ノロウイルスは感染力が強いウイルス!

ノロウイルスは感染力がとても強いウイルスとして知られています。

ノロウイルスの大きさはインフルエンザウイルスの3分の1程度です。ウイルスの大きさが小さいほど、口や鼻などから吸い込み身体に侵入しやすくなっています。また、ノロウイルスは体内にいるウイルスの数が10~100個程度と少数でも症状が現れます。

ウイルスの大きさと症状の現れる数から、他の感染症と比較しても感染力の強いウイルスということができます。

ノロウイルスは保菌期間が長い

ノロウイルス感染症では下痢や嘔吐などの具体的な症状が出なくなっても、身体からウイルスを排出しています。

ノロウイルスの保菌期間は最長で1か月程といわれています。また、症状が現れてから7日目まで、感染者のおよそ半数の糞便からノロウイルスが検出されたというデータがあります。

症状が出なくなっても体外にウイルスは排出されているため、他人に感染させるおそれがあります。

ノロウイルス感染症のおもな症状は?

ノロウイルス感染症によるおもな症状は下痢と嘔吐です。発熱することもありますが高熱になることはあまりありません。

症状は1~3日程度で治まり、軽度で済むことがほとんどです。重症化したり後遺症が残ることはほとんどありません。ただし、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者などでは脱水症状や体力の消耗により重症化することもあるので注意が必要です。

ノロウイルスの感染経路:経口感染

経口感染とは、ノロウイルスに汚染された食べ物や飲み物を口にして感染することです。

食べ物→人の感染

カキやシジミなどの二枚貝は、海水とともにノロウイルスを取り込んで蓄積します。

下水の中から海水に放出されたノロウイルスを、エサとなるプランクトンと一緒に取り込み体内で濃縮されることでノロウイルスに汚染されると考えられています。もともと貝がノロウイルスを含んでいるわけではありません。

ノロウイルスを保持している貝類を生や火がよく通っていないまま、内臓ごと食べてしまうことでノロウイルスの感染します。

ノロウイルス 経口感染

人→食べ物→人の感染

ノロウイルスに感染した人が調理や配膳をしたことにより、手などを介してウイルスが食べ物に付着します。ノロウイルスが付着した食べ物を口に含むことで感染します。

そのため二枚貝に限らず、ノロウイルスが付着したサラダやパンなどで感染することもあります。

ノロウイルス 経口感染

ノロウイルスの感染経路:接触感染

接触感染では、ノロウイルスが付着した服・物・ドアノブなどに触れることで、自分の手などにウイルスが付着します。ウイルスが付着した手で食事をしたり口や鼻などに触ることで、ウイルスが身体に侵入して感染します。

接触感染は、幼稚園や老人ホームなど集団で生活している施設などで起こりやすい感染経路です。

ノロウイルス 接触感染

ノロウイルスの感染経路:飛沫感染

飛沫感染では、ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や糞便が床などに飛び散り、そのしぶきを吸い込むことで感染することです。

ノロウイルスを含んだしぶきは、約1~2m程飛び散ります。

ノロウイルス 飛沫感染

咳やくしゃみのしぶきで感染する?

ノロウイルスは、感染者の咳やくしゃみのしぶきには含まれていません。そのため、感染者の咳やくしゃみを吸い込むことで感染することはほとんどありません。

ただし、嘔吐した直後は口内に嘔吐物が残っていることもあり、嘔吐の直後の咳やくしゃみで感染することも考えられます。

感染のリスクを避けるためにも感染者との過度の接触は控えましょう。

ノロウイルスの感染経路:空気感染(塵埃感染)

空気感染(塵埃感染:じんあいかんせん)とは、ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や糞便が床などに飛び散ったときに処理しきれず、床に残った物が乾燥し、小さな粒子になったものが空中に舞い、それを吸い込むことで感染するものです。

ノロウイルス 空気感染

おならやキス・唾液で感染する?

ノロウイルスは感染者の嘔吐物や糞便に含まれているため、おならやキス・唾液で感染することはほとんどありません。

しかし嘔吐直後で口の中に吐物が残っている状態でキスをすれば感染することも考えられます。

おならやキスで直接感染することはありませんが、感染のリスクを避けるためにも感染者との過度の接触は控えましょう。

ノロウイルスの予防と対策

手洗いの徹底

手洗いは、手や指に付着したノロウイルスの除去に有効な手段です。調理前・トイレ後・嘔吐物や糞便を処理した後には、必ず手洗いをしましょう。

手洗いをするときには、指輪等のアクセサリー類をはずし、石けんはきちんと泡立てて手全体を洗いましょう。ブラシを使って洗うとベストです。

すすぎは温水による流水で行い、清潔なタオルやペーパータオルを使います。

うがいは、嘔吐をしたときに口の中にノロウイルスが残らないようにします。

こまめに殺菌消毒

身近なものの殺菌消毒で、接触感染を防ぐことができます。

ノロウイルスは感染力が強いので、感染者が触れたドアノブやカーテン、トイレなどに付着して留まります。

また、ノロウイルス感染者が使用した調理器具や食器などもウイルスが付着しているおそれがあります。

食器や調理器具は熱湯消毒が適しています。「85℃以上の熱湯で1分以上加熱」を目安に熱湯食毒を行いましょう。熱湯消毒にはタオルやふきんなどにも有効です。

熱湯消毒が難しいドアノブやものなどには、「次亜塩素酸ナトリウム」での拭き取りが適しています。

消毒について詳しくは関連記事をごらんください。

生ものはできるだけ避ける

ノロウイルス感染の多くは、食べ物によるものです。体調が優れないときは生食は避け、できるだけ加熱処理をしましょう。

ノロウイルスは熱に弱いため、加熱処理は効果的です。食品の中心部が、85~90℃で90秒以上の加熱が推奨されています。

感染者と生活している場合の注意

■マスクや手袋の着用
ノロウイルス感染者の嘔吐物や糞便を処理するときには、必ず使い捨てのガウン(エプロン)、マスクや手袋を着用し、接触感染や飛沫感染を防ぎましょう。

特に小さな子どものおむつなどは速やかに処理し、すぐに手を洗います。

■食器やタオル類の共有はしない
家族や同居人にノロウイルス感染者がいる場合、使う食器や洗面台のタオルは同じものを使わないように注意しましょう。

また、使った食器やタオル類は殺菌消毒をします。

おわりに

ノロウイルスは毎年12月頃に流行が始まります。

ノロウイルスは感染力が強く、感染経路もさまざまなので、流行シーズンに入ったら日常生活で手洗いと消毒を徹底しましょう。