ヨーグルトは花粉症に効果がある?

ヨーグルトには花粉症の症状を直接治す効果はありません。また、ヨーグルトを摂取することで花粉症が治るという報告はありません。

しかし、ヨーグルトの摂取で花粉症の症状が緩和されるという研究結果の報告例はあります。

花粉症の症状の原因の一つに免疫バランスの乱れがあるとされています。

ヨーグルトを摂取することで免疫のバランスを整えることにつながり、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなどの花粉症の症状が緩和されることが期待できるのです。

なお、花粉症への効果が報告されている研究のほとんどが、「スギ花粉の花粉症」を対象とした研究が行われているため、基本的にスギ花粉以外の花粉症への効果は確認されていません。

乳酸菌が花粉症にはたらきかける

ヨーグルトが花粉症の症状を緩和させることが期待できる理由は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌にあります。

乳酸菌は、免疫のバランスをとっている細胞にはたらきかける作用や、アトピーなどのアレルギー症状を緩和させる作用をもつことが研究で明らかにされています。

花粉症はアレルギー反応の一種であること、花粉症の症状が現れるしくみに免疫が関係していることから、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が花粉症への効果が期待されています。

全てのヨーグルトに花粉症への効果があるわけではない

どのヨーグルトにも乳酸菌は含まれていますが、全ての乳酸菌が花粉症への効果を期待できるわけではありません。

花粉症対策にヨーグルトを選ぶときは、「花粉症への効果が認められた乳酸菌が入ったヨーグルト」を選びましょう。

R-1乳酸菌ヨーグルトの効果

R-1乳酸菌(OLL1073R-1)は、花粉症への効果に関する研究があまり報告されていません。

R-1乳酸菌は、他の乳酸菌に比べてNK(ナチュラルキラー)細胞への効果が高いと報告されています。NK細胞とは、免疫システムを作っている細胞のひとつです。

花粉症に対する直接的な効果に関してははっきり分かっていませんが、免疫力の向上を期待できる可能性はあります。

L-92乳酸菌ヨーグルトの効果

L-92乳酸菌を商標登録しているアサヒカルピスウェルネス株式会社の研究では、L-92乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株)は、花粉症の症状を緩和させる効果があることを示すデータが報告されています。

シーズン中の摂取で目のかゆみを緩和

花粉症の被験者23名を対象に行われたテストで、花粉シーズン中に「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取すると目の症状が緩和されたと報告されています。

スギ花粉のシーズン中に、花粉症の被験者23名中12名が「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取し、残りの11名は「L-92乳酸菌を含まない食事」を摂取しました。テストは6週間行われました。

テストの結果、「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取した12名は目の症状が緩和が認められ、花粉症の薬を使用する頻度が減少しました。

シーズン前の摂取で目のかゆみ・鼻水・鼻づまりを緩和

花粉症の被験者80名を対象に行われたテストで、花粉シーズン前に「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取しておくと、花粉症シーズン中の目・鼻の症状が緩和されると報告されています。

花粉のシーズン前に花粉ばく露施設でスギ花粉のばく露試験が行われました。花粉ばく露施設およびばく露試験とは、被験者を花粉にさらし、症状の変化などを観察する施設および試験をさします。

花粉症の被験者80名を20名ずつ4つのグループに分けて、「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取する3つのグループ、「L-92乳酸菌を含まない食事」を摂取するグループとし、スギ花粉のばく露試験が行われました。「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取する3つのグループは、「ばく露される花粉の量」によって分けられました。

ばく露試験後8週間、3つのグループは「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取し、8週間後に再び4つのグループへスギ花粉のばく露試験を行い、摂取前と後で花粉症の症状の変化があるかテストされました。

テストの結果、「L-92乳酸菌を含む食品」を摂取した3つのグループは、目・鼻の症状が緩和が認められ、摂取量が多い程、改善の度合いが高い傾向にあることがわかりました。

LGG乳酸菌・TMC0356乳酸菌ヨーグルトの効果

LGG乳酸菌とTMC0356乳酸菌は、花粉症の鼻づまりの症状を緩和させる効果があることを示すデータが、タカナシ乳業株式会社の研究で報告されています。

神奈川県在住するスギ花粉の花粉症の被験者を対象に、10週間のテストが行われました。

テストでは花粉症の被験者を2つのグループに分け、「LGG乳酸菌とTMC0356乳酸菌を含むヨーグルト」を摂取するグループと「LGG乳酸菌とTMC0356乳酸菌を含まないヨーグルト」を摂取するグループとしました。

テストの結果、「LGG乳酸菌とTMC0356乳酸菌を含むヨーグルト」を摂取したグループは、鼻づまりの自覚症状が緩和されました。

KW乳酸菌ヨーグルトの効果

KW乳酸菌(KW3110株)は、花粉症のアレルギー症状を緩和させる効果があることを示すデータが、キリン株式会社と小岩井乳業株式会社の共同研究で報告されています。

2003年1月〜4月の3か月間にキリン株式会社と小岩井乳業株式会社に勤務するスギ花粉の花粉症の被験者28名を対象に行われたテストで、「KW乳酸菌を含むヨーグルト」を摂取すると、鼻の症状が緩和されたと報告されました。

花粉症の被験者28名を14名ずつの2つのグループに分け、「KW乳酸菌を含むヨーグルト」を摂取するグループと「KW乳酸菌を含まないヨーグルト」を摂取するグループとしました。ヨーグルトの摂取量は1日200gとしました。

テストの結果、「KW乳酸菌を含むヨーグルト」を摂取したグループは、鼻の自覚症状が緩和され、血液の花粉症の症状に関連する値も変動しました。

フェカリス菌ヨーグルトの効果

フェカリス菌(FK-23株)は、花粉症の鼻・目の症状を緩和させる効果があることを示すデータが、株式会社伊藤園の研究で報告されています。

2011年10月〜12月の3か月間にスギ花粉の花粉症の被験者20名を対象に行われたテストで、「フェカリス菌を含む乳性飲料」を摂取すると、鼻・目の症状が緩和されたと報告されました。

被験者20名に「フェカリス菌を含む乳性飲料」を摂取してもらい、被験者は花粉を散布する部屋で摂取開始前と摂取後の自覚症状を比較しました。テストは2か月間行い、乳性飲料の摂取量は1日200mlとしました。

テストの結果、「フェカリス菌を含む乳性飲料」を摂取した後は、鼻をかむ回数と目のかゆみが緩和されました。

ビフィズス菌ヨーグルトの効果

ビフィズス菌BB536は、花粉症の症状を緩和させる効果があることを示すデータが研究で報告されています。

2004年の春に花粉症の被験者40名を対象に行われたテストで、花粉症のシーズン中に「ビフィズス菌を含むヨーグルト」を摂取すると、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が緩和されたと報告されています。

花粉症の被験者40名が14週間、「ビフィズス菌を含むヨーグルト」か「ビフィズス菌を含まないヨーグルト」を1日200g摂取しました。

テストの結果、「ビフィズス菌を含むヨーグルト」を摂取した被験者はくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの自覚症状が緩和され、血液の花粉症の症状に関連する値も変動しました。

ビフィズス菌は乳酸菌ではない

ビフィズス菌は乳酸菌の一種ではなく、善玉菌に属する菌です。

善玉菌とは、腸内で消化吸収の促進や病気に対する抵抗力をつけるなど、人の体に有用な作用をするものです。

善玉菌には乳酸菌も属していますが、ビフィズス菌と乳酸菌は全く別のものとして分類されています。

ビフィズス菌は人の腸内に多くすんでいる菌であるため、乳酸菌よりも人のお腹に適した菌であると推奨されています。

ビフィズス菌を含むヨーグルトは花粉症に対する効果以外にも、腸を整える作用では普通のヨーグルトに比べて効果が高いことが報告されています。

おわりに

ヨーグルトは花粉症の治療の代わりになるものではありません。 薬などで治療をした上で、日常でできる花粉症対策のひとつとして活用してください。

ヨーグルトが花粉症に効果があるとはいいきれませんが、いくつもの研究によりヨーグルトを摂取することで花粉症の症状が緩和できる効果が期待できる可能性があります。

花粉症への効果が報告されていないヨーグルトも多くあるため、全てのヨーグルトに花粉症への効果が期待できるとはいいきれません。

花粉症で悩まされている人は、対策のひとつとして取り入れることを検討しましょう。