赤痢アメーバ感染症はSTD(性感染症/性病)です~感染経路、潜伏期間、検査、原因、治療について~

世界の人口の1%(約5000万人)が感染すると言われている赤痢アメーバ感染症。感染しても無症状で病状が進行していくことも多いため、初期症状などの知識を身につけておくことが重要です!

赤痢アメーバ感染症は世界中で多くみられる感染症です。

原因は「赤痢アメーバ」と言う原虫で 赤痢菌が原因の赤痢とは別物です。

世界の人口の1%(約5000万人)が感染、毎年4~10万人が死亡していると言われています。

衛生環境の整っていない発展途上国に集中して分布しており、先進国での感染経路はほとんど性行為です。

五類感染症に指定されており、感染が分かったら診断した医師が7日以内に保健所に届出をします。

日本では年間700~800人ほどの届出が出ています。

赤痢アメーバ感染症には以下のような特徴があります。

  • イチゴゼリー状の粘血便が出る
  • 腸管アメーバ症と腸管外アメーバ症がある
  • 腸管外アメーバ症になると他の臓器に膿瘍(のうよう・ウミのかたまり)ができる、最も多いのが肝膿瘍
  • STD(性感染症/性病)でもあり日本での感染者は男性同性愛者間に多い

どのように感染するの?

感染経路は主に経口感染です。

赤痢アメーバに汚染された飲食物(生水や生魚、生野菜など)を食べたり飲んだりして感染し、人の糞便中に排出されます。

日本国内で食中毒として発症するケースは現在ほとんどありません。

日本の感染者の8~9割に海外渡航歴がないことなどから、主な感染は男性同性愛者間の性行為や知的障害者の施設での集団感染によるものです。

STD(性感染症/性病)としての赤痢アメーバ症

特に男性同性愛者の間での感染者が増えています。

肛門に直接口を当てることで感染します。

梅毒やHIV感染症、B型肝炎、性器ヘルペスなど他のSTD(性感染症/性病)を合併しているケースが多く見られます。

感染箇所によって変わる症状

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潜伏期間は一般的には2~4週間、感染しても無症状のことが多く、数ヶ月~数年に及ぶこともあります。

赤痢アメーバに感染すると感染した箇所によって「腸管アメーバ症」と「腸管外アメーバ症」に症状が分かれます。

腸管アメーバ症(大腸炎)

病院で検査を受けると、まず潰瘍性大腸炎と診断されます。

便の検査でアメーバ菌が見つかることで赤痢アメーバ感染症が発覚します。

◎症状◎

・下痢

・特徴的な粘血便(赤いドロドロしたイチゴゼリー状の便)

・便意をもよおすのに排便が無い、便意があっても少量しか出ない状態、何度も何度もトイレに通う。

・鼓脹(こちょう・腸管内にガスがたまって腹部が膨張した状態)、

・排便時の下腹部痛、不快感など・・・

まれに肉芽腫性(にくげしゅせい)病変が形成されたり、腸に穴があいたり、腹膜炎を起こすことがあります。

肝膿瘍(かんのうよう)などの合併症が無い限り発熱しません。

数週間はよくなったり悪くなったりをくり返します。

軽症なのでトイレに行く回数が増える程度で、日常生活は今まで通り送れます。

腸管外アメーバ症

原虫が血液に乗って腸管外の他の臓器(肝臓、肺、脳など)に感染し、膿瘍(のうよう・うみの溜まった固まり)を作ります。

腸管外アメーバ症は特に成人男性に多く見られ女性の7~10倍くらいの発症率です。

膿瘍ができる箇所で最も多いのは肝膿瘍で、肝臓付近の不快感やうずくような痛みが時に右肩付近にまで広がります。

他の肝炎でよく見られる黄疸ができるのは稀で発現しても症状は軽いです。

初期には腹痛が起こらないためよく風邪と間違えられます。

◎肝膿瘍の症状◎

・高熱(38~40℃)、間欠熱(平熱になったり高熱になったりをくり返す)

・右のわき腹の痛み(時に右肩付近まで広がる)

・肝臓の腫れ

・吐き気、嘔吐、体重減少

・寝汗、全身の倦怠感(けんたいかん) など

赤痢アメーバ感染症の検査方法

自己検査キットもありますが、病院での検査を受けましょう。

診断は主に問診です。

(海外渡航歴、男性同性愛者であるか、風俗での接客はないかなど)

そして便、血液の検査をします。

血液検査は肝膿瘍にかかっていないかを調べるためにおこなわれます。

他にもCTスキャンや腹部エコーなどで検査します。

原因がわからない肝膿瘍であれば、薬を投与して、薬の効果があるようならアメーバ性の肝膿瘍と診断します。

一般的には通院治療です。

主な治療法は服薬治療

主にメトロニダゾール(フラジール)、チニダゾールという薬を10日間ほど服用します。妊娠中は服用できません。

数日で症状が軽くなっても再発を防ぐために決められた日数薬をきちんと飲み切りましょう。

メトロニダゾールを服用している時とその後の1週間は飲酒は厳禁です。

副作用は吐き気や嘔吐、めまい、腹痛や頭痛など強い副作用を起こす恐れがあります。

10日ほどで症状が落ち着きます。肝膿瘍がある場合はもう少しかかります。

赤痢アメーバ感染症の予防方法

まずは清潔にすることが第一です。

赤痢アメーバは乾燥や熱に弱いので、食べ物はよく加熱するようにしましょう。

・徹底した手洗い

・食べ物は十分加熱する

・不衛生な環境での生水やカットフルーツは避ける

・肛門を使った性行為の際はコンドームを使う・・・など

おわりに

赤痢アメーバ感染症は感染しても長い間症状が出ない可能性がある感染症です。

知らない間に自分がかかっている場合があるので感染予防のためにも粘血便などの「もしかして・・・」と言う症状があったら病院で検査を受けましょう。

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