2015年3月、川崎市職員が新型ノロウイルスを発見!

冬に猛威をふるうウイルスのひとつに「ノロウイルス」があります。

ノロウイルスは遺伝子の型ごとに約31のタイプに分けられる中、これまで主に流行していたのは「GII.4」というノロウイルスでした。

しかし2014年3月、川崎市健康安全研究所の職員らによって新型のノロウイルスが発見。

それが今話題になっている「GII.17」です。

実はこの新型ノロウイルス。

2015年春ごろから徐々に感染を広げており、大阪市や岐阜県では集団食中毒も発生させています。

そして、ノロウイルスの本格的な流行が始まる11月ごろから急速に勢いを強めているのです。

新型ノロウイルスの感染力の強さは、2006-2007シーズンの最大の大流行を上回るのではないか・・とも懸念されています。

今年の冬は、これまで以上にノロウイルスに注意しなければなりません。

新型ノロウイルスというと、「新しい症状があるのではないか」、「より強力なのでは」と心配されるかもしれません。

しかし新型ノロウイルスは、これまでのノロウイルスと能力や性質はさほど変わらないとされています。

ただし多くの人が免疫を持たないため、2015-2016シーズンは患者が急増する可能性も。

特に、体力が少ない子どもへの感染は注意が必要です。

ノロウイルスには、特効薬とされる抗ウイルス剤やワクチンが存在しません。

そのため、感染を防ぐための予防が重要です。

新型ノロウイルスであっても、予防はこれまでと基本的に変わりません。

今まではノロウイルスの予防を意識していなかった人も、ぜひ新型の流行に備えて、予防の知識を身につけましょう。

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冬の乾燥にも強いノロウイルスは、空気中でも長期間の生存が可能

全般的に、ウイルスは冬の寒くて乾燥した空気に強く、ノロウイルスも例外ではありません。

そのため、一度空気中に排出されると長期にわたって感染力を持続させます。

厚生労働省の報告では、ノロウイルスに汚染されたカーペットから12日間、ウイルスが排出された例もあるのです。

ノロウイルスの感染経路は、口を通した経口感染が多い

ノロウイルスの主な感染経路は、口を通した「経口感染」です。

経口感染と一口に言っても、人から人へ感染するケースや、食べ物から人へ感染するケースなどさまざまです。

  • 便や嘔吐物に含まれるノロウイルスが手に付着し、口に入る
  • ノロウイルスが付着した手で、調理したものを食べたことによる感染
  • ノロウイルスに汚染された二枚貝を食べたことによる感染

このほか、ノロウイルスの感染経路には「空気感染」と「飛沫感染」があります。

「空気感染」

便や嘔吐物の処理が不十分なために、乾燥した汚物からウイルスが排出され、それを吸い込むことによる感染。

「飛沫感染」

便や嘔吐物から飛び散った小粒子(飛沫)を吸入することによる感染。

なお嘔吐物は、半径2メートル以上にわたって飛び散るとされています。

ノロウイルスは24-48時間の潜伏期間を経て、発症する

ノロウイルスの潜伏期間は、約24~48時間です。

ただし個人差があり、最短では1日未満、長い場合では72時間もの潜伏期間があるケースも。

潜伏期間では、腹痛や38度前後の微熱がみられるのが特徴です。

また、潜伏期間から発症にかけて、断続的に消化器症状(下痢、嘔吐)がみられます。

下痢や嘔吐といった症状がみられたら、早急に病院を受診することが、早期治療や感染予防のカギです。

本格的にノロウイルスを発症すると、子どもの場合は激しい嘔吐がよくみられます。

大人の場合は、下痢症状が多いことが特徴です。

ノロウイルスの症状は1~2日と、比較的短期間で治まります。

下痢や嘔吐といった症状のほかに、脱水症状に注意してください。

脱水症状を防ぐ水分補給の目安は、5~10分に1回。

薄めたスポーツドリンクや薄めたスポーツドリンクや経口補水液をひとくち飲みましょう。

経口補水液は、1リットルの水に砂糖大さじ4杯半と塩小さじ半分で混ぜることで作れます。

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ノロウイルスの予防は、徹底した手洗いと消毒で!

複数の感染経路を持ったノロウイルスを予防するには、徹底した手洗いと消毒が不可欠です。

手洗いは、個人レベルでできるノロウイルスの予防。

ポイントをおさえて、丁寧に洗いましょう。

≪手洗いのポイント≫

一度水で手指を濡らしたあと、石鹸を泡立てる。

・1回あたり30秒を目安に。徹底した予防のために二度洗いを。

・アクセサリーなどは外す。

・指と指の間や爪とのすき間、手首など、汚れを見落としがちな場所は重点的に。

・帰宅後、調理前や食事前、トイレの後、ゴミ捨て後など、こまめに洗う。

・子どものおむつ替えのあとは、特に念入りに洗うこと。

・手の水分を拭き取るときは、清潔なタオルを使用すること。

次亜塩素酸ナトリウムと水を混ぜた消毒液で、ノロウイルス予防

ウイルス除去で、たびたび使われるアルコールも、ノロウイルスでは効果が期待できません。

ノロウイルス予防では、次亜塩素酸ナトリウムと水を混ぜた消毒液が有効とされています。

次亜塩素酸ナトリウムは、スーパーなどで買える「家庭用塩素系漂白剤」」で代用が可能です。

そのほかに必要な材料は、きれいに洗ったペットボトルと水のみです。

ドアノブ・床・便座などの消毒液の作り方(濃度 200ppm/0.02%)

2Lサイズのペットボトルに、ペットボトルのキャップ2杯分の次亜塩素酸ナトリウムと水を混ぜれば完成。

消毒液を作るときは、手袋を着用の上、換気を行いましょう。

≪消毒液の使い方≫

・使用時は手袋を着用する。

・消毒液をペーパータオルに浸して拭きとる。

・金属製のものは劣化する可能性があるので、すぐに水拭きをする。

消毒液で清潔な状態を保つことが、ノロウイルス予防につながります。

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家族が新型ノロウイルスに感染したら、二次感染を予防しよう

もしも家族が新型ノロウイルスに感染した場合、家族間での二次感染予防も大切です。

次亜塩素酸ナトリウムによる消毒液で、適切に便や嘔吐物を処理しましょう。

便や嘔吐物によって汚染された場所の消毒液の作り方(濃度 1.000ppm/0.1%)

500mlサイズのペットボトルに、ペットボトルのキャップ2杯分の次亜塩素酸ナトリウムを入れ、水を混ぜる。

≪消毒液の使い方≫

・ウイルスが空気中に漂う可能性があるので、換気を行う。

・使い捨てのエプロン・マスク・手袋を着用する。

・便や嘔吐物をペーパータオルで拭きとれるだけ、取り除く。

・消毒液をペーパータオルに浸して拭きとる。

!すぐに洗えない布団は熱で消毒!

すぐに洗えない布団類は、日光に当てて乾燥させた後、スチームアイロンや布団乾燥機で消毒してください。

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新型ノロウイルスの疑いがある場合は、病院で早急な診断を

通常は、12月から翌年1月に流行のピークを迎える、ノロウイルス。

2015-2016シーズンは、新型ノロウイルスの発生により、来春まで流行が長引く可能性も懸念されています。

長期戦となりますが、ぜひ家族で協力し合い、徹底した予防に努めましょう。

消毒液による予防のほか、食べ物の加熱にも注意してください。

特にノロウイルスに汚染されやすい牡蠣やあさりといった二枚貝は、充分に加熱しましょう。

厚生労働省によると、加熱の目安は中心部が85~90度以上で90秒以上。

中までしっかりと火が通っているか、確認してから食べてくださいね。