飛行機に乗ったときに耳がキーンとなる症状を体験したことがある人も多いのではないでしょうか。それは「航空性中耳炎」です。
多くの場合一時的な違和感を感じるのみで、離発着後にしばらくすると治ります。
しかし、人によっては耳鳴りやめまいなどの重い症状を引き起こすことがあります。

航空性中耳炎の予防法や対策を知って、旅行や出張へ向かう機内をを心地よく過ごしましょう!
この記事では航空性中耳炎の原因や対処法、予防法までまとめて解説します!

航空性中耳炎の症状

航空性中耳炎とは急性中耳炎の一種で、飛行機の機内で気圧の変化により起こる症状です。
航空性中耳炎の主な症状は、以下の通りです。

〔軽い症状〕
■耳の詰まり
■耳がキーンと痛む

〔重い症状〕
■耳鳴り
■めまい
■耳が刺されるような激痛

多くの場合は軽い症状が数分間続くものの、唾を飲み込んだり、耳抜きをすることで一時的な症状であり長く続くことはありません。

航空性中耳炎を発症する原因

鼓膜の内側にある中耳にはもともと少量の空気が入っており、耳管によって鼻の奥の上咽頭部とつながっています。
耳管は通常閉じているのですが、あくびをした時や唾を飲み込んだ時に一時的に開きます。この時に空気が通ることで外部の気圧と内側の気圧を保ちます。

機内では離着陸時に急激な気圧の変化が起こるため、耳管が開けず閉じたままになってしまい、鼓膜の内側と外側の気圧に差が生じてしまい、耳の痛みや詰まりを引き起こします。

飛行機内の環境の特性を知りましょう

普段私たちが生活している環境と飛行機内の環境には違いがあります。飛行機内の環境の特性をあらかじめ知っておくと安心ですね。

■機内の気圧は地上より低い
地上の気圧は通常約1気圧とされていますが、飛行機内の気圧は与圧装置により0.7~0・8気圧になっています。これは標高2000~2500mに登山しているときと同じような状態です。
離陸・着陸前後の約30分間はさらに急激な気圧の変化を生じます。主に離陸・着陸時に航空性中耳炎の症状が出るのは気圧の変化が関係しています。

■湿気が少なく乾燥しやすい
機内温度は22℃~26℃に調整されており、外気から取り入れる湿度は極めて低く、長時間の飛行になると湿度が20%前後にまで低下することがあります。乾燥しやすい環境から、のどや鼻に痛みを感じることがあります。のどや鼻は耳とつながっているため、のどや鼻に痛みがあると航空性中耳炎の症状の悪化を招く恐れがあります。

■機内は地上に比べて低酸素状態である
気圧の低下によって機内の空気中の酸素濃度も地上の酸素濃度の70%~80%まで低下します。
呼吸器疾患や重い貧血のある方は注意が必要です。健康な人でもまれに頭痛や違和感を感じることがあり、航空性中耳炎を併発した際にめまいや吐き気の症状が強くなることがあります。

航空性中耳炎になりやすい人の特徴

実は航空性中耳炎になりやすい人、重い症状を発症しやすい人には特徴があります。
自身に当てはまるものはないか、確認してみましょう。

感染症やアレルギー疾患をもっている人

副鼻腔炎や花粉症など、のどや鼻に感染症やアレルギー症状を持つ人は耳管機能に問題があることが多いです。のどや鼻に痛みや詰まりがあると、のどや鼻とつながっている耳にも症状が出やすくなります。

風邪をひいて鼻や喉に炎症がある人

風邪をひくとのどの痛みや、鼻づまりなどの炎症を起こしていると航空性中耳炎を起こしやすくなります。鼻やのどにつながる耳にも炎症がでやすくなり、鼻が詰まった状態では飛行機での離陸・着陸時に耳抜きをしづらく、航空性中耳炎を発症しやすくなります。

耳管での気圧の調整が苦手な人

元々の耳管のつくりが小さかったり、耳抜きがしにくい、または耳抜きが苦手な人も航空性中耳炎になりやすいです。子どもは耳抜きをするのが苦手と言われており、離陸・着陸時に子どもが泣いてしまったりするのは耳抜きがうまくできず航空性中耳炎になってしまっている可能性があります。

航空性中耳炎の予防

航空性中耳炎にならないためには、どんな予防法があるのでしょうか。機内で航空性中耳炎を発症してしまった時の対処法も、確認しておきましょう。

のど、鼻、耳の炎症を治療しておく

風邪や副鼻腔炎、花粉症や外耳炎などの症状がある場合には飛行機に乗る前に病院に行って治療を行っておくとよいでしょう。完治が難しい場合でも、のどの痛みを抑えたり、鼻詰まりを緩和するような一時的に症状を抑える薬を服用しておくことも予防につながります。
医師や薬剤師に相談して、適切な治療をしておくことで航空性中耳炎の予防・症状緩和につながります。

離陸・着陸時の前後約30分にあくびを繰り返す


離陸・着陸の急激な気圧変化の前にあくびや口を大きく開ける作業を繰り返したり、つばをのみこむ作業を繰り返してみましょう。航空性中耳炎の発生を抑えてくれる上、もし発症した際もこれらの行動を繰り返すことによってすぐに痛みや違和感を解消することができます。

離陸・着陸の前後に耳栓をしておく

あらかじめ耳栓をしておくことで気圧の変化をダイレクトに感じることがなく、機内の騒音もカットすることで耳の疲労感も減少してくれ、航空性中耳炎の発生を防ぐことができます。

航空性中耳炎が起こったときの対処法

機内で航空性中耳炎になってしまった時の対処法を知っておくと、いざ発症した時に焦らず対応することができます。予防法と重なる部分もあります。あわせて確認しておきましょう。

耳に違和感を感じたらあくび等を繰り返す

症状が出てしまった後でもあくびや口を大きく開ける作業を繰り返したり、つばをのみこむ作業、耳抜きは効果的です。軽い症状であれば何度か繰り返すうちに症状がなくなる場合が多いです。

飴やガムを口にする、または水分をとる

飴をなめたり、ガムを噛むことで唾液を飲み込むときに耳抜きがしやすくなり、耳のつまりが消えることがあります。離陸・着陸前後でもこまめに水分を飲んでおくと良いですね。

軽く鼻をつまんで耳抜きをする

鼻を無理のない程度に軽くつまんで、口を閉じて耳抜きをしてみましょう。苦しかったり、辛い場合は無理をせず、あくびやつばを飲み込む作業を繰り返しましょう。

おわりに

航空性中耳炎は、離陸・着陸時の小さな行動で防ぐことができる症状です。簡単に実践できるものばかりですので、飛行機に乗る際は実践してみてくださいね。
あまりにも強い痛みを感じたり、重い症状を何度も繰り返しているような場合は一人で悩まずに、病院に行きましょう。
機内を快適に過ごすために、小さなことから予防を始めていきましょう。