食欲不振は食欲がない、または食べたいのに食べられない症状のことをいいます。

食欲不振は、食べ過ぎ・飲みすぎによる胃腸の機能の低下や、ストレスなどが原因で起こります。

胃の不快感や精神的ストレスを感じるときは、漢方をはじめとする薬を使用すると食欲不振が解消されることがあります。

この記事では、食欲不振におすすめの薬を紹介します。

食欲不振の原因・対処法については関連記事をごらんください。

食べすぎ・飲みすぎによる食欲不振におすすめの薬

食べすぎや飲みすぎにより胃腸の調子が悪く食欲がないときは、胃薬を使用してみましょう。

食欲不振に効果のある胃薬の多くには、弱った胃の働きを高める「健胃生薬」が含まれています。

健胃生薬は植物や動物などから薬効成分を抽出したものです。独特の香りや苦味の刺激が唾液や胃液の分泌がうながし、胃の働きを活発にして食欲を向上させます。

食欲不振には、健胃生薬、制酸成分、消化酵素などがバランス良く組み合わさった総合胃腸薬がおすすめです。

相反する作用の成分も配合されていますが、胃腸の状態によって成分に対する反応が異なるため、全体的に穏やかな効果が得られます。

胃もたれのある食欲不振に

食べすぎによって胃がもたれている場合は、消化を助ける消化酵素が配合された薬の使用がおすすめです。

炭水化物・脂質・たんぱく質などを分解する働きのある消化酵素を補うことによって胃や腸の消化を助けます。

ビオフェルミン健胃消化薬錠

4種の健胃生薬が弱った胃の働きを高めて、食欲を増進させます。

リパーゼなど3種の消化酵素が配合されており、脂肪の消化を助けるガジュツエキスも含まれています。

胃腸の働きを整えるアカメガシワエキス・乳酸菌も配合しています。

食前に飲みましょう。

胸やけのある食欲不振に

食べ過ぎた翌朝などに胃痛や胸やけ、吐き気などがある場合は、胃酸過多の場合があります。

胃酸の働きを弱めたり、胃液の分泌をおさえる成分が配合された薬の使用がおすすめです。

太田胃散〈分包〉

弱った胃を元気にする7種類の健胃生薬を配合しています。

作用時間の異なる制酸剤が4種類含まれており、出過ぎた胃酸を中和しします。

胃痛のある食欲不振に

胃痛による食欲不振には、胃粘膜保護・修復成分が配合された薬がおすすめです。

胃粘膜保護・修復成分には、胃粘液の分泌をうながす、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復をうながすなどの作用があります。

スクラート胃腸薬S(散剤)

胃痛胃粘膜の荒れた患部を直接保護・修復する成分であるスクラルファートを配合しています。

7種類の健胃生薬や消化酵素、制酸成分も配合された総合胃腸薬です。

ストレスによる食欲不振におすすめの漢方薬

漢方薬は、漢方医学に基づく処方によって生薬が組み合わされています。

漢方薬は西洋薬と異なり、検査で異常が出ない病気や不調、診断名がつかない「未病」と呼ばれる症状にも使用されます。

そのため、ストレスなどの影響で何となく体調が悪く食欲不振になっている場合には、漢方薬の使用がおすすめです。

胃腸が弱く疲れやすい方の食欲不振に

六君子湯(りっくんしとう)は、その名の通り6種類の生薬が配合された漢方薬です。

自律神経の働きに近いといわれている「気」を補い、体中にめぐらせることで胃腸の働きを高めます。

六君子湯の研究結果として、食欲促進作用のある消化管ホルモンであるグレリンの分泌をうながすという報告もあります。

ストレスの影響が胃腸に出やすい方に使用され、食べたくても食べられない方におすすめです。

ツムラ漢方六君子湯エキス顆粒

体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい方の
胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐に効果があります。

食欲不振で胸のつかえがある方に

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は、胸がつかえて食事がのどを通らないと感じるときにおすすめです。

漢方医学では、上下の「気」の流れによって胃腸が正常に働いていると考えられており、半夏瀉心湯には「気」の上下の流れを助けて胃腸の働きを高める生薬と、胃腸を守る働きのある生薬が配合されています。

ツムラ漢方半夏厚朴湯エキス顆粒

体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときに吐き気・嘔吐があり食欲不振でお腹が鳴って軟便または下痢の傾向の方に使用します。

急・慢性胃腸炎、下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症に効果があります。

体力や元気のない方の食欲不振に

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、お腹に「気」を補う漢方です。

胃腸の働きを高めて食欲を向上させるため、疲れで食べる気持ちが起こらない方におすすめです。

食欲が生まれることによって、「気」を体の上の方にめぐらせていき、疲れも改善させていきます。

ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒

体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすい方の虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒に効果があります。

ストレスで胃が痛む方の食欲不振に

安中散(あんちゅうさん)には、衰えた胃腸の働きを活発にする作用があります。

ストレスを感じたり冷えると胃やお腹が痛む、胃腸の弱い方に使用されることの多い漢方です。

胸やけの症状があり、胃酸過多の傾向のある方にもおすすめです。

大正漢方胃腸薬「爽和」微粒

安中散と、精神的な緊張状態をほぐす作用のある処方である四逆散が併用されています。

体力中等度、またはやや虚弱で、ときに胸腹部の重くるしさ、不安・不眠・いらだち等の症状がある方に使用されます。

胃もたれ、胃部不快感、胃痛、げっぷ、食欲不振、胃部・腹部膨満感、胸つかえ、胸やけ、胃酸過多、腹痛、吐き気、神経性胃炎に効果があります。

薬とあわせて食べ物にも注意を

胃腸に負担を感じる場合は、消化の良い食べ物をとりましょう。

食欲がない場合には、胃腸を刺激する食べ物もおすすめです。香辛料の含まれた食べ物には、胃液の分泌をうながし食欲を増進させる働きがあります。

ただし、刺激が強すぎる食べ物は胃液を過剰分泌させてしまうため、注意が必要です。

食欲不振のときの食事について、詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに

一時的な食欲不振には市販薬の使用も効果的です。薬は自分の症状に合わせて選び、体調の改善に役立てましょう。