はじめに

蓄膿症(副鼻腔炎)には、風邪の後の細菌感染が主な原因の急性蓄膿症と、蓄膿症の症状が2~3か月以上続いている慢性蓄膿症があります。

治療方法はいくつかありますが、慢性蓄膿症の方が完治までの時間は長く、時に手術が必要になることもあります。

今回は、それぞれ、どのような治療方法があるのかを見ていきましょう。

急性蓄膿症の治療方法とは?

大きく分けて下記の3つの方法があります。

1、膿を吸って鼻の中をきれいにする

 そもそもの原因である鼻の中にたまった膿を吸い出して、抗生物質などの薬を投与する方法です。
 吸い出し方によって、更に3通りが存在しています。

 A.上顎洞穿刺洗浄法
 副鼻腔のひとつである上顎洞に針を刺して洗浄する方法から、この名前が付けられています。

 膿を吸引した後、内部を水でよく洗い、抗菌薬を含んだ液を上顎洞に噴霧する方法です。
 局所に麻酔薬を塗って行いますが、針を刺すときには少し痛みを感じることもあるようです。

 B.プレッツ置換法
 圧力差を利用した吸引器具を使う方法です。

 頭を後ろにそらした状態で、生理食塩水などを片側の鼻に注入し、もう片方の鼻の穴を密封しつつ、
 吸引器具を使って鼻の中の空気を出しながら膿を吸引する方法です。
 上顎洞穿刺洗浄法よりも患者さんの負担が少なくて済む方法のようです。

 C.ヤミック療法
 プレッツ置換法の応用版でカテーテルを利用した方法です。

 副鼻腔炎治療用カテーテルを片側の鼻に挿入して、もう一方の鼻を密閉します。
 カテーテルを用いて陰圧を加え、密閉した側から膿を吸引し、副鼻腔に薬を注入する方法です。

 元々ロシアで開発された器具で、輸入できなくなって中止されていましたが、国内メーカーが改良版を開発したことから、
 日本でもこの方法を行っている病院が再度現れ始めているようです。

2、薬による治療

 1週間前後、抗生物質や炎症を抑える薬などを服用することで、症状を回復させる方法です。

3、ネブライザー療法

ネブライザー(吸入器)を使って、炎症部に薬を直接投与する方法です。

抗生物質などの薬を細かい粒子にして、ネブライザーを使い、蒸気を鼻から吸うことによって、薬剤が副鼻腔まで届きやすくなるようにします。

使用する薬の量が少量で済み、また、飲むのではなく、患部へ直接薬を投与することから、全身への薬の影響も少なく済む利点があります。

慢性蓄膿症の治療方法とは?

大きく4つの方法があります。

1、急性蓄膿症の時に行う上記の治療方法

 まずは、膿の吸引や薬など、急性蓄膿症の治療と同じ治療を行って、改善がみられないかどうかを探ることも多いようです。

2、マクロライド系抗生剤少量長期療法

 マクロライド系という抗生物質の一種を少量、数ヶ月間服用する治療法です。

 この系統の抗生物質に、鼻や耳、気管支などの炎症をやわらげたり、鼻汁や痰を掃除したり出にくくする作用があるとされ、
 抗生物質として利用するよりも少ない量を一定期間服用することによって、効果が見込まれることが明らかになってきています。

 抗生物質を長期間服用することには抵抗があるかもしれませんが、その点についての研究もなされており、
 少量であることもあって、安全性は高いとされています。

3、手術による治療

 それでも回復しない場合や、鼻の中にポリープがあって、副鼻腔と鼻腔の流れが悪い場合などには、
 副鼻腔と鼻腔の通路を広げて、空気や分泌物の出入りを良くする手術が行われることもあります。

 とはいえ、近年は内視鏡を使った、負担が少なく、入院期間もごく短い手術が主流になっています。

 参考記事:蓄膿症の手術は以前よりも大きく変わっている?日帰りや数日の入院で済むことも。蓄膿症の手術法、費用について

4、漢方薬を使う

 西洋薬には抵抗がある、どうしても副作用が気になる方には、蓄膿症に効果があるとされる漢方薬もあります。
 具体的には、「辛夷清肺湯」と「葛根湯加川きゅう辛夷」という2種類の漢方です。

 詳しい紹介や使い方が書かれた記事がありますので、気になった方は下記をご覧ください。
 参考記事:蓄膿症や慢性副鼻腔炎の症状に効く漢方薬 2選!!漢方の効果を高める飲み方や生活の注意点もまとめてご紹介

おわりに

蓄膿症の治療は、見てきたようにいくつもの方法があり、また、マクロライド療法は近年普及してきたように、その方法も進化してきています。

蓄膿症の症状に悩まれている方は、まずは病院に相談してみてはいかがでしょうか。

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