ノロウイルスは下痢や嘔吐といった激しい消化器症状が特徴の感染症です。子どもから大人、高齢者まで誰もが感染する可能性のある病気です。

ノロウイルスに特効薬はないため、基本的には自宅での治療となります。

ノロウイルスのときは消化器症状が強くでるため、食べ物や飲み物の摂り方に注意が必要です。

この記事では、自宅で行うノロウイルス治療に適した食事方法について解説します。

ノロウイルスの治療には絶食が有効?

ノロウイルスでは、「お腹が空いても症状が辛くて食べられない」ということが多くあります。

ノロウイルスの症状で吐き気や腹痛があるときは、無理に食事をとらなくても構いません。ノロウイルスはウイルス感染による「胃腸炎」のため、胃腸を休めて炎症をおさえることで症状の改善につながります。

ノロウイルスに感染すると、胃の中が胃液でいっぱいになったり、胃腸の動きが麻痺して止まってしまうことが多くあります。胃腸が十分に働いていない状態では胃や腸にはわずかな隙間しか残っていないため、食事をとるとさらに嘔吐してしまうこともあります。

ただし、必ずしも絶食しなければいけないわけではありません。

下痢や吐き気などが落ち着いてきたら、水分補給に合わせて消化のいい食べ物を少しずつとりましょう。

水分補給ができずに吐いてしまう場合は?

ノロウイルスで胃腸に炎症が起きていると、胃の中に胃液や未消化のものが溜まって空いているスペースがなくなり、水分をとろうとしても吐いてしまうことがあります。

水分補給が思うようにできず脱水症状が心配な場合は、医療機関を受診して点滴をすることも可能です。

めまいやふらつき、頭痛などは脱水症状の初期症状のひとつです。体調に不安がある場合は早めに病院を受診してください。

まずは水分補給をこまめに!おすすめの飲み物

ノロウイルスに感染した場合に気をつけたいのが脱水状態です。下痢や嘔吐で脱水症状を起こすおそれがあるため、少量の水分を頻回に摂取することが大切です。

5~10分に1回程度、ひとくちの水分補給を意識しましょう。

スポーツドリンクや経口補水液

腹痛や下痢などの症状が出ているときは、ポカリスエットなどのスポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。

子どもに飲ませるときや、味が濃いと感じられる場合は水で薄めると良いでしょう。

冷たい飲み物は胃腸を刺激してしまうため、常温にしてから飲んでください。

■経口補水液ってどんなもの?

経口補水液は、水分だけでなく、電解質や糖分を補給することのできる飲料水です。

電解質とは、細胞の機能を発揮できるよう調節する重要な物質です。脱水状態になると水だけではなく電解質も失われるため、経口補水液が適しています。

運動などによる発汗の水分補給はポカリスエットなどのスポーツドリンクでも十分ですが、下痢や嘔吐などで脱水症状を起こしている場合は経口補水液がより適しています。

市販の経口補水液ではOS-1(オーエスワン)がおすすめです。

経口補水液 OS-1 オーエスワン 500ml × 6本

また、経口補水液は自宅で作ることもできます。

OS-1とスポーツドリンクとの違いや成分、経口補水液の作り方については関連記事をごらんください。

食事はいつからとれる?おすすめの食べ物

腹痛がなくなり下痢や嘔吐がおさまってきて、少しずつ体調が回復して来たら、水分に加えて食事で栄養を補給しましょう。

ノロウイルスの治療中には、消化が早く胃腸に優しい食べ物をとることを心がけてください。

・おかゆ
・すりおろしたリンゴ
・白身魚
・野菜を柔らかく煮込んだスープ
・やわらかく煮込んだうどん
・ヨーグルト
・豆腐

食事の摂り方のポイント

食材は細かく切ってよく煮込んで柔らかくすることがポイントです。消化をしやすい形状にすることで、胃腸への負担が軽減します。

また、回復期の食事は一度にたくさん食べるのではなく、できるだけ温かいものを1日5〜6回に分けて少しずつ食べると良いでしょう。

体調が回復してきたら、少しずつ固形物を摂取したり普段の食事に戻していきます。

ノロウイルスのときに避けたい食べ物・飲み物

ノロウイルスに感染すると胃腸が弱っている状態なので、刺激の強いものや負担がかかるものは避けることが望ましいです。

揚げもの・食物繊維が豊富なものはNG

揚げ物や香辛料を使った食べ物、食物繊維が豊富な食べ物は、胃腸に刺激を与える可能性があるので控えてください。

ニラやにんにくなどの刺激の強い野菜も避けましょう。

炭酸飲料・柑橘系・カフェインはNG

炭酸飲料や柑橘系の飲み物、コーヒーは控えましょう。

炭酸飲料やコーヒーは胃に対する刺激が強く、柑橘類は、吐き気を誘発するおそれがあります。

また、牛乳などの乳製品は消化が悪いため避けることが望ましいです。

アルコールも脱水症状を助長するため、治療が終わるまでは控えましょう。

下痢止めの使用は避けよう

ノロウイルスは、激しい下痢や嘔吐に、キリキリと痛む腹痛が症状として現れます。

しかし、ノロウイルスでは安易に下痢止めを使用することは望ましくありません。

ノロウイルスには直接ウイルスに作用する薬はなく、下痢によってウイルスを体外へ排出することが治療につながります。また、下痢や嘔吐はウイルスを体外に出そうとする自然な反応なのです。

下痢止めを服用することで、体内に長い間ウイルスがとどまることとなり、完治が遅れてしまうおそれがあります。

下痢がつらい場合は、温かい服装で安静にし、ウイルスの排出が終わるまで十分体を休めましょう。

ただし、嘔吐があまりにもつらい場合は、病院に相談して吐き気止めをもらいましょう。

おわりに

ノロウイルスに感染した場合は、栄養をとるために無理やり食事をすることは望ましくありません。

普段何気なく口にしている食事が胃腸を刺激することもあるため、症状がでているときの食事には充分注意しましょう。

ノロウイルスの症状はつらいものですが、水分補給をしつつウイルスを出し切りましょう!