はじめに

現在、国の医療費削減への動きもあり、医療現場はジェネリック医薬品(後発医薬品ともいいます)を積極的に取り入れる方向へ進んでいます。

急速にジェネリック医薬品に触れる機会や服用しているといった方も増えたのではないでしょうか。

しかし、私のように医療現場にいる者やジェネリック医薬品を使っている方には、効果は同等と謳っているのに「効かない?」「発疹が出た?」という話を耳にすることもあるのではないでしょうか。

今回は、「先発医薬品」「ジェネリック医薬品」そして新しく登場した「オーソライズドジェネリック医薬品」の特徴や違いについてお伝えしますね。

 

ジェネリック医薬品は特許切れした医薬品を安く提供する仕組み

先発品と薬の有効成分が同じで、他の製薬メーカーが安く提供する薬をジェネリック医薬品といいます。

先発品は開発から承認まで10年〜20年を要し、また100億から200億円の経費がかかります。

これは、研究・動物実験・人での治験・承認審査・再審査・再評価と様々な過程をクリアする事で、ようやく薬として認められるためです。


その過程で、色々な特許が、生まれます。

例えば、お薬の開発の過程で、以下のような特許が登録されていきます。

  1. 成分の特許
  2. 使用法(新たな効能など)の特許
  3. 配合(色々な成分を混ぜ合わせる比率など)の特許
  4. 製造の特許(製造法など)
  5. 製剤の特許(加工技術など)

これらの特許が全て切れて、初めて、ジェネリック医薬品として、他の製薬メーカーが販売する事が出来ます。

ジェネリック医薬品は、先発品と異なり、承認に必要な試験が格段に少なく、開発コストは数千万円と言われています。

先発医薬品とジェネリック医薬品に主成分の違いはないが・・・

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ成分を同じだけ使っており、用法容量も同じように使えます。

またジェネリックならではの飲みやすい加工をしていたり工夫のあるジェネリック医薬品もあります。

しかし、時々巷で話題にあがる「ジェネリックは少し違う?」というものはどういった違いを指しているのでしょうか。
実際に、先発医薬品とジェネリック医薬品で異なってくる可能性のある部分は以下のようなものがあります。
 

① 添加物が違うことがあります

添加物は、成分自体ごく微量のため、飲みやすいサイズにしたりなどのために使われるものです。

効果に大きな影響を与える添加物がジェネリック医薬品ごとに異なり、それが原因で発疹が出たり効果に違いが見られる場合があるようです。

食物アレルギーなど含め、特定の添加物にアレルギーを持っている方は特に添加物を確認された方がいいかもしれません。

 

②医薬品の承認に必要な試験の種類が違っています

承認申請時に必要な試験の項目は、「先発品 26項目」に対して「後発品 3〜4項目」と圧倒的に少なく、生物学的同等性(先発品と同じ速さ、同じ量で薬の成分が血液内に入っていくかどうか調べる試験)の項目について先発品と差がなければ基本的に承認されます。

長期保存試験や、体内への吸収・体への分布などの個別試験はない点などは注意していただいた方がいいでしょう。

 

話題のオーソライズドジェネリック(Authorised Generic=AG)とは


オーソライズドジェネリックは、ジェネリック医薬品です。

ただし、先発医薬品とほぼ同じ医薬品を、ジェネリック医薬品として販売したものとなっています。

ですので、薬の有効成分・添加剤・薬の作り方まで完全に同じとなっているためジェネリック医薬品に不安を持つ方も安心して使えます。

先発医薬品とオーソライズドジェネリックの違いは販売メーカーと見た目だけです。

 

オーソライズドジェネリックは他のジェネリックより先行販売が可能

先発医薬品と比べて、ほぼ同じものなので生物学的同等性などのジェネリック医薬品における認可の際に必要とした試験がいりません。

また、オーソライズドジェネリックのみ特許切れの前から半年の間(180日間)独占契約が認められています。

つまり、半年間は他のジェネリック医薬品に先駆けて販売出来るのも特徴です。

 

現在販売されてる代表的なオーソライズドジェネリック

以下のお薬は現在販売されている代表的なオーソライズドジェネリックです。
 

アレグラのオーソライズドジェネリック

AG フェキソフェナジン「SANIK」(日医工サノフィ:日医工とサノフィの共同出資会社)

先発品 アレグラ(サノフィ)
 

ディオバンのオーソライズドジェネリック

先発品 ディオバン(ノバルティス)

AG      バルサルタン「サンド」(サンド:ノバルティスのジェネリックメーカー)
 

ブロプレスのオーソライズドジェネリック

先発品 ブロプレス(武田薬品)

AG      カンデサルタン「あすか」(あすか製薬:武田薬品が筆頭株主)
 

いずれも先発医薬品の製薬メーカーと強い連携の取れるジェネリックメーカーが提供してくれるものですね。
こういったジェネリック医薬品は今後も増えていくでしょう。

 

おわりに

オーソライズドジェネリックは、先発医薬品メーカーが作るジェネリック医薬品です。
名前などは多少違いますが、先発品と同じ工場で作られ同じ品質となっており、さらに、価格も他のジェネリック医薬品と同等です。

ジェネリック医薬品を普及させる制度も整ってきていますが、お薬自体もより安心して使えるものが登場してくるというニュースでした。

今まで、ジェネリック医薬品に抵抗があった方でも、安心して使えるジェネリック医薬品です。

一度、試してみてはいかかでしょうか?