インフルエンザの種類:A型B型C型の症状や違いを解説

インフルエンザA型・B型・C型3種類の症状や違いのまとめ。インフルエンザA型・B型の違い、種類を特定するための検査、予防接種の効果についても薬剤師監修のもと解説します。

インフルエンザにはA型・B型・C型の3種類がある

インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3種類に大きく分けられます。

このうち、毎年冬に流行するのはインフルエンザA型とインフルエンザB型です。

インフルエンザC型は、症状が普通の風邪程度であることが大半なので、インフルエンザに感染したことに気づかないことも多くあります。

インフルエンザウイルスの比較

  A型 B型 C型
種類 144種類 2種類 1種類
ウイルスの変異 しやすい あまりしない ほとんどしない
感染対象 人、鳥、豚など 人のみ 人が中心
主な感染者 年齢問わず 年齢問わず 子どもが中心
流行時期 冬(12~3月) 冬(2~3月) 通年
主な症状 38℃以上の高熱、悪寒・寒気、体の痛み、咳や喉の痛み、頭痛 微熱、下痢や嘔吐 鼻水・鼻づまり、微熱

インフルエンザA型の特徴

インフルエンザA型の症状

インフルエンザA型の症状は、ほかの2種類と比べても激しいことが特徴です。38℃以上の発熱のほか、発熱にともなう関節痛や筋肉痛、悪寒・寒気が急激に現れます。

このほか、頭痛や全身倦怠感といった症状も比較的早い段階で現れます。激しい症状が落ち着いてきた頃に、喉や鼻の症状が現れます。

インフルエンザA型について詳しくは関連記事をごらんください。

重症化や合併症を引き起こす危険性

インフルエンザA型は、肺炎などの合併症を起こし重症化することが多く、特に高齢者は注意が必要です。

また、1~2才の乳幼児はインフルエンザA型が原因で「インフルエンザ脳症」を起こしやすく、命にかかわる場合や運動障害・知的障害・まひなどの重い後遺症を残す場合があります。

そのほかにも気管支炎や中耳炎、副鼻腔炎、関節炎、急性胃腸炎、心筋炎などの合併症を起こすことがあります。

インフルエンザの合併症については関連記事をごらんください。

注意すべき2種類のウイルス

インフルエンザA型のウイルスは、144種類もの亜型が存在します。その中で人間に感染するおそれがあるのが、「A/H1N1」と「A/H3N2」です。

「A/H1N1」は、2009年に新型インフルエンザとして大流行を引き起こしたウイルスです。現在は例年流行を引き起こす、季節性インフルエンザとされています。

「A/H3N2」は、香港型と呼ばれるインフルエンザウイルスです。1968年に大流行を引き起こして以来、季節性インフルエンザとして例年流行しています。

新型インフルエンザや鳥インフルエンザの原因になる

インフルエンザA型のウイルスは毎年小さな変異を繰り返しており、年によっては人間が免疫を獲得していない姿に変異することがあります。

過去に存在しないA型のインフルエンザウイルスに変異し、世界中で大流行を引き起こした場合、「新型インフルエンザ」と呼ばれるようになります。

また、インフルエンザA型のウイルスは、人間以外にも鳥や豚などの動物にも感染します。

鳥インフルエンザは、鳥類の間で流行するインフルエンザが変異によって人間にも感染するようになったものです。

鳥インフルエンザについては関連記事をごらんください。

インフルエンザB型の特徴

インフルエンザB型の症状

インフルエンザB型の症状は、A型に比べると軽度で済む場合が多くあります。インフルエンザA型と似たような症状がでますが、B型には主に2つの特徴があります。

・下痢をはじめとした消化器症状が多い
・高熱が出ない場合がある

インフルエンザB型のウイルスは胃腸にダメージを与えることが多いため、消化器症状が現れやすい傾向にあります。

薬などで無理に下痢や嘔吐を止めてしまうと、治りが遅くなることがあります。独断で下痢止めや嘔吐止めの使用は控えてください。

また、インフルエンザB型の発熱は微熱程度であることが多い一方で、3日ほど長引く傾向にあります。

インフルエンザB型について詳しくは関連記事をごらんください。

風邪やノロウイルスとの間違いに注意

症状が似ていることから、インフルエンザB型は風邪やノロウイルスと間違えやすいので注意が必要です。対処を誤ると、症状を長引かせる原因になります。

インフルエンザB型が流行する2月~3月ごろに風邪やノロウイルスに似た症状が出た場合は、原因を特定するために一度医療機関を受診しましょう

また、下痢や嘔吐が現れた場合は脱水症状を起こす危険性が高いため、こまめに水分補給をしてください。

注意すべき2種類のウイルス

インフルエンザB型のウイルスには、「ビクトリア型」と「山形型」の2種類が存在します。

ウイルスはほとんど変異しないため、免疫がつきやすく、一度感染すればある程度の抗体はできるとされています。

しかし、ビクトリア型と山形型はウイルスが異なるため、山形型に感染したあとにビクトリア型に感染してしまうおそれもあります。

インフルエンザC型の特徴

インフルエンザC型の症状

インフルエンザC型の症状は、A型やB型よりも比較的軽いことが特徴です。

鼻風邪に似た症状が出やすく、以下のようなものがみられます。

・鼻水、鼻づまり
・くしゃみ
・喉の痛み、咳

熱が出る場合は微熱程度で、高熱になることはほとんどないため、発熱にともなう関節痛や悪寒といった症状が出ることもほとんどありません。

インフルエンザC型について詳しくは関連記事をごらんください。

2才以下は重症化に注意

比較的症状が軽いインフルエンザC型ですが、年齢が低い場合は重症化しやすいので注意が必要です。特に2才未満の入院率が高いという報告があります。

重症化した場合、以下のような症状が現れます。

・高熱
・嘔吐
・下痢、腹痛
・発疹

小さい子どもにとっては、鼻水や鼻づまりといった軽い症状も辛く感じられるものです。感染した場合には、周りの大人が体調の変化をよく観察し、早めに発症に気づけるように配慮しましょう。

インフルエンザC型の再感染は少ない

インフルエンザC型は、A型やB型と違って種類がひとつしかありません。

ウイルスの形が変異することもないため、一度感染すれば免疫がつき、その後再び感染することはごくまれです。

そのため、C型インフルエンザに感染するのは免疫のまだできていない子どもがほとんどであり、特に4才以下の乳幼児に多くなっています。

インフルエンザA型とB型の違いは?

インフルエンザA型とB型は、症状の傾向が異なります。

A型では、38℃以上の高熱、悪寒・寒気、体の痛みなどが比較的重くでる傾向があります。それに対してB型は微熱程度のことが多く、下痢や嘔吐などの消化器症状がでることが多くあります。

また、近年ではB型の流行が早まり、A型と同じ時期に感染が広がる傾向があります。

詳しくはインフルエンザウイルスの比較の表をごらんください。

シーズン中に2回感染することがある?

インフルエンザの場合、A型とB型、C型ではウイルスが違うため、A型に感染してもB型に対する免疫はできません。そのため、1シーズンにA型とB型の両方に感染することがあります。

また、B型には2種類、A型にはさらに多くの種類があり、それぞれウイルスが異なります。そのため、同じB型でも違う種類に感染したり、A型に何度も感染するという可能性もゼロではありません。

一度かかったらもう感染しない!ということではないため、感染後はシーズン中は予防対策を行いましょう。

ごくまれにA型B型同時に感染することも!

インフルエンザA型とB型のウイルスは異なるため、2つのインフルエンザに同時に感染することがあります。

A型とB型が同時に感染することはごくまれですが、実際に同時感染の例は国内外でいくつか報告されています。

また、完全に同じ時期ではなくとも「A型インフルエンザの治りかけで体力が落ちているときにB型にかかってしまった」というようなケースもあります。

インフルエンザの種類は検査キットで特定

近年では、インフルエンザA型とインフルエンザB型はほとんど同じ時期から流行が始まる傾向があります。

自分がどちらのインフルエンザに感染しているのか特定するためには、医療機関を受診して検査を受ける必要があります。インフルエンザ検査の主流となっているのが「迅速診断法」です。

迅速診断法では、インフルエンザウイルスの有無だけではなく、A型かB型のどちらか特定することも可能です。

インフルエンザの検査について詳しくは関連記事をごらんください。

迅速診断法の検査方法と所要時間

迅速診断法では、検査器具で喉や鼻の粘膜をぬぐって検体を採取します。医療機関の混雑状況にもよりますが、検査にかかる時間は8〜15分程度です。

検査を受けるタイミング

熱がでた直後では体内のインフルエンザウイルスの増殖が十分ではなく、本当は感染しているのに検査では陰性となるおそれがあります。

そのため、インフルエンザで発熱を起こしてから12時間以上経ってから検査を受けることが望ましいです。

予防接種は4種類のインフルエンザウイルスに効果あり?

インフルエンザの予防接種は4価ワクチンと呼ばれ、A型・B型それぞれ2種類のワクチン株が含まれています。

2017/2018シーズンの詳細は以下のとおりです。

A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

インフルエンザ予防接種を受けるとA型とB型どちらにも効果が期待できます。

予防接種を受ける時期は?

インフルエンザ予防接種が効果を発揮するまでには、約2週間程度の時間がかかります。そのため、本格的に流行が始まるまでに接種を終わらせておくのが理想的です。

遅くても12月中旬までには予防接種を済ませておくと良いでしょう。

インフルエンザ予防接種は感染を完全に防ぐものではない

インフルエンザ予防接種に関して注意しておきたいのが、「予防接種を受ければ完全に感染を防げるわけではない」ということです。

インフルエンザ予防接種は、感染のリスクを減らしたり、感染時の重症化を防ぐためにあります。そのため、身近な対策で感染予防に努めることが大切です。

手洗いやマスクの着用などを心がけ、十分な睡眠と栄養を取って免疫力を落とさないようにしていきましょう。

インフルエンザ予防接種の詳細については関連記事をごらんください。

おわりに

インフルエンザにはA型・B型・C型の3種類があり、それぞれ特徴や症状が異なります。

A型とB型には予防接種が効果的なので、ぜひ流行前に受けておきましょう。

また、感染した場合は医療機関を受診して検査を有効に活用しましょう。自分の症状に合った治療を行ってください。

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