ノロウイルスは二次感染に注意!

ノロウイルス感染症は年間を通して発生しますが、毎年11〜1月頃にピークを迎える感染症です。

ノロウイルスの感染力は非常に強く、一緒に生活している家族がいる場合や、高齢者施設や幼稚園など生活をともにしている場所では二次感染を起こして集団感染につながるため、注意が必要です。

ノロウイルスの感染力

ノロウイルスは感染力が非常に強いウイルスです。体内に侵入したウイルスの量が10〜100個といった少量でも感染し症状が現れます。

また、ノロウイルス感染症の症状では、激しい嘔吐や下痢、吐き気、軽度の発熱などが特徴ですが、「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」といって感染していても症状の出ない場合もあります。

不顕性感染であっても他人への感染力を持っているため、無自覚のまま感染源となってしまう場合もあります。

ノロウイルスの感染力について詳しくは関連記事をごらんください。

ノロウイルスの二次感染が起こる期間

ノロウイルス感染症の症状は通常は1〜3日で自然に回復します。しかし、症状が治まってもしばらく体内にウイルスが残っている状態です。

ノロウイルス感染症は、症状が現れてから1週間〜1ヶ月は吐しゃ物や便にウイルスが排出されるといわれています。

ウイルスが体外に出ている間は他人へ感染させるおそれがあるため、十分に注意が必要です。

また、便や吐物だけではなく、汚染されたカーペットなどからもウイルスは排出されています。

厚生労働省によると、12日以上前に汚染されたカーペットを通じてウイルスに感染した事例も報告されていることから、汚染された家具や床は、時間が経ったからといって油断せずしっかりと処理する必要があります。

ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染

ノロウイルスの感染経路は、経口感染・接触感染・飛沫感染・空気感染と、さまざまな場所で感染する可能性があります。

特に、貝類などウイルスが付着した食品の不十分な加熱など、ウイルスが付着した食品を口にすることで起こる経口感染が多くみられます。

このほか、汚物の不十分な処理が原因となる空気感染も原因のひとつとなるため、便や吐しゃ物の処理は適切に行いましょう。

ノロウイルスの感染経路について詳しくは関連記事をごらんください。

経口感染による感染パターン

・ノロウイルス感染者が調理するなどウイルスが付着した食品を食べた場合
・汚染された牡蠣などの二枚貝を、生あるいは加熱が不十分な状態で食べた場合
・汚染された井戸水や簡易水道の水を消毒が不十分なまま摂取した場合

二次感染を防ぐための吐しゃ物の処理方法

家族など身近な人がノロウイルスに感染した際には、感染者の便や吐しゃ物の不適切な処理による二次感染を防ぐために正しい処理を行いましょう。

①汚染場所に関係者以外の人が近づかないようにする

感染者の吐しゃ物1gの中には、数百万〜数億個のノロウイルスが含まれています。吐しゃ物周辺の空気中にも飛沫している可能性が高いため、作業者以外は近づかないことが重要です。

②使い捨てのエプロン・マスク・手袋を着用する。

素手による処理は厳禁です。必ず使い捨てのエプロン・マスク・手袋を着用してください。

手袋は丈夫なものを選び、破棄する際にはビニール袋に入れて密封しウイルスの排出を防いでください。

③拭き取りにはペーパータオルを使用する。

便や吐しゃ物を拭き取る際には、ペーパータオルを使用しましょう。

手袋やマスクと同様、使用後はすぐにビニール袋に入れて密封してから処分してください。

④次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液で拭き取る。

ノロウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを含む「家庭用塩素系漂白剤」が有効です。

吐しゃ物の付着した床には濃度0.1%のものを使います。

500mlのペットボトルに水を入れ、ペットボトルのキャップ2杯分の家庭用塩素系漂白剤を混ぜ合わせれば消毒液は完成します。

ペーパータオルに消毒液を染み込ませ、汚れた場所を覆うか浸すようにして拭いてください。

⑤使用した衣服も消毒する

使用した衣服は破棄が望ましいですが、消毒する場合は以下の手順で行います。

1:付着した吐物を取り除く(手袋着用)
2:濃度0.02%(水500mlに対しペットボトルのキャップ半分の家庭用塩素系漂白剤)の次亜塩素酸ナトリウムに30〜60分浸ける。色物など変色する可能性のある衣服の場合は85℃以上の熱湯に1分以上浸ける
3:他のものとは別にして洗濯機で洗濯する

⑥手袋は裏返して捨てる

付着したおう吐物が飛び散らないよう、 使用した手袋は表面を包み込むように裏返してはずします。

⑦手洗いを入念に行う

手袋をはずしたあとは必ず手洗いも行ってください。

⑧部屋の換気をする

嘔吐物の処理後は十分に換気を行ってください。

消毒液の詳しい作り方や使い方については、関連記事をごらんください。

ノロウイルスの感染を防ぐ身近な予防策3選

入念な手洗いの習慣

ノロウイルス感染予防の基本は手洗いです。

外出先からの帰宅時のほか、調理・食事前など、こまめに洗う習慣を身につけましょう。手洗いの際は水だけではなく石けんを用いましょう。

石けん自体にノロウイルスを失活化させる効果はありませんが、皮脂等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

感染源となりやすい食品の加熱

経口感染を予防するには牡蠣やあさりなど二枚貝の加熱が重要です。加熱の目安として、中心部が85~90度以上の状態で90秒以上加熱しましょう。

食べる前に中までしっかりと火が通っているか確認しましょう。

調理器具などの加熱

加熱による消毒は調理器具にも有効です。

まな板やへら、包丁、ふきんなどは85度以上の熱湯で1分以上煮沸消毒をしましょう。

おわりに

ノロウイルスは感染力の強さに加え、感染期間も長いウイルスです。いくつも存在する感染経路を断つには徹底した予防対策が欠かせません。

ノロウイルス感染症の流行のピークを迎える前に、身近にできる予防対策を習慣化しましょう。