランルカスト水和物)、キプレス・シングレア(モンテルカストナトリウム)

△乳児の鎮静・眠気に注意すれば両立可能だが、できれば避けたい

ポララミン(クロルフェニラミンマレイン酸塩)、ペリアクチン(シプロヘプタジン塩酸塩)、アゼプチン(アゼラスチン塩酸塩)

【点鼻薬】

適正に使用していれば、薬はほとんど血液中に移行しません。そのため、薬の成分は乳汁にもほとんど影響がなく、特に問題はないと考えられています。

【点眼薬】

パタノール(オロパタジン塩酸塩)やフルメトロン(フルオロメトロン)等、処方の目薬は適切な使用法を守れば特に問題はありません。

ただし、大分県『母乳と薬剤』研究会の「母乳と薬ハンドブック」によると、「点眼薬での1回の投与量は非常に少ないが、点眼後に鼻粘膜などから吸収された薬剤は初回通過効果を受けずに血中に移行」するとされています。つまり全身への作用も懸念されるということです。

続いて、同ハンドブックでは以下のような提案がなされています。市販薬に比べ、一般に効きのよい処方薬では注意しましょう。

乳汁移行を回避するため授乳婦に投与する場合は以下の項目について説明する。

①点眼後はまばたきせず閉眼
②点眼滴数は1滴とする
③目頭(涙嚢部)付近を軽く圧迫して目からの薬剤の流出を防止する

子供でも使用できる花粉症の薬はありますか?

処方薬の場合、医師が年齢(主に体重)に応じて薬を処方するため、医師の指示に正しく従って使用しましょう。

医薬品の世界では15才以上が成人とされるため、高校生以上は未成年でも大人と同じ服用量で構いません。

15才未満の子供の場合は、薬の使用前に必ず薬の説明書を確認しましょう。

市販薬の中には、生後3か月から使用可能な薬なども用意されています。

ムヒのこども鼻炎シロップS

生後3か月〜7才未満まで使用可能な、小さい子供向けの鼻炎薬です。

シロップタイプで、年齢に応じて量を調節して飲んでいただくことになります。

新コンタック600プラス小児用

7才以上〜15才未満まで使用できます。

大人用の新コンタック®600プラスとは、量が異なるだけで成分的には同じです。

花粉症の薬とピル(避妊薬)の飲み合わせについて教えてください

【アンジュ、トリキュラー、ラベルフィーユ、マーベロン、ファボワール、シンフェーズ、ルナベル、フリウェル、ヤーズの共通の回答です。】

抗アレルギー薬の中には「副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)」が含まれる飲み薬もあり、低用量ピル(超低用量ピル)と一緒に使うとステロイドの代謝が阻害され、ステロイドの作用が増強するおそれがあります。

医師の判断によっては使い合わせることもあるため、使い合わせは医師に確認した方が良いでしょう。

なお、ステロイドの薬でも点鼻薬や目薬であればピルと使い合わせても問題ないと考えられます。

医師に確認した方が良い薬

  注意が必要な花粉症薬の例
処方薬 ・セレスターナ配合錠
・セレスタミン配合錠
・ベタセレミン配合錠
・サクコルチン配合錠
・プラデスミン配合錠 など

※2018年2月現在、市販薬にステロイドの飲み薬はありません。

使用できる薬

  ピルと一緒に使用できる花粉症薬の例
処方薬

【飲み薬】
アレグラ(フェキナゾシン塩酸塩)、アレジオン(エピナスチン塩酸塩)、アレロック(オロパタジン塩酸塩)、アゼプチン(アゼラスチン塩酸塩)、エバステル(エバスチン)、クラリチン(ロラタジン)、ザジテンカプセル(ケトチフェンフマル酸塩)、ザイザル(レボセチリジン塩酸塩)、ジルテック(セチリジン塩酸塩)、タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)、ポララミン(クロルフェニラミンマレイン酸塩)、ペリアクチン(シプロヘプタジン塩酸塩)、デザレックス(デスロラタジン)、ルパフィン(ルパタジンフマル酸塩)など

【点鼻薬】
アラミスト点鼻液(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)、ナゾネックス点鼻液(モメタゾン)など

【目薬】
パタノール(オロパタジン塩酸塩)、フルメトロン(フルオロメトロン)など

市販薬

【飲み薬】
アレグラFX、アレジオン10、アレジオン20、コンタック鼻炎Z、クラリチンEX、ストナリニZ、パブロン鼻炎カプセルSα、コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール、コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル、鼻炎薬Aクニヒロ、ロートアルガード鼻炎内服薬ZII、アネトンアルメディ鼻炎錠 など

【点鼻薬】
エージーノーズアレルカット、コールタイジン点鼻液、ザジテンAL鼻炎スプレーα、ナザール、ナザールαAR0.1%、アルガード鼻炎クールスプレーa、ロートアルガードST鼻炎スプレー、ベンザ鼻炎スプレー、パブロン点鼻、パブロン鼻炎アタック<季節性アレルギー専用> など

【目薬】
ロートアルガード 、マイティアアイテクトアルピタット、ザジテンAL点眼薬、サンテアルフリー新目薬、アイリスAGガード など

ピル(経口避妊薬)とサプリメント・健康食品・食品との飲み合わせについて詳しい情報は、関連記事をごらんください。

花粉症の薬とその他の薬の飲み合わせについて教えてください

市販の花粉症薬を服用中の場合

市販薬同士の飲み合わせは、主に以下の通りです。酔い止めや胃薬を使用する場合は注意しましょう。

気をつけるべき成分(市販薬) 服用中の花粉症薬中の相互作用を起こす成分
抗ヒスタミン薬、抗ヒスタミン成分を配合した市販の風邪薬、鎮咳薬(咳止め)、鎮暈薬(乗り物酔い薬)、アルコール(飲酒) 抗ヒスタミン成分
抗コリン薬、抗コリン成分を配合した市販の胃腸薬(一部の胃薬、下痢止めほか) 抗コリン成分
水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムを含有する制酸剤(一部の胃薬) フェキソフェナジン塩酸塩

(参考:日経BP社「OTCメディケーション」虎の巻 第3版)

継続中の処方薬がある方は以下を参考にしてください。(具体的な薬剤名ではなくグループの名称で記載している項目もあります。)

基本的には以下に該当しなければ併用可能ですが、市販薬は多剤混合の薬ということもあるため、心配な場合は担当医まで直接相談することをお勧めします。

気をつけるべき成分(処方薬) 市販の花粉症薬中の相互作用を起こす成分
MAO阻害薬 抗ヒスタミン成分、カフェイン、プソイドエフェドリン、プレドニゾロン
三環系抗うつ薬 抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、交感神経興奮成分
睡眠薬、鎮静薬、抗不安薬、アルコール(飲酒) 抗ヒスタミン成分
ステロイド 抗ヒスタミン成分
キサンチン系薬、中枢興奮薬、シメチジン カフェイン
血液抗凝固薬 ブロメライン、セラペプターゼ
メトキサレン メキタジン
エリスロマイシン フェキソフェナジン塩酸塩
テオフィリン、リトナビル、ピルシカイニド塩酸塩水和物 セチリジン塩酸塩
イトラコナゾール、エリスロマイシン エバスチン

(参考:日経BP社「OTCメディケーション」虎の巻 第3版)

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