インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス・・・。
子どもの喉や鼻に悪さをするウイルスはたくさんありますが、中でも頻度が高いとされるのが「RSウイルス」です。
近年ウイルスの流行によって、多くのメディアでも報じていることから「名前は聞いたことがある」というパパ・ママも多いのではないでしょうか。

「うちの子もRSウイルスでは?」と思ったとき、正確な診断のために検査を希望する人も少なくありません。しかし、RSウイルス感染症の検査は保険適応となる人が限られています。

この記事では、RSウイルスの検査方法をはじめ、保険適用の条件や費用や時間などについて解説します。

RSウイルス感染症の症状:重症化に注意

RSウイルスは4~6日ほどの潜伏期間を経た後、発症します。主な症状は咳、鼻汁、鼻詰まり。発熱もみられますが、38~39度といった高熱になることは稀です。軽度の場合は1週間ほどで治まります。

いっぽうで、0歳〜2歳ぐらいの子どもがはじめてRSウイルスに感染した場合、重症化の危険があります。また大人でも高齢者や免疫機能を抑える薬を服用している人、慢性の肺疾患や呼吸器疾患を抱えている人は重症化する可能性が高まります。

RSウイルスは進行が早いことでも知られていますので、呼吸の異変などみられたときは、早急に小児科や内科の医師に相談しましょう。

RSウイルスの疑いで病院へ行く目安

次のような症状があらわれたら、RSウイルス感染症の可能性がありますので、病院を受診しましょう。
・呼吸回数が増えた
・喘鳴がみられる(ゼロゼロといった呼吸音)
・呼吸のたびに喉やお腹の辺りがへこむ
・チアノーゼ(唇や爪が紫色になる)

RSウイルス感染症の検査

RSウイルス迅速キットについて

RSウイルス感染症の検査は、迅速検査キットによって行われます。迅速検査キットを用いた検査では、綿棒で鼻の粘膜を採取します。これは、RSウイルスが鼻から侵入することが多いためです。綿棒からRSウイルスが検出されるか、試薬を使って調べます。

迅速検査キットで結果が出るまでの時間

迅速検査キットで結果が出るまでにかかる時間はおよそ30分です。多くの場合、結果が出るまで待合室で過ごします。

検査キットによって感染がわかった場合でも、感染の程度までは分かりません。そのため、感染が確認された場合は、血液による精密検査や胸部レントゲンによる気管支炎の検査を行います。

保険適用について

迅速検査キットはすべての人が保険適応というわけではありませんので、注意してください。

保険適応となる人は、次の人たちです。
・1歳未満の子ども
・入院中、あるいは入院が必要と判断された患者
・パリビズマブ製剤の適用となる患者(パリビズマブとは呼吸器系の病気を防ぐ薬)

それ以外の方は自費での検査となります。

RSウイルスの自費での検査費用

RSウイルス感染症の検査費用は、医療機関によって異なりますが、自費診療の場合は3.000円くらいが相場とされています。

ただし、これは検査のみの費用です。そのほかにかかる費用も考慮すると1万円ほど持参すると良いでしょう。

いっぽう保険適応の場合は、ほとんど費用がかからず検査を受けることが可能です。

RSウイルスが陰性だった場合

RSウイルス感染症には、病気自体に効く特効薬がありません。

そのため治療では、表面にあらわれた症状を和らげるための「対症療法」が行われます。

例えば、鼻汁が出るときには鼻汁を抑える薬の服用や吸引、喉の症状が気になるときには、痰を切りやすくする薬や気管支を広げる薬の服用などです。症状が軽い場合は、こうした治療と安静で経過を観察します。

このように、検査をしてもRSウイルス感染症に直接効果を発揮する治療を行うことはできません。そのため医療機関によっては、検査に消極的なところもあります。

特に重症化する可能性の少ない大人の場合は費用面から考慮しても、検査の必要性に疑問を持つことが多いようです。

患者からの希望では検査を行わないケースもありますので、検査を希望する際は事前に確認すると良いでしょう。

RSウイルス感染症の予防法

RSウイルスは、一度感染すると完治した後も1~3週間は感染力を持続するとされています。大人は軽症で済んでも子どもには危険なウイルスなので、まずは予防を徹底することが大切です。

RSウイルスの感染経路

RSウイルスは9月ごろから徐々に流行の兆しをみせ、12月から翌年1月ごろに流行のピークを迎えます。主な感染経路は接触感染と飛沫感染です。

接触感染とは、感染者とのスキンシップやウイルスが付着した物品に触れることによる感染です。家具やおもちゃなど、あらゆるものにRSウイルスは潜伏しています。

飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみによるしぶき(飛沫)による感染です。

RSウイルスの侵入を防ぐために気を付けたい3つのポイント

1.マスクの着用
これは自分が飛沫を吸い込まないためでもあり、自分の咳で飛沫を広げないことにもつながります。

2.手洗い・うがい
RSウイルスは鼻をこするだけでも感染するとされています。手指は常に清潔な状態を保ち、うがいによって、ウイルスの侵入を防ぎましょう。

3.消毒
物品に付着したRSウイルスは4~7時間生存するとされています。頻繁に触る機会がある物品は、アルコールや家庭用の塩素系漂白剤で消毒しましょう。

おわりに

RSウイルスの検査には、迅速検査キットが用いられ、30分程で結果が出ます。RSウイルスに感染しても、通常は軽い症状で済みますが、はじめて感染した2歳以下の子どもは重症化する危険性があります。RSウイルスの感染が疑われる場合は、まずは医師に相談し、必要に応じて検査を行いましょう。