インフルエンザの種類と特徴:風邪との違いから予防法まで

インフルエンザは種類によって特徴もさまざま!種類の違いによって症状や対処法も異なるので、インフルエンザを正しく知ることが大切。症状・風邪との違いから予防法まで、インフルエンザの基礎知識を解説します!

毎年1000万人が感染!インフルエンザの脅威

毎年必ず決まったように流行するインフルエンザは、通常多くは冬に流行のピークを迎えます。2015年は9月中旬から集団感染が起こり、東京、神奈川をはじめ、北海道、長野、千葉、大阪、愛媛、沖縄で学級閉鎖の措置がとられました。

その後は、感染拡大は見られず、例年より遅く2016年に入ってからピークを迎えると予想されています。

 

毎年、インフルエンザの流行は避けられないものになっていますが、風邪との見分け方や、正しい対処法などはあまり知られていないようです。

 

インフルエンザになると、風邪とは別格の重い症状になり、とてもつらい時間を過ごすことになります。重症化や死亡することもあるため、改めてインフルエンザの特徴から対処法までを知っておきましょう。

 

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インフルエンザが毎年流行する理由はウイルスの変異

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる気道感染症です。

インフルエンザウイルスは、低温で乾燥した環境を好むため、特に冬の乾燥した鼻やのどの粘膜に付いて増殖します。

ウイルスの大きさは、直径約1万分の1mmで、1個のウイルスが感染して増殖すると、8時間後に約100個、1日で100万個になるといわれる増殖力の強いウイルスです。

 

インフルエンザは国が監視する重要感染症の1つで、毎シーズン日本の人口の5~10%に当たる、約1千万人が感染しています。

 

インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3つの型があります。

中でも、人に感染して流行を起こすのはA型とB型です。

A型インフルエンザウイルス

A型は、亜型(あがた)という組み合わせにより、144種類もに分けられます。

そのうち主に流行しているのは、H3N2(A香港型)とA型(H1N1)pdm09の2種類です。これらはさらに毎年のように小さな変異をし、大流行を起こすことがあります。

B型インフルエンザウイルス

B型は、山形系統とビクトリア系統の2種類ですが、その中でさらに細かい型に分かれます。B型も小さな変異を起こしますが、大きな変異や、突然変異はないとされています。ただし近年は、流行のスパンが短くなり、A型と共に流行の中心といえるものです。

C型インフルエンザウイルス

C型についてはほとんどが幼児の頃に感染し、免疫獲得後は再感染することはほぼなく、大きな流行もほとんど見られません。

インフルエンザウイルスの種類で流行時期が変わる

インフルエンザウイルスは、低温で乾燥した環境を好むため、冬はのどや鼻の粘膜が弱ることで感染しやすくなります。

 

例年インフルエンザの流行時期は、11月下旬~12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃ピークを迎え、4~5月にかけて減少していきます。

 

通常はこのようなパターンですが、ウイルスの種類によっても流行する規模や時期は異なるため、冬以外にも通年を通して流行する可能性もあります。

季節性インフルエンザと新型インフルエンザの違い

インフルエンザは、A型・B型・C型の他に、季節性インフルエンザと新型」に分けられています。

 

季節性インフルエンザでは、A型、B型の抗原が小さく変異しながら、従来から周期的に人の間で流行するもので、ほとんどの人がすでに免疫を持っています。

 

一方新型インフルエンザは、ウイルスの小さな変異から、時に抗原性が大きく変異し、従来は人に感染することがなかった鳥や豚などのインフルエンザウイルスが、変異することによって人へ感染し、人から人へ感染するようになったものです。

 

およそ10年から40年の周期で発生し、ほとんどの人が免疫を持っていないため、世界的な流行(パンデミック)を起こすことがあます。

近年2009年にパンデミックを起こしたのもA型で、A型(H1N1)pdmが発生し、世界で約2万人が死亡しています。

新型も免疫を獲得し季節性へ

新型インフルエンザも流行が拡がり、多くの人が免疫を獲得するにつれ、新型インフルエンザも、季節的な流行を繰り返すようになっていきます。

2009年のA型(H1N1)pdmについても、2011年4月からは、季節性インフルエンザとして取り扱われることになりました。

 

このように、通常、人はウイルスや細菌などに感染すると抗体ができますが、インフルエンザウイルスは抗原が毎年のように変異するため、何度もインフルエンザにかかってしまうことがあります。

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、主に飛沫感染と接触感染です。

 

飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染です。約2メートル以内にいる人は感染する危険性が高いとされます。

接触感染とは、感染者が咳やくしゃみを手で押さえ、その手から物を介して他の人に感染します。ドアノブやつり革など、周りのものから手にウイルスが付き、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。

インフルエンザの潜伏期間

インフルエンザは一般的に、ウイルスに感染してから、1~3日の潜伏期の後に発症します。

潜伏期間は症状が現れていませんが、その間にもウイルスは増殖しています。そのため、熱など典型的な症状が出る前から、周りの人に感染させることがあります。

 

また、症状が無くなり治癒したと思った後も、数日間はウイルスが残っていることもあるため、回復後も家族や周りに二次感染させないための注意が必要です。

 

風邪との見分け方を知ろう

インフルエンザは、発症後すぐに高熱などの「全身症状〉が強く現れ、その後に「呼吸器症状〉が現れるのが特徴です。

インフルエンザの症状は急激型

インフルエンザの症状は、急激に進行することが特長です。

 

≪発症後すぐに全身症状≫

 

・38℃を超える高熱

・悪寒・寒気

・関節痛

・筋肉痛

・頭痛

・全身倦怠感

・食欲不振

 

≪やや遅れて呼吸器や消化器症状≫

 

・鼻水、くしゃみ

・のどの痛み

・咳、痰、呼吸困難

・吐き気・嘔吐

・下痢

 

これらの急激な症状から、合併症がない場合に限り、通常は発症後、1週間~10日以内に軽快します。

 

インフルエンザは急激で全身症状が強く、合併症を引き起こすこともあるため、普通の風邪なのかインフルエンザなのか見極めることが大切です。

インフルエンザとよく似ている風邪症状との違いも知っておきましょう。

インフルエンザのハイリスク群(特に気を付けるべき人)

インフルエンザは、全年齢にかかりますが、特に乳幼児と高齢者は重症化しやすいとされています。

患者数は学童期までの子どもが最も多く、年齢が高くなるほど発症率は低くなりますが、死亡率は、高齢者が著しく高くなっています。

以下のようなインフルエンザで重症化する「ハイリスク群」といわれる方は特に注意が必要です。

 

●65歳以上の高齢者

●基礎疾患を持つ方

・心臓疾患

・呼吸器疾患

・腎臓疾患

・糖尿病など

●乳幼児

●妊娠中の方

 

インフルエンザの合併症として、高齢者は、細菌性の肺炎を発症しやすくなり、死に至ることもあります。

 

また1~2歳の乳幼児はインフルエンザ脳症を発症しやすく、まひ、運動障害、知的障害など重い後遺症が残ったり、命に関わることもあります。

高熱や5~10分以上続くけいれん、呼吸困難、異常行動、意識障害などが見られたら夜間でも至急病院へ行って下さい。

 

通常インフルエンザは1週間前後で治癒しますが、免疫力が低下している人はかかりやすく、重症化しやすいため、年齢問わず十分な注意が必要です。

受診のポイント:インフルエンザのチェック方法

インフルエンザは特有の症状が急激に出るため、以下の症状が受診の目安です。

 

・急激な38度以上の高熱

・悪寒・寒気

・強い筋肉痛、関節痛

・咳や鼻水、のどの痛み

・身近に感染者がいる

 

インフルエンザの場合は、咳や鼻水が後から出る場合もあるため、まず全身症状があればインフルエンザを疑う必要があります。

もし身近に感染者がいる場合は、高い確率で感染していると思われます。

インフルエンザの迅速検出キット

インフルエンザの診断には、鼻や喉の粘液を綿棒で拭って採取するだけの「インフルエンザ抗原迅速検出キット」が使用されています。

子どもの場合、綿棒をいやがること多いので、鼻をかんだ鼻水で検査ができるキットもあります。

15分~30程度で診断できるようになり、A型、B型の判別も可能で、早期治療に成果をあげています。

 

インフルエンザウイルスは、増殖力が強いため急速に進行しますが、症状が出てから48時間(2日)以内に治療することが大切とされています。

早い段階で治療すれば回復も早いため、早めに病院を受診しましょう。

 

インフルエンザの治療法

インフルエンザの治療は、病院での対処と合わせて、セルフケアが大切です。

自宅でのケア

自宅では以下に注意しましょう。

 

・体力の低下を防ぐため、できるだけ安静に

・十分な睡眠と消化の良い食事で栄養を摂る

・室内の湿度を50~60%に保ち、乾燥させないようにする

・脱水症予防のために十分な水分補給を。お茶やジュース、スープなど好きなものをこまめに摂る

 

インフルエンザの症状は、間違った薬を使って症状を抑えようとすると、逆効果になることがあるため、薬の使用は医師の指示に従いましょう。

 

病院での治療

インフルエンザは「抗インフルエンザウイルス薬」による対処療法が主体です。

現在、日本で使用されている抗インフルエンザウイルス薬には、以下のような「点滴」「飲み薬」「吸入薬」があります。

 

■タミフル(飲み薬)…A型、B型に有効。小児にも使える

■リレンザ(吸入薬)…A型、B型に有効。

■イナビル(吸入薬)…A型、B型に有効。小児にも使える

■ラピアクタ(点滴)…A型、B型に有効。薬の服用が困難な方に有効

■シンメトレル(飲み薬)…A型のみ有効。

 

抗インフルエンザウイルス薬は、発症から48時間以内に服用を開始すれば、発熱期間が短縮され、ウイルスの排出量も減少するとされています。

ただし効果は、症状が出始めてからの時間や、病状により異なるため、薬の使用は医師の判断で行います。

 

インフルエンザかもしれないと思ったら、できるだけ早く病院で検査を受けることが大切です。

症状に合わせた薬の使用を

■高熱:冷却し場合により解熱剤を使用

■呼吸器症状:去痰薬(きょたんやく)、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬など

■消化器症状:整腸薬や止痢薬

■細菌性肺炎など:抗生剤

 

これらの対処療法も、医師の指示に従いましょう。特に子どもの解熱剤については、保管してある「熱さましの座薬」などは、インフルエンザでは使用を避けるべきものもあります。

薬は自己判断でむやみに使わないようにしましょう。

受診後の注意点

インフルエンザの治療は、基本は対処療法になりますが、症状が無くなってもウイルスが体内に残っている場合があります。

薬は途中でやめず、医師の指示通り、最後までしっかり治療しましょう。

 

また、以下の症状がみられたら、重症化の可能性があるため、早めに再受診するようにしましょう。

 

・4日以上高熱が下がらない

・咳がひどく喘息症状が出ている

・水分が摂れず脱水症を起こしている

・けいれんや意識障害がある

 

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インフルエンザの予防法

インフルエンザワクチンは11月中までには摂取を

インフルエンザの最も効果的な予防法は、予防接種です。

インフルエンザワクチンは、重症化と感染拡大の予防する効果があります。

特に高齢者や慢性疾患の病気を持つ人は、重症化や死亡を防ぐためにも、医師と相談し、早めの接種しましょう。

乳幼児や小児については、接種すべきワクチンが多数ある為、かかりつけ医とスケジュールの確認をし、しっかり接種しておくことが大切です。

 

インフルエンザワクチンは、これまで3価ワクチンでしたが、2015年から、A型2種類に加え、B型も2種類加えた「4価ワクチン」となります。

ワクチンについての詳細は関連記事を御覧ください。

2015-2016シーズン。インフルエンザ予防接種は新しいワクチンに移行。日に日に気候が冬へと近づく中、健康面で気になる問題といえば、毎年やって来る「インフルエンザ」!

急激な発熱にダルくなる筋肉と食欲不振・・昨年の辛さを思い出す人も少なくないでしょう。



あの地獄のような日々を繰り返したくない!

そのためには、インフルエンザの予防接種

 

 

インフルエンザウイルスから身を守る5つのポイント

インフルエンザは毎年必ず流行します。かからないために、シーズン中は特に以下を実践しましょう。

人ごみを避け、外出時にはマスクを

流行時期の人ごみは、ウイルスであふれているようなものです。なるべく不要不急の時は人ごみを避けるようにしましょう。外出時には感染者からの飛沫を吸い込まないためにマスクをし、使い終わったらすぐに捨てましょう。

手やのどのウイルスを落とす

ウイルスは手にもたくさんついています。手洗いは石けんを使い、流水で1分以上しないと効果がありません。指や爪の間、手首の上まで、しっかり洗いましょう。

洗った後は、布タオルより、使い捨てのペーパータオルで拭くのがオススメです。

うがいもしっかり行いましょう。

部屋を乾燥させない

ウイルスは乾燥していると活性化するため、加湿器などを利用して、湿度を50~60%に保ちましょう。換気もして室内をクリーンな空気にしておきましょう。

免疫力を落とさない

インフルエンザをはじめ、冬季はその他の感染症も「重複感染」することがよく見られます。過労に注意し、十分な睡眠とバランスのよい食事で免疫力を高めておくことを心がけましょう。

咳エチケットを守る

咳やくしゃみが出る時は、必ずマスクを着用しましょう。もし持っていない場合は、

顔を背けてティッシュなどで口と鼻を押さえ、人から1m以上離れることがマナーです。鼻水や痰などを含んだティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てましょう。

 

インフルエンザの出席停止について

まず医師により、インフルエンザと診断された場合は、速やかに学校・園へ連絡してください。インフルエンザは学校保健安全法の「第2種感染症」により、出席停止期間が定められている感染症です。

 

〈出席停止期間〉

登校・登園は定められた出席停止期間を守り、その後は個人によって病状が異なる為、医師の指示に従いましょう。

 

●小学校・中学校

発症後5日を経過、かつ、解熱後2日を経過するまで出席停止とされています。

 

●保育園

発症後5日を経過、かつ、解熱後3日を経過するまで出席停止とされています。

 

●勤務先

出勤停止については、法律で定められていませんが、各会社によって規定がある場合もあります。社会人もかかったら会社に連絡し、最低5日間は出勤停止の必要があるでしょう。職場の人にうつす可能性もあるため、マナーとしてもしっかり自宅療養することが大切です。

 

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さいごに

インフルエンザは、最も知られている感染症ですが、今だに初期対応の遅れから、重症化するケースが多く見られます。

早ければ秋から春先まで長いスパンで流行が続くため、症状の出方や対処法など、インフルエンザを正しく知って、自分と家族を守りましょう。

 

 

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