原因不明のめまいや耳鳴りが突然・・!これってメニエール病?

突然、激しいめまいや耳鳴りに襲われた・・!

そんなとき、多くの芸能人が告白したことで知られる「メニエール病」が頭に浮かぶ人は多いのではないでしょうか?
同時に、「メニエール病=難病」という言葉もよく使われるため、不安を覚える人もいらっしゃると思います。

しかし、実際にメニエール病と診断されるのは、めまいや耳鳴りを訴える人の1割強。
メニエール病と診断されても、発作時の対処を把握し、生活改善を行えば通常の生活を行うことが可能です。

何はともあれ、メニエール病について正しく理解することが大切。

この記事では、メニエール病の症状や検査、治療法などを詳しくご紹介します。さらに、メニエール病の予防や発作時の対処法についても解説していきます。
 

メニエール病の原因は内耳の水ぶくれ!

「めまいは耳の奥、内耳からやってくる」

めまいと内耳の関係を初めて提唱したのが、《プロスパー・メニエール》というフランス人医師です。「メニエール病」という病名の由来は、ここからきています。


メニエール病は、耳の奥「内耳」に内リンパ液が溜まって、水ぶくれ状態になることが原因で発症します。

しかし、なぜ内耳が水ぶくれ状態になるのか?

その原因まではわかっていません。そのため根本的な治療が難しく、これが「メニエール病=難病」といわれる由縁となっています。現段階では、ストレスが大きく関わっていることが多いと考えられています。

メニエール病の主な症状のめまい耳鳴りには、以下の特徴があります。
 

メニエール病のめまいの特徴

●なんの前ぶれもなく起こる
●めまいの持続時間は30分程度から数時間。
●グルグルとした「回転性のめまい」であることが多い
(水ぶくれの程度によってはフワフワとした浮動性めまいであるケースも)
●不定期に反復する
(頻度は週に数回から数か月に1回など個人差あり)
●吐き気や嘔吐、冷や汗、顔面蒼白といった症状を伴う
 

メニエール病の耳鳴りの特徴

●なんの前ぶれもなく起こる
●片耳だけに起こる
●不定期に反復する
●「ブーン」という低音性の耳鳴りである
●耳鳴りのほかに、難聴や閉塞感(耳が詰まった感じ)といった症状を伴う
 

メニエール病の診断基準は?

耳鳴りを伴っためまいがする病気は、メニエール病だけではありません。

厚生労働省の『メニエール病診療ガイドライン2011年版』によると、メニエール病と診断する上で重視されるポイントは2つあります。それは・・

「耳の症状(耳鳴り、難聴、閉塞感)を伴うめまいを、繰り返す」
「似た症状がみられる、ほかの病気にかかっている可能性がない」

ということ。
2つの条件を満たした場合、「メニエール病確実例」と診断されます。

また確実例と異なる症状でも、メニエール病と診断するケースもあります。
こうした例は「非定型例」と呼ばれ、「蝸牛型」と「前庭型」の2種類があります。

1)メニエール病非定型例:蝸牛型
耳の症状(耳鳴り、難聴、閉塞感)の強弱を繰り返しますが、めまいは起こりません。


メニエール病の前段階ともいわれる「蝸牛型メニエール病」

メニエール病の前段階とされる蝸牛型メニエール病。めまいがなく、耳の症状(耳鳴り・難聴・閉塞感)だけ、というのが特徴です。早期発見で、完治できる可能性もあります。

詳しくは、関連記事『メニエール病に移行する可能性がある「蝸牛型メニエール病」とは?めまいしなくても耳鳴りがする人は要注意』をチェックしてみてください。



2)メニエール病否定型例:前庭型
メニエール病確実例に似た、めまいを繰り返します。片耳、稀に両耳に耳鳴り、難聴、閉塞感がみられますが、めまいの強弱で変動することはありません。

前庭型は、めまい発作の反復を慎重に観察した上で、内リンパ水腫による反復性めまいの可能性が高いと判断されたときに診断すべきとされています。
 

こんな人がメニエール病になりやすい!

メニエール病は、30代後半から40・50代の女性に多い病気です。子どもの発症はめったにありません。

体格としては、肥満の方の割合が少ないことも特徴。職種としては技術職や専門職に多く、続いて事務職や運輸関係、管理職に多くみられます。販売職や農林漁業関連の患者は少数です。

気質的な傾向として、メニエール病にかかりやすい人を「メニエール気質」と呼び、下記のような方がかかりやすいと言われています。

・責任感が強い
・几帳面
・心配性
・他人の目が気になる


このほか、過労や睡眠不足が続いている人もかかりやすいとされています。
いずれも、ストレスを受けやすい共通点があるといえるでしょう。


 

メニエール病の検査・治療は「めまい外来」が1番

メニエール病の疑いで病院へ行く場合、最も適しているのは「めまい外来」

しかし、現段階で「めまい外来」を設けている病院は少ないので、受診することが難しい人もいらっしゃることでしょう。その場合は、「耳鼻科」を受診しましょう。

メニエール病の検査には、このようなものがあります。

【問診】
「めまいの状態、長さ、頻度」や「耳鳴りの持続時間、音の大きさ、始まった時期」などを確かめる。

【眼球の動きを見る検査】
目の前のペンの動きを追う「注視眼振検査」や、フレンツェル眼鏡を使った「頭位眼振検査」など。

【聴力検査】
防音室に入り、専用装置を耳に当て、音が聞こえたらスイッチを押す。

【平衡感覚の検査】
両足や片足で直立して、目の開閉による変化はないか確かめる→「立ち直り検査」。
足踏みして、どのように動いたか調べる→「足踏み検査」。
重心を測る装置にのって、ふらつきの度合いを調べる→「重心検査」。

【温度眼振検査】
横になった状態で耳に温風を当てることで、前庭機能の状態を調べる。

【グリセロール検査】
点滴でグリセロールを体内に入れる。内リンパ液による水ぶくれの有無が分かる。


 

薬による「対症療法」が中心

根本的な原因が分からないことから、完治が難しいとされるメニエール病。
薬でメニエール発作に対処する、対症療法が主な治療法です。

《主な治療薬》

◼︎めまい止め・抗不安剤
初期のメニエール発作に用いることで、症状の軽減や発作予防できる可能性がある。

◼︎利尿剤
内耳の水ぶくれを軽くする。主に「イソソルビド」を使用。

◼︎ビタミン剤・循環改善薬
内耳の神経や神経細胞の活動を促し、循環を改善させる。

◼︎鎮吐薬
吐き気や嘔吐を鎮める。

◼︎鎮痛薬
発作時に使用する。

◼︎浸透圧利尿薬・副腎皮質ステロイド
めまいと難聴が合併した場合に使用する。

!ポイント!
薬の服用が難しいほど強い発作があらわれた場合は、安静にした上で、めまいを抑える点滴を行います。
 

難聴の進行度によっては手術も!

難聴の進行は、薬で抑えられないケースがあります。
そのため、聴力の悪化が著しい場合や、難聴の進行が速い場合は、手術を行うこともあります。ただし手術を行うのは患者の約10%と、それほど多くはありません。

薬や手術による治療も大切ですが、忘れてはいけないのが
「メニエール病にはストレスが大きく関わっている」ことです。

メニエール病の治療のためには、何がストレスの原因になっているのか生活習慣を見直し、改善することが必要です。
 

メニエール病の治療・予防に!生活習慣を見直そう

普段、何気なく行っていることが、もしかしたらメニエール発作を招く原因になっているかもしれません。食事や睡眠、運動など、どのような生活習慣が望まれるのか、みていきましょう!

朝は、1杯のコーヒーとチーズから?!

朝食を抜いてしまうと、脳のエネルギーが不足してイライラしがち。
ストレスを溜めず、仕事をするには朝食をしっかり食べましょう。

★おすすめの食材はチーズ!

チーズに多く含まれるビタミンB12は、治療薬に使われるくらいめまいや耳鳴りに効果的。和食の場合は納豆が良いでしょう。

また朝食につきもののコーヒーの香りには、心を落ち着かせる作用があります。飲み過ぎない範囲では問題ないので、ゆったり1杯を楽しみましょう。

★朝活ウォーキングもおすすめ
早起きできる場合は、20~40分ほどのウォーキングもおすすめ。前後に必ずストレッチを行いましょう。歩く時のコツは「一定のペースを保つ」「姿勢はあごを引き、背筋を伸ばす」です。
 

無理をしないことが大事!メニエール病と仕事の両立

メニエール病の場合、発作が治まっても、日常生活に戻るまで数日を要することがあります。
職場には必ず、病気の旨を伝えましょう。

また、メニエール気質の人は几帳面で、一度に多くのことをこなそうとする人が多いです。しかし、無理は禁物!ストレスを溜めこまない環境作りを心がけましょう。

★ポイント
◼︎塩分の取りすぎに注意!
仕事で疲れたときは、塩分が濃い食事を摂りたくなる人は多いです。
しかし塩分の摂り過ぎは、メニエール病の発作を引き起こす要因とされています。

◼︎水分の摂り過ぎもご用心!
汗をかいたときは水をがぶ飲みしたくなりますが、これも危険です。
水分の摂り過ぎは内耳の水ぶくれの悪化を招きます。

◼︎たばこで一服はNG!
たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮する作用があります。
これがめまいの原因になるので、減煙・禁煙に努めましょう。
 

夕食から睡眠まで3時間以上の間隔を空けましょう

メニエール病の治療・予防には、質の良い睡眠が欠かせません。
そのためには、夕食を就寝の3時間前には済ませておきましょう。

深夜の食事は消化活動のために脳を興奮させ、睡眠を妨げます。アルコールは、たしなむ程度でしたら問題ありません。ただし、寝酒は不眠を招くのでNGです。

不眠症状が続くときは、必ず医師に相談してください。


 

メニエール発作が起こったときの対処法は?

生活改善を行ってもメニエール病の発作が完全になくなるとは限りません。
発作が起こった場合は、以下の点に注意して対処しましょう。

●慌てて救急車を呼ばず、まずは休める場所へ移動する
●静かで暗い場所で、目を閉じて横になる
●発作時に服用する薬を飲む

 

さいごに

芸能人の告白によって認知度が高まってきている「メニエール病」について、お分かり頂けたでしょうか?

メニエール病は早期発見と、専門医師による治療で完治するケースがあります。
その一方で治療が遅れたり、自己判断で治療をやめてしまうと、慢性化を招くおそれがあります。

放っておいても良くなることはありません。
1人で戦わず、必ず医師に相談しましょう。

(imageby Photo AC)
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