その咳は風邪ではなく「逆流性食道炎」が原因かも? 逆流性食道炎による咳の特徴と対処法、注意点

その咳は風邪ではなく「逆流性食道炎」が原因かも? 胸やけや胃もたれだけではない逆流性食道炎による咳の特徴と対処法、注意点を解説します

はじめに~逆流性食道炎で見落としやすい慢性的な咳~

通常食べた物は、食道と胃のつなぎ目の噴門部(ふんもんぶ)にある「下部食道括約筋:かぶしょくどうかつやくきん」という筋肉によって食道に逆流しないようになっていますが、この逆流防止が機能しなくなると、胃の内容物が食道に逆流してしまいます。

逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流することで食道の粘膜に炎症が起こる病気です。

・胸やけ
・呑酸(酸っぱいものや苦いものがこみあげてくる)
・嚥下障害(のどのつかえ)

などが代表的な症状で、ゲップがよく出たり、胸痛(胸が締め付けられるような痛み)も多く見られますが、これらの症状以外にも、非常に多く見られるものに慢性的な咳があります。

風邪など他の原因による咳と見分けるために、逆流性食道炎と咳の関係を見ていきましょう。

逆流性食道炎による咳の特徴

咳の症状

・胃酸が上がって嘔吐しそうになる時に咳が出る
・咳が長期間続く
・えずくような咳
・夜間眠れないほどの激しい咳

など、喘息のような慢性的な咳の症状の際、同時に胃酸の逆流の自覚症状があることです。

なぜ逆流性食道炎で咳が出るのか

食道の粘膜は、もともと胃酸に対する防御機能を持っていないため、胃酸が胃から食道の上部まで逆流すると気管に胃酸が吸収されてしまい、気管支に刺激を与えて咳き込んだり喘息の様な症状を起こしてしまうのです。

また食道に入ってきた胃酸の刺激により、心臓の拍動にも影響をもたらすことがあります。

特に赤ちゃんの場合、生後2か月頃までは下部食道括約筋の働きが未熟なため胃酸の逆流現象を起こしやく、チアノーゼや無呼吸発作などの呼吸障害が起こり、ひどい場合には心拍が停止することもあります。

注意すべきは、子どもも大人も、胃酸が逆流することによって起こる慢性的な激しい咳は、気管支炎や肺炎を引き起こすこともあるため早めの対処が大切です。

咳の対処法は咳止めではなく胃酸の逆流を防ぐこと

咳止めや喘息の薬で咳が止まることもありますが、あまり効果はなく、胃酸の逆流が続けばまた咳が止まらなくなります。

逆流性食道炎が原因で起きる咳は、ウイルスや細菌によるものではないため、胃酸の逆流を防ぐ薬などの治療により咳は治まります。

逆流性食道炎のつらい症状と長引く咳から解消されるために、市販の咳止めなどで対処せず、早めに内科または消化器科を受診しましょう。

日常生活で注意すること

●食後や飲酒後、2時間程度は横にならない
ベルトや衣服などで腹部を締め付けないようにする
前かがみの姿勢、排便の力み、重いものを持つなどで腹圧を上げないようにする
食べ過ぎ、肥満を解消する
禁煙する
食事は、脂質の多いもの、かんきつ類、甘いもの、カフェイン、香辛料、アルコールを控える
横向きで寝るときは、右を下にして寝る

食の欧米化やライフスタイルの変化により、特に夜型の生活が増えていることで逆流性食道炎の患者数が増加しています。日頃の予防も兼ねて注意が必要しましょう。

さいごに

咳が出る肺や気道の病気はたくさんありますが、見分け方として、「2~3週間以上慢性の咳が続く」+「胸やけや呑酸などの症状がある」場合、その咳の原因は逆流性食道炎による可能性が高いということを知っておき、正しい治療をしましょう。

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