はじめに 

蓄膿症(ちくのうしょう)はよく耳にする病名ですが、初期は風邪のような鼻水、鼻づまりから始まります。
長引く鼻症状を放置したことで悪化し、鼻の不快感が増した頃に「これってもしかして蓄膿症?…」と慌てることが多くあります。

蓄膿症は、鼻の副鼻腔(ふくびくう)に炎症が起きる「急性副鼻腔炎」が慢性化したもので、治療期間が長引き、日常生活にも支障をもたらすことが多いため、急性のうちに対処しておくことが大切です。
急性副鼻腔炎と蓄膿症の症状を知っておきましょう。

 

副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは?

副鼻腔は、鼻の周りにある大小合計8個の空洞です。

■前頭洞(ぜんとうどう)=額の左右
■蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)=両目に間の鼻の奥
■篩骨洞(しこつどう)=目の間
■上顎洞(じょうがくどう)=ほおの左右

このような空洞が左右にそれぞれ4個ずつあります。副鼻腔は本来空洞ですが、このどこかしらの部分に細菌が入って炎症を起こしたものが「急性副鼻腔炎」です。
主な細菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌などがあげられます。

 

蓄膿症になる前の急性副鼻腔炎の対処が大切

急性副鼻腔炎の症状

・鼻水、鼻づまり
・鼻水は黄色か緑色になり粘り気が増す
・顔面痛(頬や目の下など)
・頭痛
・歯痛
・耳の閉塞感

このような風邪とは違う症状が現れはじめ、軽度から重度までありますが、副鼻腔は目や脳が近くにあるため、まれに髄膜炎や視神経炎など、脳や目などに合併症を引き起こす可能性もあります。

症状が3ヶ月以上続くと「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」と診断されます。

 

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の症状は

急性副鼻腔炎のときに治さないと、膿がたまって「蓄膿症」になり、急性の時よりも悪化した症状が現れます。

  • ドロっとした黄緑色の鼻汁
  • いつも鼻が詰まって息苦しい
  • 鼻をかんでもかみきれない
  • 口呼吸のため、いびき、のどの痛み、咳
  • 鼻汁がのどに流れる、吐き気
  • 鼻や口から嫌な臭いがする
  • 鼻がむくんで痛みがある
  • 頬、目の周り、歯が痛い
  • 頭痛が長く続く
  • 味覚、臭覚障害
     

日常生活、仕事にも支障が起きる

  • 眠れない
  • ぼーっとする
  • 集中力、記憶力の低下
  • 意欲減退
  • うまく声がでない、しゃべりにくい


上記のようなことが起こり、子どもは学力低下、大人は家事や仕事に支障をきたし、完治には長期間かかることが多いため、急性副鼻腔炎の時の対処法が大切です。

 

風邪と副鼻腔炎(蓄膿症)を見分けるポイントは?

主なかぜ症状である、鼻水の状態、くしゃみ、発熱を目安にしましょう。

  風邪 蓄膿症(副鼻腔炎)
鼻水の状態 白っぽく粘り気がある ドロっとした黄緑色が長引く
くしゃみ ×
発熱 ×


風邪などで鼻水や鼻づまりがあり、風邪が治った後、1~2週間経っても鼻の症状だけが治らない場合は、副鼻腔炎を起こしている可能性があります。その後鼻水が黄緑色になり、口や鼻に嫌な臭いがしたら、蓄膿症になっている可能性が高いといえます。

 

さいごに ~蓄膿症の自然治癒は難しい~

蓄膿症になると自然治癒は難しく、放置すると手術になることもあります。またその他の合併症を引き起こすこともあります。
まずは症状をしっかりを認識しておき、少しでも当てはまる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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