朝起きたら、いきなりめまいに襲われた
立ち上がったとたんに急に強いめまいがした
静かに座っていたのに急に周りの風景がぐるぐると回り出した
激しいめまいで吐き気までもよおす

これらの症状から思い浮かぶ病気といえば・・・

「メニエール病」が挙げられるのではないでしょうか。

確かにメニエール病の特徴的な症状は、突然起こる回転性のめまい、そして耳鳴りや難聴です。

ところがメニエール病でもめまいがなく、おもな症状が耳鳴りなど聴覚障害だけというものがあるのです。

それが「蝸牛型メニエール病」。

蝸牛型メニエール病は、20代~40代の比較的若い女性に多く発症する病気です。
急に耳鳴りがしたり、聞こえにくくなるといった症状があらわれることから、初期段階では、突発性難聴との識別が難しいとされています。

今回は蝸牛型メニエール病の症状の特徴と突発性難聴の違いを詳しく解説します。
早期の治療で、悪化や再発を防ぎましょう。
 

めまいがない、耳鳴りだけのメニエール病が「蝸牛型メニエール病」

メニエール病とは、内耳のリンパ液が増え、浮腫んだ状態になることで、めまいや難聴などの症状が引き起こされる病気です。

根本的な原因はまだわかっていませんが、疲れやストレス、睡眠不足などが発症の引き金になっているといわれています。

 

蝸牛型メニエール病の耳鳴り症状が、めまいを伴わない理由



リンパ液が溜まる場所である内耳は、前庭(三半規管や耳石器など)と蝸牛によって構成されています。
それぞれの役割は以下の通りです。

前庭・・平衡感覚をつかさどる
蝸牛・・聴覚をつかさどる

そしてメニエール病の症状は、前庭と蝸牛のどちらか、あるいは両方がどれくらい浮腫むかによって変わってきます。

もし蝸牛部分だけにリンパ液が溜まり浮腫んだ状態なら、平衡感覚は影響を受けません。
めまいがなく、聴覚だけが悪くなる「蝸牛型メニエール病」は、これに当てはまります。

浮腫みが弱ければ何となく耳が詰まったように感じる程度ですが、ひどく浮腫むとザーザーと耳鳴りがしたり、耳の閉塞感も強くなります。

もしも発作を繰り返すうちに前庭にも浮腫みが生じてくれば、症状にめまいも加わり、一般的なメニエール病に移行。

このことから蝸牛型メニエール病は、本格的なメニエール病の前段階という見方もあります。
 

蝸牛型メニエール病と突発性難聴の違いは「経過」に注目

蝸牛型メニエール病と突発性難聴は、どちらもある日突然、聴覚に異常が出るため、初期で見分けることは困難とされています。
また症状を引き起こすきっかけに「ストレス」が深く関わっているところも似ています。

では、どこで見分ければいいのでしょうか?
それぞれの症状と特徴を比べてみましょう。

突発性難聴の特徴

  • ある瞬間からはっきりとした突然の難聴
  • 片方の耳だけに障害が起こる(両耳が一緒に突然難聴になることはほとんどない)
  • 軽い回転性のめまいや吐き気をもよおすことがある
  • 一度しか発症しない、完治後に再発はない(ただし、聴力が戻らないケースがある)

蝸牛型メニエール病の特徴

  • おもな症状は難聴・耳鳴り・閉塞感
  • 難聴では、男性の声など低い音から聞き取りにくくなることが多い
  • 耳鳴りは、初期にはザーと低い音が聞こえてくることが多く、次第に中音域や高音域まで聞き取りにくくなっていく
  • 疲れているときや、ストレスがたまっているときに発作が起こりやすい
  • 発作を繰り返すうちに症状が徐々に悪化していく

 

以上のことから、一度完治したら繰り返さないのが突発性難聴で、疲労やストレスがたまったときに悪化したり、発作を繰り返すうちに少しずつ悪化する進行性の病気が蝸牛型メニエール病といえます。

蝸牛型メニエール病の進行の度合には個人差があり、急にひどくなる場合もありますので油断は禁物です。
 

難聴を放置しない!蝸牛型メニエール病は早期治療が重要です

蝸牛型メニエール病は進行性の病気。
発作を繰り返すうちに難聴が悪化していきますので、早期治療が何よりも重要です。

ちなみに突発性難聴も早期治療がカギ。
聴覚に異常が出てから48時間以内に適切な治療を始めれば、治癒率が高いという統計があり、発症後1ヶ月経ってからの治療では聴力の改善は困難とされています。

つまり、蝸牛型メニエール病・突発性難聴のいずれにしても、聞え方がいつもの違う、何となく耳が詰まったような気がする、雑音がするなど、聴覚に異常を感じたら、すぐに耳鼻科で診察・検査を受けてください。

蝸牛型メニエール病の治療薬と治療法について

  • イソバイド等のイソソルビド薬(利尿剤)
    聴覚障害を引き起こす原因である内耳の浮腫みを改善します。
  • 内耳の血液循環改善薬
  • 精神安定剤
    発症や症状の悪化に過度のストレスが関係している場合に使用します。

蝸牛型メニエール病は、メニエール病と同じく耳鼻科で診察・治療を受けます。
対症療法として薬物治療をおこないますが、発症の原因に睡眠不足、疲労など、肉体的・精神的ストレスが関わっているため、生活習慣の改善やストレスケアにも配慮することが重要です。

 

頑張り過ぎない生活を心がけましょう

最近は仕事上の悩みや対人関係、経済的な不安など、一人では解決できない悩みによってメニエール病を発症・悪化させるケースが増えています。

医師による的確な診断のもと、場合によっては専門的なカウンセラーによる心のケアを受けるなど、ひとりで悩みを抱えない、頑張り過ぎない生活を心がけてください。

(image by photo-ac)
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