2021年01月17日
悪酔(わるよい)の原因・対処・お薬・疑われる病気を解説します。分からないことがあれば薬剤師に相談することができます。
アルコールは肝臓で分解され、最終的には水と二酸化炭素となり汗・尿・息に含まれて体外へ排出されます。
しかし、肝臓で分解しきれない量のアルコールを摂取すると、アセトアルデヒドという有害物質のまま全身をめぐり、悪酔いの状態を引き起こします。
アセトアルデヒドは毒性が強く、頭痛、顔面紅潮、動悸などの原因物質であるとされています。
遺伝や体質でアルコールの分解能力に差があり、アセトアルデヒドを分解するアルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人は、アルコールに弱く悪酔いしやしくなります。
アルコールには利尿作用があるため、脱水症状を引き起こします。失われた水分やビタミンC、ミネラル、糖などを摂取しましょう。スポーツドリンクにはこれらの電解質がバランス良く含まれています。
悪酔いによる頭痛には、コーヒーなどカフェインの含まれた飲み物も効果的です。
睡眠はアセトアルデヒドの分解を助け、アルコールの分解で疲れた肝臓を回復させる効果があります。
熱いシャワーは血行を盛んにし、アセトアルデヒドの分解を促進させます。ただし、熱い湯船に長時間つかることは脱水症状を起こす可能性があるため避けましょう。
制酸・健胃・消化・整腸作用のある胃腸薬は、悪酔の吐き気・むかつきに効果があります。
L-システインが配合された薬には、肝臓の解毒作用を高める効果があります。
漢方薬もよく用いられ、のどが渇いて尿量が少ない人には五苓散、お腹が鳴って軟便や下痢の傾向のある人には半夏瀉心湯、のぼせ気味で顔のほてりのある人には黄連解毒湯が使用されます。
アルコールの分解を助ける肝臓水解物を含む薬も悪酔いを早く解消するために効果的です。