脊椎側弯症の原因や症状を解説!大人も側弯症になる?

脊椎側弯症の原因・症状・治療法を解説。大人でも側弯症になるのか、運動療法や整体などで治すことができるのかまで解説します。

脊椎(脊柱)側弯症とは?

ひとつひとつの背中の骨(脊椎)が柱状につながった状態を脊柱といい、一般的に背骨といいます。背骨は本来正面から見るとほぼまっすぐなのが正常です。

脊椎側弯症は正面から見て背骨が横に曲がってしまっている状態のことをいい、多くの場合は背骨のねじれもともなっています。

脊椎側弯症は大部分が小学校高学年から中学生にかけて発症します。とくに女子に多くみられ、女子の患者数は男子の5〜7倍とされています。

無症状であることが多いため、大人になってから側弯症だと気づくこともあります。

脊椎側弯症の症状

脊椎側弯症は、発症して進行する発育期には痛みも少なく自覚症状がほとんどありません。

しかし、軽度の側弯症であっても、成人以降になると腰や背中の痛みが起こる頻度が高くなります。

中程度の場合は痛みだけでなく、背中が盛り上がったり、左右で肩の高さやウエストの位置が違うなどの体型のゆがみが出て、美容面で精神的なストレスを抱えてしまうことがあります。

高度の場合は心肺機能の低下がおきます。脊柱が変形することで胸の骨格が変形し呼吸をしにくくなるためです。また、気管支が圧迫されて呼吸障害が出てくることや、肺機能の低下から肺炎を繰り返す場合もあります。

脊椎側弯症の原因

脊椎側弯症の原因は大きく3つにわけられます。

・生まれつき背骨が曲がっている先天性側弯症
・特別な原因がなく発症する特発性側弯症
・神経や筋の異常による症候性側弯症

中でも、原因がなく発症する特発性側弯症が、側弯症の全体の約60〜70%と大部分を占めています。

先天性脊椎側弯症

生まれつき形のおかしい脊椎があったり、成長する家庭で脊椎の一部が分離しなかった場合などに起こります。

早期発見と経過観察が重要であり、経過観察で悪化があった場合は矯正装具をつける療法や手術を行うことがあります。

特発性脊椎側弯症

変形が起こる時期によって「乳幼児型(0〜3歳)」「学童期型(4〜9歳)」「思春期型(10歳以上)」にわけられます。

乳幼児型は80%以上が自然に治りますが、学童期型は成長にともなって進行する率が非常に高く、約80%は悪化する傾向があります。

特発性側弯症の中でも思春期型が最も多く、二次性徴が始まる時期に発症し約50%が悪化するとされています。

症候性脊椎側弯症

脳や脊髄の異常・筋肉の異常・神経線維に腫瘍の形成が見られる遺伝性のものがあります。

神経に異常がある場合は姿勢のバランスや歩き方がおかしかったり、筋肉に異常がある場合は筋力低下で運動機能の発達が遅れることがあります。

脊椎側弯症の治療

脊椎側弯症の治療は、原因・程度・年齢によって異なります。

経過観察

成長期の途中で側弯の角度が20〜25℃以下の軽度の場合は、装具療法を開始するかどうかを判断するために経過をみます。

定期的にレントゲン検査をして症状が進行しているか診察を受けることが大切です。

装具療法

側弯が25〜40℃までの軽症〜中程度の側弯症に対して、症状の進行防止や矯正のためにコルセットをつける治療です。

コルセットをつける主な目的は側弯の進行防止で、背骨を正常に戻す治療ではありません。コルセットで矯正することで側弯を悪化させず手術をしないで済むようにすることが目的です。

コルセットを外す時期は、レントゲンで骨の成熟が完了しているかの確認・二次性徴が出ているか・身長の伸び具合などを参考にして判断します。

また、装具療法は体に負担がかかるため、誰にでも行われるわけではなく、症状が進行しそうな方に行われることが一般的です。手術までの待機期間にコルセットをつける場合もあります。

手術

側弯の進行防止と美容上からの変形の矯正として手術をする手段があります。腰痛や背中の痛みの軽減や、呼吸機能の悪化防止や改善なども手術を選択する理由になります。

手術を行うかどうかは年齢・進行の程度・側弯の部位とタイプ・腰痛などの有無などを考えて総合的に判断します。

手術では、背骨を矯正して元に戻らないように固定します。背中から手術する場合と胸または脇腹から手術する方法があり、年齢や側弯の部位などによって異なります。

手術によって合併症を起こす可能性はありますが、頻度は高くありません。

手術後は一般的に1週間以内にコルセットをつけなくても歩くことができ、2〜3週間以内で退院できます。

マッサージや整体に医学的根拠はない

運動療法・マッサージ・整体は矯正効果がなく、現在のところ有効性は科学的に証明されていません。

体操は装具療法で弱った筋肉を鍛えるためには役立ちます。とくにコルセットを外すときには、体操をすると良いでしょう。しかしながら、体操をすることによる側弯症自体の改善や進行の予防は医学的証拠がありません。

整形外科を受診し、専門医にみてもらい正しい対処をしてもらいましょう。

大人になってから脊椎側弯症になることはある?

脊椎側弯症の大部分は成長期にかけて発症します。

症候性脊椎側弯症などの特殊な原因による以外では、一般的に体の成長が終われば進行することはありません。

ただし、年をとるにつれてまっすぐだった背骨が徐々にすり減って曲がって側弯症を発症することがあります。この場合は「変性側弯症」と呼ばれ、加齢による変化、姿勢や体の使い方が発症に大きく関わっています。

また、側弯が軽度の場合は痛みなどの自覚症状がほとんどないことから、成人してから腰痛や背中の痛みを感じて側弯症に気づくことがあり、子どものころから発症していた可能性があります。

脊椎側弯症が疑われる場合は、整形外科の受診をおすすめします。

忙しくて病院になかなか行けなかったり、病院に行くまでの間に背中の痛みなどを少しでも緩和したい方は市販薬も活用できます。

おわりに

脊椎側弯症は多くの場合は軽度のままで骨の成長が終わりますが、進行することがないよう早期発見と経過観察は大切です。

小・中学校の身体検査に組み込まれているため、学校の健康診断で発見されることが多くあります。脊椎側弯症と診断されたら整形外科を受診し、定期的な経過観察を行うようにしましょう。

その他に関するお役立ち情報

その他に関連するQA