冬に流行するノロウイルス

ノロウイルス感染症は、1年を通して発生していますが、特に11月頃から流行が始まり、12月〜翌年1月にピークを迎える感染性胃腸炎の一種です。

ノロウイルスが人の腸管で増殖することで胃腸炎を起こし、消化器症状を起こすことが特徴です。

ノロウイルスは他のウイルスと比較しても感染力が非常に強いといえます。インフルエンザウイルスは約100万個ほど増殖したあたりから症状が現れますが、ノロウイルスは100個ほどの少量でも症状が現れます。

さらにノロウイルスは粒子が小さいため、食品などから除去することも難しいとされています。

集団感染に注意!

ノロウイルス感染症は、幼稚園や高齢者施設など集団で生活する場面のある施設では集団感染を起こしやすい感染症です。

集団生活の中で感染者が出た場合、感染者の看病をする人は可能な限り少人数にし、看病をする人以外は感染者になるべく近づかないことも予防策のひとつです。

看病する人は、汚物の処理などをする際にはゴム手袋・マスクの装着など万全の処置をし、衣服に汚物が付着しないように十分注意しましょう。

ノロウイルスの主要な原因は食事・食べ物

ノロウイルスに感染する原因のほとんどは、ウイルスが付着した食べ物を食べることであると考えられています。

特にノロウイルスの感染源として疑われるのは、カキなどの二枚貝です。

汚物が下水に流され、海にノロウイルスが流れることでカキやアサリ・シジミなどの二枚貝がノロウイルスに汚染されます。汚染された貝類を正しく加熱処理しないまま食べることによってノロウイルスに感染します。

汚物を処理した手で調理や食事をする

ノロウイルス感染者の嘔吐物や糞便を不十分な方法で処理した場合、手などにウイルスが付着するおそれがあります。

ウイルスが手などに付着した状態で調理や食事をすることで、口からウイルスをとりこみ取り込み感染するケースもあります。

ノロウイルスは冷凍で死滅する?

ノロウイルスは、冷凍やアルコールでは死滅させることができません。実際に、冷凍していた食材からもノロウイルスの検出が報告されています。

ノロウイルスを死滅させるには食材の中心温度を90℃以上にし、90秒以上加熱する必要があります。冷凍保存していた食材を調理する際には、中心温度が上がりにくいことが考えられるため十分に注意しましょう。

嘔吐物や糞便が原因となる感染

嘔吐物や糞便が飛び散ることによる感染

感染者の嘔吐物や糞便が飛び散り、周囲にいる人がそのしぶきを吸い込んでしまうことによって感染します。

嘔吐物や糞便などの水滴は1〜2mほど飛び散ることもあります。

放置した嘔吐物や糞便からの感染

感染者の嘔吐物や糞便を長時間処理せずに放置したり、嘔吐物や糞便が付着したまま適切な処理をしていない状態で放置すると、ノロウイルスが空気中に舞い上がります。

空気中に舞い上がったノロウイルスを吸い込むことによって、体内にノロウイルスが取り込まれ感染します。

ウイルスが付着した物に触れることによる感染

嘔吐物や糞便の処理などによりノロウイルスが付着したままの手で日常生活を送ると、ドアノブやスイッチ、テレビのリモコンなどさまざまな箇所にウイルスが付着します。

感染していない人がウイルスの付着したドアノブなどに触れることで、なんらかのタイミングでウイルスが口から入り、感染します。

ノロウイルス感染による食中毒の症状

ノロウイルスは食中毒の原因となるウイルスの一種です。

吐き気・嘔吐・下痢を中心に、まれに発熱があるケースもみられます。通常の場合は1〜2日で症状が治まりますが、免疫力の落ちている人や乳幼児・高齢者は長引く場合があります。

また、必ず症状を引き起こすというわけではなく、感染していても症状が軽かったり、症状が全くでないケースもあります。

症状が治まっても約1週間から1か月にわたり、糞便にノロウイルスが含まれていることもあり、他人へ感染させるおそれもあります。

ノロウイルス感染の予防策

ノロウイルス感染による食中毒を予防するためには、こまめな対策が必要です。日頃から身近にできる予防習慣を身につけましょう。

石けんによる手洗い

ノロウイルスはアルコールでは死滅させることができないため、流水による手洗いが最も有効とされています。

石けん自体にノロウイルスを失活化させる効果はありませんが、皮脂等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

貝類の加熱処理

ノロウイルスの汚染のおそれのある食材を調理する際は、中心温度90℃以上で90秒以上の加熱しましょう。ほんの少しのノロウイルスでも感染のおそれがあるため、十分に加熱できていることを確認する必要があります。

調理場や調理器具の消毒

定期的に調理場・調理器具の消毒を行うことも大切です。食器やタオルなど熱湯消毒できるものは熱湯消毒を行いましょう。

熱湯消毒ができないものは、次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤を使用することで、ノロウイルスを死滅させることができます。

おわりに

感染力の強いノロウイルス感染方の予防には、日頃から予防・対策が大切です。感染していない人が対策を行うことも大切ですが、感染者の嘔吐物や糞便などの正しい対処も必要です。

ウイルスが体内に残っているおそれのある期間は、マスクの着用やこまめな手洗いなどを意識的に行いましょう。