トリコモナス症:原因・症状・治療法・予防について

トリコモナス症は原虫が原因の性感染症です。性行為だけではなくタオルの共有や入浴でも感染する可能性のある病気です。トリコモナス症の症状、治療法、予防法について解説します。

トリコモナス症とは?

トリコモナス症の原因は原虫の一種であるトリコモナスが体内に入り込むことです。
女性の場合はトリコモナスが膣内に入り込むため「膣トリコモナス症」、男性が感染した場合は「トリコモナス症」と呼ばれます。

トリコモナス症の感染経路

膣トリコモナス症は性行為から感染してしまうケースがほとんどです。原因の多くは、コンドームをつけない場合の性行為です。
男性の場合は発症していても自覚症状がないことが多く、知らず知らずのうちにパートナーの女性に感染させてしまうこともあるので注意が必要です。

トリコモナスに観戦するのは性行為だけではありません。
トリコモナスには水中での長時間感染性があるため、下着、タオル、便器、浴槽なども感染経路になります。そのため、性行為経験のない小さな子供にも感染がみられるのです。

トリコモナス症の潜伏期間

個人差はありますがトリコモナスの潜伏期間は数日から1ヶ月と言われています。場合によっては症状が出ずに、トリコモナスが何年も体の中に潜伏する場合もあります。
年齢の高い人にも感染が多くみられるのは、この長期の潜伏期間が原因とされています。

トリコモナス症は、感染者の年齢が幼児から高齢者と幅広いことも特徴の一つといえるでしょう。

なお同じ病気でもトリコモナス症は、男性と女性で症状の出方が違います。男女別に違いを追っていきましょう。

 

女性の膣トリコモナス症

膣トリコモナス症は膣だけではなく、膀胱・子宮頸管・尿道などにも感染します。
膣トリコモナス症で膣に炎症がおこると、外陰部にかゆみを生じたりおりものに変化がみられるようになります。
感染した女性の20%~50%は症状がない場合もあり、放置してしまうと膣からはじまった炎症が卵管まで進行してしまいます。

【膣トリコモナス症の主な症状】
・外陰部の症状(かゆい、腫れている、痛みがある、ただれているなど)
・排尿のときに痛みがある
・膣から出血している
・性交時の不快感や痛みがある
・おりものの異常

おりものと膣トリコモナス症の関係

膣トリコモナス症を発見するために、おりものは重大なサインです。早めの対処をするためには、おりものの状態をしっかり把握しておくことが大切です。

おりものに以下のような異常があらわれたら、膣トリコモナス症の可能性があります。症状に不安がある場合は、早めに専門機関を受診しましょう。

・おりものが臭う(くさい)
・泡状のおりものがでる
・おりものが黄緑色になったり、白く濁っている
・おりものの量が増える

特に特徴的なのはおりものの悪臭。おりものから悪臭がでる性感染症はいくつかありますが、膣トリコモナス症が代表的な性感染症です。

膣にはデーデルラインという常在菌があり、微生物が繁殖しなしように守ってくれています。膣内にトリコモナス原虫が寄生していまうと、デーデルラインの餌になるグリコーゲンがトリコモナスに奪われ死んでしまいます。
そうなると膣内の菌のバランスが崩れ雑菌が入りやすくなり、おりものが臭う、色が変化するといったことがおこります。

膣トリコモナス症と他の性感染症との違い

膣トリコモナス症以外にも、おりものに異常がみられる性病はいくつかあります。

・膣トリコモナス症・・強い異臭、泡、黄色や緑色のおりもの
・性器カンジタ症・・ヨーグルト、酒粕、カッテージチーズのような形状のおりもの
・クラミジア・・透明でサラサラ、膿を伴うおりもの
・淋病・・どろっとした状態黄色から緑白色の膿のおりもの

おりものの状態はあくまでも症状を見分ける1つの目安です。おりものの異変に気付いたら安易に自己診断せずに、医療機関を受診しましょう。

妊娠中のトリコモナス感染は危険

妊娠中に膣トリコモナス症に感染してまうと、子宮に菌が入り込んで赤ちゃんの成長を妨げることにもなります。また、赤ちゃんを守っている膜、発育に重要なへその緒、赤ちゃんの体への感染にもつながる可能性があります。

さらにお腹の痛みや張り、発熱を引き起こす原因となり、破水や早産の危険性につながるため、妊娠中に感染したらすぐに医師に相談しましょう。

 

男性のトリコモナス症

男性がトリコモナス症に感染した場合ほどんど症状がでません。尿道からの分泌物や排尿痛などにおこることもありますが、自覚症状がある人は1割ほどにとどまります。
特に尿道が感染した場合は、トリコモナスが排尿により流されてしまい発症しない場合もあります。
男性の無自覚症状は、パートナーに症状をうつしあう「ピンポン感染」の原因となります。女性が治療し完治しても、男性が治ってない状態で性行為をし、女性に再発させてしまうのです。

まずは検査から始めよう!

トリコモナスに感染した日に覚えがある場合、その2~3日後には検査が可能になります。だたし症状がない場合や発症初期ではトリコモナスを発見できないこともあります。
男性のトリコモナスの検出は難しく、感染していても陰性と出ることがまれにあります。

カップルのどちらかが「トリコモナス症」に感染している場合、パートナーも感染している確率が高いので、検査や治療は同じタイミングで受ける必要があります。

 

トリコモナス症の検査

明らかに自覚症状があるときはできるだけ早めに専門機関で検査をしましょう。

女性:婦人科、産婦人科、性病科
男性:泌尿器科、性病科

トリコモナスの潜伏期間は6ヶ月以内と長期に渡るので、感染の心配がある場合には、症状がなくても検査をすることがおすすめです。検査方法は主に3つです。

1.顕微鏡検査

もっとも一般的な検査で、医師が尿や膣分泌物を顕微鏡で調べます。
検査精度があまり高くなく、医師の経験値によって精度の高さが変わってしまうこともあります。診断になれている医師でさえ、10%は見逃すこともあるそうです。

2.培養検査

トリコモナスの量が少ないときに、トリコモナスを増やして検査します。
顕微鏡検査より精度が高くなりますが、結果がわかるまで日数がかかり、後日病院に行く必要があります。発症の初期段階ではトリコモナスの量が少ないと、増やしても見落とすことがあります。

3.遺伝子検査

検査精度がとても高く信頼性のある方法です。GME医学検査研究所では郵送での検査も可能です。

自宅での検査

「医療機関に行ってまで検査するのは気が引ける‥」そんな方には、自宅でできる検査キッドもあります。検査キットには女性用と男性用があります。
症状を放っておくと症状の進行や悪化につながり、パートナーへの感染にもつながります。早めの検査を心がけましょう。

 

トリコモナス症の治療

トリコモナス症の治療は医療機関でおこないます。診察時には、アレルギーや持病、妊娠・授乳の有無、服用している薬などを医師に伝えましょう。
また、ピンポン感染をおこすので、女性、男性のどちらかではなく、両者が同時に治療することが原則になります。

トリコモナスの投薬治療には「フラジール」

トリコモナス症の治療薬は「フラジール」という抗トリコモナス剤(メトロニダゾール)の投薬治療が一般的です。

ただし、女性の場合は膣の炎症に対する治療効果を高めるため、膣錠の挿入や軟膏の塗布による治療も併用されます。

トリコモナスに市販の治療薬はない

膣トリコモナス症の治療薬は市販されていません。
恥ずかしいからといって自分で解決しようとせず、必ず医療機関へ行き医師の診察を受け、薬を処方してもらいましょう。

治療薬とアルコールとの同時摂取は、悪酔い、吐き気、嘔吐、頭痛などの原因になります。治療薬を服用したら、2~3日はお酒は禁止になります。

 

おわりに:再発の防止と予防

トリコモナス症は知らないうちに感染していることがあります。ご自身だけでなく、パートナーの健康にも関わることなので、しっかりと予防のポイントをおさえておきましょう。
感染原因NO.1の性行為には、コンドームの着用で対処します。ただし、コンドームは予防法としてはとても有効ですが、100%完全に予防できるわけではありません。手や口などを介して感染することもあるので注意が必要です。
またプールや温泉など水中感染の可能性がある施設では、他人が使ったシャワーや椅子などは、キレイに洗ってから使用しましょう。

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