ノロウイルスで熱が出る理由

ノロウイルス感染症の主な症状は、吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状です。

症状の現れ方や程度には個人差がありますが、消化器症状に加えて発熱することもあります。

ノロウイルスなどのウイルス(異物)が体内に入ると、体内の免疫細胞がウイルスと戦うために免疫力を上げようと働きます。

免疫細胞が働くことで「サイトカイン」という物質が発生し脳まで届いたあと、続いて「ケミカルメディエーター」という化学物質を放出し、体温調節中枢に届きます。ケミカルメディエーターが体温調節中枢に届くと、身体の各部位に発熱の指令が出され熱がでます。

免疫細胞の働きは個人差があり、微熱程度でおさまる人もいれば高熱がでる人もいます。

なお、発熱だけではなくその他にも腹痛・頭痛・悪寒・関節痛を引き起こすこともあります。

ノロウイルスの発熱に薬は効く?

ノロウイルス感染後の発熱がつらい場合は、頓服薬として解熱剤を使用することも可能です。しかし、身体は発熱することによって免疫力を高めているため、薬で熱を下げることが必ずしも良いとは限りません。

高熱によって体力を消耗し症状が長引いたり悪化する場合にのみ服用することをお勧めします。

また、ノロウイルス感染症の症状である嘔吐などによって胃が荒れている場合は、解熱剤を慎重に選ぶ必要があります。解熱剤は胃に強く作用する物が多く、胃に優しい解熱剤を使用するとよいでしょう。

アセトアミノフェンを成分とした薬の使用がお勧めです。

タイレノールA

アセトアミノフェン単一成分の解熱剤です。効果は緩やかですが、副作用が少なく安心して使用できます。

下痢止めの使用は慎重に

ノロウイルス感染症の下痢がひどい場合に、安易に下痢止めを使用することはお勧めできません。

ノロウイルスに直接作用する薬はなく、下痢によってウイルスを体外へ排出することが改善につながります。また、下痢や嘔吐はウイルスを体外に出そうとする自然な反応なのです。

下痢止めを服用することで、体内に長い間ウイルスがとどまることとなり、完治が遅れてしまうおそれがあります。

ただし、嘔吐や下痢があまりにもつらい場合は、病院を受診して医師に相談しましょう。

39℃以上の高熱はロタウイルスの疑いも

ノロウイルス感染症とロタウイルス感染症は、同じ冬季に流行する感染性胃腸炎です。二つの症状はとても似ているため間違えやすいですが、大きな違いは「発熱」です。

ノロウイルス感染で発熱はあまりありませんが、ロタウイルス感染の場合は「39℃以上の発熱」となることもあるのが特徴です。

ノロウイルスとロタウイルスはどちらも、問診により感染の診断が行われます。そのため、嘔吐や下痢の症状のみではノロウイルス感染かロタウイルス感染かを見極めることが難しいことがあります。

しかし、ノロウイルスもロタウイルスも現時点ではウイルスに直接作用する特効薬はなく、治療の基本は症状を緩和させながらウイルスが身体の外に排出されるのを待つ対症療法になります。(2017年11月現在)

ノロウイルスとロタウイルスの違い

ノロウイルスの主な症状 ロタウイルスの主な症状
下痢・嘔吐
発熱のおそれも
1〜2日で回復
白色の下痢
嘔吐
39℃以上の発熱
3〜7日で回復

おわりに

体内に入ったノロウイルスと戦うためには、発熱を無理に抑えずに体力を保ちながら療養することが大切です。

ただし、発熱がつらいときは市販の解熱剤の使用も有効です。薬を使用するときは、アセトアミノフェン成分の薬の使用がおすすめです。