インフルエンザは、急激な38〜40℃の発熱とともに、関節痛や筋肉痛などの全身症状が出るのが特徴です。

なぜインフルエンザでは関節痛や筋肉痛が起こるのでしょうか。

関節痛や筋肉痛の原因はインフルエンザウイルスにあると考えてしまいがちですが、実は別の理由があるのです。

この記事では、インフルエンザによる関節痛や筋肉痛の原因や、痛みがいつまで続くのか、痛みを和らげる方法について解説します!

インフルエンザで関節痛や筋肉痛になる原因は?

インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、ウイルスを食べてやっつける免疫細胞が活発に働きます。免疫細胞が活発に働くとサイトカインという物質が作られます。

サイトカインの過剰な分泌をおさえるために、一緒に生成されるのがプロスタグランジンです。このプロスタグランジンが、全身に痛みを感じさせる原因となっていると考えられています

プロスタグランジンによる関節痛や筋肉痛などの体の痛みは、身体がインフルエンザウイルスと戦っている証拠といえます。

痛みを出すプロスタグランジンの主な働き

◼︎熱に弱いウイルスをやっつけるために発熱させる

発熱することでリンパ球を活性化させてウイルスの増殖を防いだり、免疫反応を高めたりしています。

◼︎サイトカインの過剰な分泌をおさえる

サイトカインは脳にウイルスの侵入を伝える大切な役割がありますが、過剰に出過ぎると臓器不全などを起こす場合があります。

関節痛や筋肉痛はいつまで続く?

インフルエンザの症状の出方には個人差がありますが、発症から3〜5日程経つと熱も下がり快方に向かいはじめ、7〜10日程度で完治するといわれています。

関節痛や筋肉痛は発熱と関係があるため、熱が引いてくると痛みも落ち着いてきます。

なお、発症後48時間以内にタミフル・イナビル・リレンザなどの抗インフルエンザ薬を使った場合は、1~2日ほど治りが早くなる傾向にあります。

関節痛や筋肉痛が治らないのはなぜ?

子供や高齢者、免疫力が低下している方は、インフルエンザが長引き関節痛などの痛みがしばらく続く場合があります。

熱が下がったからといって普通の生活に戻すと、熱や関節痛などがぶり返してしまうおそれがあります。

なお、熱などのインフルエンザ症状が治まっても関節痛や筋肉痛だけが長く続く場合、インフルエンザ以外の病気が原因となっている場合があります。

熱が下がってから1週間以上も関節痛や筋肉痛が続く場合は、早めに病院を受診しましょう。

関節痛や筋肉痛を和らげる方法

インフルエンザの関節痛や筋肉痛を和らげる2つのポイントを紹介します。

冷やす

インフルエンザによる痛みは炎症が原因です。体の痛む部分を冷やすことによって血管の拡張を抑え、痛みを緩和することができます。

冷却剤やアイスノンをタオルに巻いてじわじわ冷やすとよいでしょう。

解熱鎮痛剤を使う

インフルエンザによる頭痛や関節痛・筋肉痛を引き起こす原因は、インフルエンザウイルスではなくプロスタグランジンなので、プロスタグランジンの生成をおさえる働きがある解熱鎮痛剤が効果を示すことがあります。

ただし、解熱鎮痛剤の中にはインフルエンザのときに使用すると危険なものがあるので、市販の解熱鎮痛剤や手元にある薬をむやみに使用せず、医師に処方された薬を使用しましょう。

■解熱鎮痛剤の使用には注意が必要!

ジクロフェナクナトリウム・メフェナム酸が入っている解熱鎮痛剤は、インフルエンザ脳症の症状に関わる場合があります。そのため、けいれんや意識障害などインフルエンザ脳症が疑われる場合には使用することができません。メフェナム酸はインフルエンザ脳症の疑いがない場合でも、インフルエンザで発熱している小児に対して原則として使用できないことになっています。

アセチルサリチル酸やサリチルアミドは、インフルエンザを発症している15歳未満の小児には原則使用しません。

■インフルエンザに使える解熱鎮痛剤は?

土日祝日や夜間など病院に行けない場合に急場をしのぐときは、安全性が高いといわれている成分であるアセトアミノフェンの鎮痛剤を使用しましょう。

成人の場合のみ、イブプロフェンを使用することも可能です。

解熱鎮痛剤としてよく使われているロキソプロフェンは、医療の現場ではインフルエンザの際の使用の可否について意見が分かれているのが現状です。

おわりに

インフルエンザでの発熱や関節痛、筋肉痛は体の免疫機能が働いておこるものです。インフルエンザは安静にしていれば治る病気ですが、体の痛みはつらいもの。

インフルエンザが悪化しないようにかかりつけの医師の指示にしたがって正しい判断を仰いでください。