ジビエ料理に使われる野生のシカやイノシシなどが、高確率で寄生虫に感染していることが判明

岐阜大学が調査した結果から、野生のシカとイノシシが人にも感染する寄生虫に高確率で感染していることが分かりました。

調査の対象となったのは2013年から今年にかけて、岐阜県の長良川と揖斐川水系で捕獲されたシカとイノシシ。
調査の結果、人間の体内に取り込まれると食中毒症状を起こす可能性のある住肉胞子虫が、シカの場合だと背ロースから90%(60頭中54頭)、モモから88%(59頭中52頭)検出され、イノシシの場合は同じ様に背ロースから46%(26頭中12頭)、モモから43%(21頭中9頭)検出されました。

◆住肉胞子虫の検出結果◆

  背ロース モモ
シカ 90%(60頭中54頭) 88%(59頭中52頭)
イノシシ 46%(26頭中12頭) 43%(21頭中9頭)


近年はジビエ料理といって、狩猟によって捕獲された上記のような野生の動物の肉を使用する料理が日本でも普及しており、都内でもジビエ料理店が増えてきています。

野獣肉の危険性について確認しておきましょう。


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住肉胞子虫に感染すると食中毒症状が発生する

住肉胞子虫とは、シカやイノシシや馬などの野獣に寄生する原生生物で、その種類は様々なものがあります。

馬肉の生肉を食べたことによって発生する食中毒症状の原因が、住肉胞子虫の1つであるサルコシスティス・フェアリー。
この寄生虫はイヌと馬に寄生します。

人間には寄生しませんが、サルコシスティス・フェアリーに汚染された馬の生肉を食すと、嘔吐や下痢などの食中毒症状が引き起こされます。
O157などの他の食中毒症状に比べると症状は軽度で、予後も良好。

他にも今回の調査対象となったシカやイノシシ、クマなどに感染する住肉胞子虫がありますが、同じ様に人間が感染すると食中毒症状を引き起こす可能性があり、2011年に滋賀県でシカ肉のステーキを食した人が下痢や嘔吐などの食中毒症状を訴えた事例などもあります。

予防対策方法としては、-20℃で48時間以上の凍結か、加熱処理によって寄生虫を死滅させることです。

 

さいごに

野獣肉は住肉胞子虫以外にも、旋毛虫やカンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157原因菌)、E型肝炎ウイルスなど、重篤な症状に陥ったり最悪の場合は死に至る病気の原因菌に感染している危険性があります。

野生動物の肉には、食用部分でも寄生虫に感染している可能性が今回の調査によって判明しており、どのような部位でも十分に加熱することが重要となります。
(上記の菌は住肉胞子虫以外は、冷凍処理では菌が死滅しないため加熱処理が必要です。)

最近は牛レバーの生食禁止などが法律によって定められてきていますが、獣肉に関しても生食が禁止される日が近いのかもしれません。