HAMとはHTLV-1関連脊椎症の略称です

HAMは全国でも患者数が少ない神経難病です。現在日本には推定3000人の患者数がいるとされています。

平成21年度より厚生労働省難病対策疾患にしていされました。

今のところHAMがなぜ発症するのかは解明されていません。

 

HAMの進行を防ぐために早期に診断と適切な治療を受ける事が大切です。

HAMの症状と検査方法や治療方法についてしっかり把握しておきましょう。

 

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HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)については以下の記事を参照してください。

 

HTLV-1は古くは縄文時代より前からあるウイルスと言われています。



HTLV-1キャリア(ヒトT細胞白血病ウイルス1型の感染者で発病していない人)でも約95%の人が生涯何の症状も出ませんが

ごく一部の人が理由不明で成人T型細胞白血病リンパ腫(ATL)などの悪性の高い病気が発症します。
 

 

 

HAMの発症と症状

HTLV-1に感染したT細胞が脊髄に入り込むのが発症の原因と言われています。

脊椎の中で炎症が慢性化し神経細胞が傷つきます。他の細胞とちがって一度傷ついた神経細胞は元に戻りません。

脊椎には足、腰、直腸、膀胱の神経が通っているので足が動かなくなったり排尿障害が起こります。

HAMの初期症状

  • なんとなく足がつっぱるような感覚やしびれ
  • 足がもつれて歩きにくくなる
  • 尿意を催したのにトイレに行っても尿が出ない、失禁などの排尿障害
  • 便秘が続く

病状に軽症から重症まで個人差があるのが特徴です。

運動障害が軽い症状のまま長期間病気の進行が見られない人もいれば数週間で歩行不能になる例もあり様々です。

HTLV-1キャリアの人がHAMの症状が出たら病院へ

病院で受診する時はまずHTLV-1に感染していることを申告しましょう。

そしてHAMに該当する症状がいつから出るようになったかどの程度の症状が出ているかなどを医師に伝えてください。

早期の治療で進行を最小限にすることができます。

HAMの検査では進行状況を把握します

検査では脊髄の炎症の程度やウイルス量を見ます。

主に血液中の抗体検査、髄液検査が行われます。

他に画像検査で脊椎や脳をMRIで撮影しHAM以外の整形外科的な病気の有無を確認します。

画像検査では脳や脊椎の症状の進行状況を確認し治療の方針を決めていきます。

治療は主にステロイド療法とインターフェロン療法、そして大切なのがリハビリです

疾患の状態や重症度によって治療内容が大きく異なります。

ステロイド療法

ステロイドで炎症を抑えます。ステロイド療法は効果は高いのですが投薬を中止すると脊椎の炎症が再発することも多いため

副作用が強く出たりしてもなかなか中止することができません。

副作用は感染症、糖尿病、骨粗しょう症、肥満、白内障などです。

病状や年齢、合併症などに基づいて正しく使用する必要があります。

現在はステロイド療法に代わる有効な薬剤の研究開発がすすんでいます。

インターフェロン療法、アルファ注射

炎症を抑えるインターフェロン、ウイルスを抑える作用があるアルファ注射による治療です。

1日1回皮下または筋肉にスミフェロンを注射します。スミフェロンは保険適用できる薬です。

注射する期間と回数は個々の症状によって異なります。

主な副作用は発熱、倦怠感、食欲不振、脱毛、間質性肺炎、抑うつ、血球減少などが報告されています。

ただし、網膜症。肺障害やうつ症状のある方は使用を控えるようにしています。

 

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積極的なリハビリが大切です

HAMは両足の筋肉が低下していきますので、リハビリで筋力維持をしていくことや日常生活をおくりやすいように適切な装具や生活用品を使うことが大切です。

聞き慣れない病気の発症にショックを受けて気持ちが大きくふさぎ込んでしまいリハビリに積極的になれない方もいます。

リハビリ不足が歩行困難の原因になっていることも少なくありません。

一度、主治医や専門のリハビリスタッフとよく相談して自分に合ったリハビリの方法をしていけるようにしましょう。

 

現在、最新技術を使って随意運動を補助できるロボットスーツによる臨床試験をおこなっています。

将来的に保険適用でリハビリの現場で使用できるようにする試験です。

ロボットスーツを使った歩行練習をおこなうことでロボットスーツを脱いだ後でも脳、脊髄、運動神経、筋肉の障害からくる歩行障害を改善させられる効果が期待されています。

おわりに~難病支援のネットワーク~

HAMは患者数が少なく、あまり知られていない難病のため周囲の理解が得られず孤独を感じることもあると思います。

HAMは全国の様々な医療機関に患者さんが点在していて情報交換が難しいと言うこともあります。

そこで、NPO法人や患者の会では定期的に会合を開いたり、患者さんは家族の悩みを語り合う場にもなっていますので登録してみましょう。

情報を提供することは医療研究の発展にも繋がります。

ツラいときは1人で悩まないで相談してみましょう。