秋から冬にかけて大流行するインフルエンザ。

リレンザは、インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬の一つです。

 

インフルエンザにかかってしまった!インフルエンザを予防したい!

子どもから大人まで安心してリレンザを使えるように、この記事ではリレンザの効果・使い方・予防投与・副作用をわかりやすく解説。

また、気になる抗インフルエンザ薬と異常行動の関係もご紹介します。

A型・B型インフルエンザウイルスに効果があるリレンザ!

リレンザはインフルエンザウイルス感染症の治療、または予防の目的で使われる抗インフルエンザウイルス薬です。

 

リレンザという呼び名は商品名で、正式名称は「ザナミビル水和物」といいます。

飲み薬ではなく、専用の吸入器を用いて吸入投与する吸入薬です。

 

リレンザが効果を発揮するウイルスは2種類です。

・A型インフルエンザウイルス

・B型インフルエンザウイルス

治療にリレンザを使った時の用法・用量・服用期間

リレンザは、小児~大人まで治療に使用することが出来ます。

 

通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスター×2)を、1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入します。

 

低出生体重児、新生児、乳児又は 4 歳以下の幼児に対しては安全性が確立していないため通常処方・使用されることはありません。

 

「ブリスター」という単位については次の項で説明していきます。

リレンザの正しい吸入方法

リレンザは、薬自体は白色の粉末です。

この粉末は円盤状のアルミシートに包装されたディスクの中に入っています。

 

ディスクにはブリスターと呼ばれる4つの凸部分があり、その中に粉末が収められています。1つのブリスターの中には5mgの粉末が入っています。

 

リレンザの吸入器での使い方は下記の通りです。

1.リレンザの吸入準備・吸入器への薬の装備方法

(1)吸入器のシール面を上にして青いカバーを外します。

(2)白いトレーがあるのでそれを引き出します。側面にあるギザギザのクリップを両側から親指と人差し指でつまみながらトレーを本体から取り外します。

(3)白いトレーに薬を乗せます。ディスクの凸部分をトレーの4つの穴に収まるように乗せてください。

(4)白いトレーを本体に戻します。本体が「カチッ」という音がするまで押し戻してください。

2.リレンザの吸入方法

(1)ディスクを装着した専用の吸入器を用意します。

(2)リレンザを使うにはディスクに穴をあける必要があります。吸入器を寝かした状態で、ふたの部分を垂直になるまで押し上げます。この作業により、ブリスターに穴が開き、薬を吸入出来る状態になります。

 

(3)穴が開いたら再びふたの部分を閉じます。

 

(4)薬がこぼれないように吸入器を水平に持ち、無理をしない程度に息を吐き出したら、薬を吸い込んで息をこらえます。

吸入口をくわえたら、早く深く吸い込んでください。この時に側面にある空気孔を塞がないように注意が必要です。

 

(5)吸い込めたら吸入器を口から外し、そのまま無理をしない程度に2~3秒息をとめます。

 

(6)リレンザは一度の投与で2ブリスター(計10mg)を使います。1ブリスター分、吸引が出来たらもう一度(2)~(5)の工程を行います。2ブリスター分、吸引が出来たらこれで完了です。

リレンザ5mgの薬価

リレンザ5mg、つまり1ブリスター分の薬価は173.50円です。

 

リレンザの用量と使用期間に照らし合わせると、

1回2ブリスター×1日2回×5日間=3,470円

上記が一般的に一度の購入の際にかかる薬の値段になります。保険適用を受ける場合、この3割負担になります。

 

リレンザは処方薬なので、購入には医師の処方箋が必要です。また、保険薬局では薬の値段に加えて、調剤技術料や薬学管理料などの費用がかかります。

 

インフルエンザウイルスに感染し、保険適用を受けて保険薬局で薬を購入する場合、「薬の値段+調剤技術料+薬学管理料などの総合計金額の3割」が患者さんの負担する金額になります。

 

また、予防目的などで購入しようとすると保険の適用外になるため、全額負担になります。ご注意ください。

 

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インフルエンザ予防にも使えるリレンザ

実は、リレンザには治療だけではなく予防として投与する使い方があります!

 

治療の場合と予防の場合では、用量・服用期間などで違いがあります。

リレンザは、A型インフルエンザウイルス・B型インフルエンザウイルスの感染予防に効果を発揮します。

リレンザを予防で使用する場合の用法・用量・服用期間

リレンザをインフルエンザの予防目的で使用する場合、治療の時とは「1日で使用する回数」と「服用期間」が異なります。

 

通常、成人及び小児には、ザナミビルとして 1回10mg( 5mgブリスター×2)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入する。

 

治療の時と同様、小児・成人が対象となっています。

低出生体重児、新生児、乳児又は 4 歳以下の幼児に対しては安全性が確立していないため、予防目的でも使用は控えることになっています。

予防目的の場合、保険適用額でリレンザが購入出来ません。

リレンザは処方薬なので、購入には医師の処方箋が必要です。

さらに、自分がインフルエンザウイルス感染者ではなく、予防目的で処方箋を貰うには家族や一緒に生活している人がインフルエンザになった場合という条件がつきます。

 

ただし、医師に相談することで処方箋を出して貰えるケースが多くあります

長期の出張や人生のかかった受験など、インフエンザにかかるわけにはいかない事情は人それぞれ。事情を医師に相談することで処方箋を貰えるケースがあります。

 

基本的には処方のための条件があるため、予防目的では処方箋を出さない病院や医師もいます。予防目的での処方が可能かどうか事前に病院側に確認することをお勧めします。

 

そして忘れてはいけないのが、リレンザはインフルエンザウイルスに感染し、症状の発症がみられる場合のみ保険適用額で購入可能です。

例え家族にインフルエンザ患者がいたとしても、予防目的での購入は保険適用外になります。ご注意ください。

 

また、インフルエンザ予防でリレンザを投与する場合は、薬を投与している期間のみ予防が有効とされています。

効果は10日ほどとなるため、どうしてもかかりたくない日や期間に合わせて予防投与するように気をつけてください。

リレンザがもたらす多種多様な副作用や注意事項!

リレンザ投与には様々な副作用が伴うケースがあります。

リレンザ吸入時の一般的な副作用として下記のような症状があります。

リレンザ吸入の臨床試験や使用成績調査によると、治療目的で投与した時に生じる可能性のある主な副作用は、下痢、発疹、悪心、嘔吐、嗅覚障害が報告されました。

 

また、予防目的の場合は国内臨床試験においては極めて低い報告数であり、特定使用成績調査においては副作用の報告がなかったとあります。したがって、予防目的の使用で副作用が発症するのは極めて稀であるといえます。

重篤な副作用が出たら即病院へ!

リレンザの吸入において副作用があらわれる確立は決して高いものではなく、誰しもにあらわれるものではありません。

しかし下記のような重篤な副作用が現れたら即時に使用を中止して病院を受診しましょう。

 

■ショック、アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫等)

■気管支攣縮、呼吸困難

■中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)

■皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

■多形紅斑

 

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妊娠中や授乳中は大丈夫?リレンザの使用上の注意!

インフルエンザ患者がリレンザの投与後に失神・ショック症状があらわれた例があります。

これはインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱・脱水等の全身が悪化している状態でリレンザを強く吸入したこと、または長く息を止めたことが原因とされています。吸入法を十分に理解した上で、くつろいだ状態で吸入するようにしてください。

 

また、使用例が少なく安全性が確立されていない理由から免疫低下状態の患者は使用を控えることが望ましいとされています。

軽度又は中等度の喘息患者はリレンザ投与によって気管支攣縮を起こす可能性があるので、医師とよく相談の上で投与を検討する必要があります。

妊娠中や授乳中の方への投与

リレンザの添付文書によると、妊娠中の方に対しては治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること、授乳中の方に対しては投与する場合には授乳を避けさせることとされています。

動物実験の結果、安全性が十分確立されていないのが理由です。

 

しかし近年、以下のような発表もされているため、医師とよく相談した上で、リレンザ投与を検討するのも一つの方法です。

 

【妊婦の方へ】

厚生労働省によると、妊婦の方に対して「リレンザを使用したとしても、胎児に重大な影響を及ぼす可能性はない」という発表があります。

リレンザは「吸入使用され、局所で作用するため母親の血中に移行する量もごくわずかであり、さらに口に残ってしまった分を飲み込んでしまったとしても、それも血中にはほとんど移行しないことが分かったため使用しても大丈夫」だという説明をしています。

 

【授乳中の方へ】

社団法人日本産婦人科医会の発表によると、「授乳婦は、乳汁を介した新生児に対する副作用のエビデンスの報告はないので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される」という発表をしています。

また、米国疾病対策センターは抗インフルエンザウイルス薬の使用を妊婦中・授乳中の方に勧めている実例があります。

以上のことから、社団法人日本産婦人科医会では妊婦中・授乳中のインフルエンザ患者に説明同意を得た上でリレンザの投与を勧めています。

 

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抗インフルエンザ薬がもたらす異常行動の真実!

■突然走りだす

■飛び降りる

■会話中、突然会話が通うじなくなる

■おびえ、恐怖状態に陥る

■激しいうわごと・寝言

■わめく

■泣き止まない

 

これらはインフルエンザの治療薬である抗インフルエンザウイルス薬の服用によって起こされた異常行動であると言われて来ました。

最悪の場合、死亡事故にも繋がっているこの異常行動。

果たして本当にリレンザなどの抗インフルエンザウイルス薬の服用が原因なのでしょうか?

研究者の見解では抗インフルエンザ薬と異常行動には因果関係無し!

厚生労働省が発表しているインフルエンザ罹患に伴う異常行動研究のデータによると、2012/2013年・2013/2014年共にリレンザを投与していないインフルエンザ患者数の方が異常行動件数が多かったということが分かります。しかもリレンザの場合、投与していない患者数の方が圧倒的に多いのが特徴的です。

 

リレンザ以外の抗インフルエンザ薬の投与・非投与時の異常行動の発生件数の調査・研究もされており、ほとんどの抗インフルエンザ薬で非投与時の方が投与時よりも異常行動の発生件数が多いという調査結果が出ています。

 

以上のデータから、国立感染症研究所研究員を中心としたインフルエンザ罹患に伴う異常行動研究チームからも、抗ウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、特定の関係に限られるものではないと発表されています。

 

また近年、「インフルエンザによる発熱からの脳の損傷」がインフルエンザにおける異常行動の有力な原因の一つだと言われています。

おわりに

リレンザはタミフル・イナビルと並び、非常にメジャーな抗インフルエンザ薬の一つ。

吸入薬なので、飲み薬が苦手な方やお子さんなどには投与しやすいメリットもあります。怖いと思われていた異常行動などに関しても、近年の研究によりその誤解も明確にされて来ています。

 

リレンザは治療だけではなく予防にも使える薬です。是非ともインフルエンザ流行シーズンにお役立てください。

 

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