下痢とは

下痢は日常でも起こりやすい症状です。

しかし、原因は非常にさまざまで、症状の出かたにも違いがあります。

【下痢を起こす主な原因】
・ウイルスや細菌の感染
・不安、緊張、ストレス
・アルコールなどの刺激物
・暴飲暴食や消化不良
・冷え
・薬による副作用
・食物アレルギー
など

受診の目安

下痢の症状や下痢にともなう症状は、下痢の原因によって違いがあります。

市販薬で対応できるものもあれば、治療が必要な重い症状の場合もあるため注意が必要です。

どんな原因による下痢であれ、以下の症状がある場合は内科、または消化器内科を受診してください。

・急な激しい腹痛・下痢
・吐き気、嘔吐
・発熱やだるさ
・水のような下痢
・黒色便
・血便

また、軽い下痢や軟便ですぐに改善するが、月に何度も繰り返しているようであれば、一度医師に相談した方が良いでしょう。

感染性胃腸炎による下痢

胃腸炎とは、、その名の通り、胃や腸の粘膜組織に炎症が起こり、下痢・軟便・吐き気・嘔吐・腹痛などを起こします。

胃腸炎の中でも一番多いものは、ウイルスや細菌によって引き起こされる「感染性胃腸炎」です。

感染性胃腸炎の原因

感染性胃腸炎の主な原因はウイルスや細菌です。

ロタウイルス・ノロウイルス・アデノウイルスなど、一年を通して胃腸炎を引き起こすウイルスが存在しますが、特に冬場に流行することが多い症状です。

サルモネラやカンピロバクターなどの細菌が原因でも胃腸炎が起こります。

食品を食べてから症状が出るまでの期間は、原因菌によってばらつきがあり、早ければ数時間、遅いものだと7日間かかる場合もあります。

原因菌の違いにより感染経路も変わりますが、傷んだ食品・生の魚介類・火が十分通っていない肉類・生野菜などが原因となることが多いほか、感染した人が調理することや、調理器具に原因菌が付いていることで感染が広がることがあります。

感染性胃腸炎の症状

感染性胃腸炎は急激な症状が特徴で、急な激しい下痢・吐き気・嘔吐・腹痛が起こります。

そのほか、発熱やだるさをともなうことが多いのも特徴です。

また、原因がウイルスか細菌かによって症状に差があります。

【細菌性胃腸炎の特徴】
細菌性の胃腸炎の場合、下痢は粘液便や血便で、嘔吐は軽い場合が多くなります。

また、熱は高いことが多いのも特徴です。

【ウイルス性胃腸炎の特徴】
ウイルス性の胃腸炎の場合、水のような激しい下痢を何回も繰り返すのが特徴です。

吐き気や嘔吐も激しいことが多ですが、熱の多くは微熱です。

まずは病院に相談する

感染性胃腸炎の症状は、市販薬では対応しきれないことが多いため、電話などで医師に相談しましょう。

病院では吐き気止めや整腸剤の処方が一般的ですが、場合によっては抗生物質の処方や点滴による水分補給が必要となることがあります。

以下のような症状があるときは感染性胃腸炎を疑い、病院に電話し症状を説明するようにしてください。

・激しい腹痛
・急な激しい下痢
・水のような下痢
・黒色便
・血便
・吐き気、嘔吐
・発熱やだるさ
・水分が摂れない、または摂っても吐いてしまう

また、あくまで目安ですが、食べたものを1〜3日さかのぼって、冬であれば生ガキ、夏であれば生卵や火が十分通っていない肉を食べた心当たりがある場合は、感染性胃腸炎を疑う必要があります。

こまめな水分補給が大切

感染性胃腸炎のときは、まずは医師に相談することが大切です。

自宅では、特に下痢や嘔吐による脱水に注意が必要で、OS-1などの経口補水液やスポーツ飲料でこまめな水分補給をすることが大切です。

経口補水液などを飲めているうちは良いのですが、水分を飲めない、または飲んでも吐いてしまう場合は、吐き気止めの処方や点滴による水分補給が必要になることもあるため、再度医師に相談しましょう。

緊張・ストレスによる下痢

ストレスが原因で下痢を起こすこともあります。

精神的なストレスや緊張を受けると、腸の収縮運動が激しくなり、腸が異常な運動を起こします。

腸の異常な運動によって、大腸では便の通過速度が早くなり、十分に水分を吸収されないまま大腸を通過した便は、液状のままの下痢として排出されます。

受験や面接、重要な会議など、重大なプレッシャーがかかる時に起こりやすい症状です。

市販薬が使用できるストレス性の下痢

市販薬で対応できる下痢は、会議・受験・面接などによる緊張・プレッシャーで、一時的に引き起こされる下痢です。

一時的な下痢は、会議前や面接前などすぐに止まって欲しい時に急に起こるものです。

こうした下痢を早くおさえるためには、ロートエキスやロペラミド塩酸塩が配合された市販の下痢止めが使用できます。

市販薬を2〜3日使用しても症状が改善しない場合は、一度、内科・消化器内科を受診しましょう。

また、市販薬を使用して効果があっても、何度も下痢・軟便・便秘を繰り返す場合は、過敏性腸症候群のおそれもあるため、内科・消化器内科を受診してください。

緊張やストレスによる下痢に使用できる市販薬について、詳しくは関連記事をごらんください。

過敏性腸症候群

受験や面接・重要な会議など、大きなイベントによる緊張やプレッシャーで腹痛・下痢を起こすのは、誰にでもあり得ることです。

しかし、月に何度も下痢や便秘を繰り返している場合や、ちょっとした不安や緊張ですぐにお腹の調子が悪くなり、日常生活に影響が出ているようなら、過敏性腸症候群のおそれもあるため、一度、消化器内科や胃腸専門のクリニックなどを受診しましょう。

過敏性腸症候群とは、腸には炎症や潰瘍などの異常がないのに、精神的なストレスを感じると、お腹の調子が悪くなる病気です。

急な腹痛・下痢・便秘を症状とし、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

命に関わるような病気ではありませんが、症状による不安も大きく、社会生活に支障をきたすこともあります。

はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレスと大きな関わりがあると考えられています。また、体質など遺伝的要因やアルコール・からい食べ物などの外的要因も関係すると考えられています。

過去3か月の間に、月に3日以上にわたって腹痛やお腹の不快感が繰り返し起こり、さらに以下のうち2つ以上に当てはまる場合は、過敏性腸症候群が疑われます。

・排便すると症状がやわらぐ
・症状が出るたびに排便の回数が増えたり、減ったりする
・症状が出るたびに便がやわらかくなったり、硬くなったりする

また、過敏性腸症候群の目安に当てはまらない場合でも、腹痛・下痢があまりにもよく起こる場合は、過敏性腸症候群以外の病気である可能性もあります。

腹痛・下痢が繰り返し起こり不安がある場合は、一度、消化器内科の医師に相談しましょう。

冷えによる下痢

お腹が冷えることで起こる下痢も、精神的なストレスや緊張と同じく、腸の収縮運動が激しくなり、腸が異常な運動を起こすことが原因です。

腸の異常な運動によって、大腸では便の通過速度が早くなり、十分に水分を吸収されないままの便が下痢として排出されます。

冷房の効き過ぎ、ジュースやビール・アイスクリームなどの冷えた飲食物の摂り過ぎによって起こりやすいと考えられます。

冷えによる下痢には市販薬が使える

お腹の冷えが原因と心当たりがあり、一時的に引き起こされる下痢であれば、市販の下痢止めを使用することができます。

冷えによる下痢をおさえるためには、腸の過剰な運動をおさえるロートエキスやロペラミド塩酸塩が配合された市販の下痢止めを使用します。

冷えによる下痢に使用できる市販薬について、詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに

胃腸炎は原因によっても対処法や使用する市販薬は異なります。

下痢や嘔吐など胃腸炎の症状が長期的に続く場合は、早めに病院を受診しましょう。