はじめに

人の話を聞き返すことが多くなった、子どもにテレビの音量が大きいと指摘されたなど、耳が聞こえにくくなったと感じることはありませんか。

これから先も音楽や映画、人との会話などを楽しむためにも、大事な耳はできるだけいたわってあげたいもの。

この記事では、加齢以外にもたくさんある、聴力の衰えの原因を紹介します。

こんなにあります!耳が聞こえにくくなる9つの原因

1. 職場で騒音にさらされること

工場、工事現場、飛行場など、常に騒音にさらされる環境で働く場合、可能であれば耳栓や耳を保護するプロテクターを着用するとよいでしょう。

バイクや電気工具を使った日曜大工などの趣味も、長期的には聞こえにくくなる原因となります。

2. 事故や気圧の変化などによる耳へのダメージ

頭を強く打つなどした場合、耳小骨(中耳の骨)の脱臼や神経の損傷により聴力を損なうことがあります。

綿棒などの異物により鼓膜を破いてしまう事故も耳が聞こえにくくなる原因となります。鼓膜は通常数週間で再生しますが、手術が必要な場合もあります。

また、飛行機やスキューバダイビングなどで経験する急激な気圧の変化によっても、鼓膜や中耳、内耳がダメージを受け、聴力損傷につながる場合もあります。

3. 薬の副作用

薬の中には、副作用として聴力低下が挙げられるものもあります。

原因になりやすい薬は、ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなどの 抗菌薬や、シスプラチンという抗がん剤、フロセミドに代表されるループ利尿剤などです。

また、解熱鎮痛薬としてよく使われるアスピリンなどのサリチル酸剤の多量投与により、一時的に耳が聞こえにくくなったり、耳鳴りの副作用が出ることもあります。この場合、薬の使用をやめれば聴力は戻ります。

また、アスピリンを含むNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)やアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を長期的に常用することでも、聴力が低下するリスクが高まることが明らかになっています。

このような副作用が起こることはまれで、必ず起こるわけではありませんが、異常を感じた場合は医師に相談しましょう。

4. 慢性疾患

脳や内耳への血流を妨げることなどにより聴力障害につながる疾患として、高血圧、心臓病、糖尿病、脳梗塞などが挙げられます。

また、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の方も、内耳にある聴覚を司る感覚器官・蝸牛の細胞が免疫システムにより攻撃を受けて、聴力低下につながることがあります。

5. 腫瘍

外骨腫、良性ポリープなどの非がん性の腫瘍が外耳道を塞ぎ、耳が聞こえにくくなる場合があります。

聴神経腫瘍という良性の脳腫瘍では、聴力障害のほか耳鳴りや顔面の麻痺、体のバランス感覚の欠如などの症状も現れます。

治療法としては、手術での腫瘍の切除や定位的放射線療法などが挙げられます。

6. 突発的な轟音

花火、銃声、爆発などの、瞬間的な轟音により鼓膜が破れたり内耳が損傷することがあります。

「音響外傷」と呼ばれ、恒久的な聴力障害につながる場合もあります。

7. コンサート・ライヴ会場での爆音

ロックのコンサート会場での騒音レベルは平均110デシベル、15分聞き続けると恒久的な聴力低下につながるレベルです。普通の会話は約60デシベル。85デシベル以上の音に長時間さらされると聴力障害が起きるとされています。

ライヴ帰りなどに耳がキーンとする症状は「耳鳴り」と呼ばれます。耳鳴りは数時間で消えることもありますが、数日から数週間続いたり、なかには一生鳴り止まないケースもあります。

8. ヘッドホン・イヤホンの使用

電車内で音漏れするほどの音量で音楽を聞いている人は、聴覚が損なわれるおそれがあります。

大音量・長時間になるほど耳へのダメージは大きく、一度低下した聴力が完全に戻るのは困難です。

音量を控える、時間を制限するなどして、耳をいたわりましょう。

9. 耳垢

耳垢は皮膚を保護し、バクテリアや虫から耳を守ってくれるものですが、たまり過ぎると外耳道を塞ぎ、耳の聞こえが悪くなる原因となります。

耳垢がたまり過ぎて固くなると圧迫感や痛みを感じたり、耳が詰まった感じがする場合も。綿棒や耳かきなどで無理に取ろうとすると傷をつけたり押し込んでしまう場合もあるので、耳鼻科で吸引して貰うのが安全です。

おわりに

耳が聞こえにくくなるさまざまな原因の中には、日ごろの生活習慣の見直しで防げるものもあります。
最近耳が聞えにくいと感じたら、一度耳鼻科医に相談してみましょう。