胃痛の原因

胃の痛みには、「キリキリした痛み」「シクシクとした痛み」「さしこむような痛み」など、原因によってさまざまな種類があります。

胃痛の原因には次のようなものがあります。

ストレス

仕事や学校などの精神的ストレスが原因で自律神経が乱れると、胃のコントロールが乱れることで胃酸が過剰分泌されます。

過剰分泌された胃酸が胃粘膜を刺激し、胃痛を引き起こします。

また、ストレスによって胃の筋肉が緊張する「胃けいれん」を引き起こす場合もあります。

胃酸が原因の場合はシクシクまたはキリキリとした痛みが起こり、胃けいれんの場合はさしこむようなキューっとした痛みが起こります。

食べ過ぎ・飲み過ぎ

暴飲暴食によって胃の消化機能が低下し、胃痛が起こります。

また、刺激の強い食べ物やアルコールの過剰摂取などによって胃酸が過剰に分泌され、胃粘膜が傷つき胃痛を引き起こします。

ロキソニンなどの薬

ロキソニンやバファリンなどの「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)」と呼ばれる薬は、胃粘膜を直接攻撃する作用と、胃の防御作用を阻害する作用があります。

頭痛などをおさえるために慢性的に使用していると、胃痛を起こすことがあります。

ピロリ菌の感染

胃の中でも生きることができるピロリ菌は、胃の中でアンモニアを出し続けながら生存します。

このアンモニアが胃粘膜を傷つけることで胃痛を引き起こすと考えられています。悪化すると胃潰瘍を引き起こすおそれもあります。

細菌・ウイルスの感染

食べ物や人の手などから細菌・ウイルスに感染し胃炎や胃腸炎を引き起こすことがあります。

胃痛以外にも下痢や吐き気・嘔吐などの症状が現れることがあります。

胃痛にともなう下痢・吐き気などの症状が起こる病気について詳しくは関連記事をごらんください。

女性特有の原因で起こる胃痛

胃痛には、女性特有の原因で引き起こされるものがあります。

妊娠初期の胃痛

妊娠初期では、つわりの症状のひとつとして胃痛が起こることがあります。痛みがひどい場合は担当の産婦人科医に薬の服用などについて相談してみましょう。

生理前の胃痛

生理前に起こる胃痛は、「生理前症候群(PMS)」と呼ばれる症状のひとつと考えられます。

生理前症候群は女性ホルモンの急な増減によって起こるといわれています。

女性ホルモンは自律神経とも大きく関係しているため、自律神経の乱れによって胃酸が過剰に分泌されたり、胃けいれんを起こしたりすることで胃痛が起こると考えられます。

生理中の胃痛・腰痛・下腹部痛

生理中に起こる胃痛は、痛み物質である「プロスタグランジン」が原因であると考えられます。

生理中に分泌されるプロスタグランジンは、経血を体の外に押し出す役目も果たします。

プロスタグランジンの分泌が多くなると、生理痛や子宮に近い腰にも痛みを引き起こし、胃痛を引き起こすこともあります。

生理中の胃痛は、プロスタグランジンの発生を抑制する成分の市販薬を使用することで改善が期待できます。

イブA錠

有効成分「イブプロフェン」が、痛み物質であるプロスタグランジンの発生を抑制することで痛みをおさえます。

空腹時・食後の胃痛

空腹時・食後に胃痛が起こる場合は、胃や十二指腸の病気のおそれがあります。

空腹時の胃痛は十二指腸潰瘍のおそれ

空腹時に胃痛を感じる場合は、ピロリ菌などによって十二指腸の粘膜がただれる「十二指腸潰瘍」のおそれがあります。

空腹時に分泌される胃酸がただれた部分を刺激し、胃の周辺が痛みます。十二指腸は胃のすぐ近くにあるため、胃と同じような場所に痛みを感じます。

内科または消化器内科を受診し、早めに治療しましょう。

食後の胃痛は胃潰瘍のおそれ

食後に胃痛を感じる場合は、ピロリ菌などによって胃を守る粘膜がただれる「胃潰瘍」のおそれがあります。

食事をすると、食べたものがただれた部分を刺激し、胃痛が起こります。

内科または消化器内科を受診し、早めに治療しましょう。

胃痛の対処法は?

自律神経を整える

ストレスなどによる自律神経の乱れが胃痛の原因の場合は、自律神経を整えましょう。

次のような方法が効果的です。

■スポーツや森林浴などでリフレッシュする
ストレスの原因を忘れられる場所に行くことで、心身ともにリフレッシュできます。

■質の良い睡眠をとる
寝る前にぬるめのお湯にゆっくり入ることで体が温まり、リラックスした状態で眠ることができます。また、寝る前のアルコール摂取や食事も避けましょう。

■腹式呼吸をする
腹式呼吸は自律神経のバランスを整えます。お腹をへこませながら息を吐き、吐き切ったら息をいっぱい吸い込みましょう。

胃に優しい食事をとる

胃が痛むときは、胃をいたわる食事をとることが大切です。

消化に時間のかかる脂肪分や食物繊維、胃酸の分泌を促進するアルコールやコーヒーなどは避け、うどんやおかゆなどの消化に良いものを選びましょう。

胃痛のときの食事について詳しくは関連記事をごらんください。

市販薬を使用する

細菌やウイルスが胃痛の原因ではない場合は、市販薬を使用して胃痛を和らげることができます。

主に、胃酸の分泌をおさえる薬と胃粘膜を保護する薬があります。購入する際は、必ず薬剤師または登録販売者に症状を相談してください。

ガスター10

有効成分「ファモチジン」が胃酸の分泌をコントロールすることで、胃酸の出過ぎによる胃痛を緩和します。

ガストール細粒

有効成分「M1ブロッカー」が胃酸の過剰分泌をおさえ、「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が胃粘膜を保護することで、胃痛を緩和します。

その他の胃痛に効く薬について、詳しくは関連記事をごらんください。

内科または消化器内科を受診する

胃痛の原因がわからなかったり、市販薬を使用しても胃痛が治まらない場合は、内科または消化器内科を受診しましょう。胃腸科でも受診できます。

長引く胃痛は胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなどの病気のおそれがあるため、なるべく早く医療機関を受診することをおすすめします。

胃痛を和らげるツボ

次の2つのツボを刺激し、胃痛を和らげましょう。筋肉のほぐれやすいお風呂で行うことで効果をより期待できます。

不容(ふよう)

不容は、胃酸過多による胃痛を緩和するツボです。

みぞおちに人差し指を当て、斜め下に指3本分測ったところにあります。左右にひとつずつあるので、どちらも正しい場所を測りましょう。

中指を不容に当てて、左右同時に優しく押し込みましょう。

中脘(ちゅうかん)

中脘は、ストレスなどの自律神経の乱れが原因となる胃腸の不調を整えるツボです。また、胃の働きの活性化にも効果的です。

へそにかぶせるように小指を当て、みぞおち側に指4本分測ったところにあります。中指を中脘に当てて、優しく押し込みましょう。

おわりに

胃は少しのことでも痛みを感じやすいデリケートな部分であるといえます。

日常生活から胃に優しい食べ物を選んだり、ストレスを溜めないようにすることで胃痛を防止しましょう。