インフルエンザシーズンは風邪との見極めが大切!

インフルエンザの流行は、11月~12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃にピークを迎え、4~5月にかけて減少していきます。しかし近年は、秋からの流行も見られるなど、インフルエンザの流行時期が早まっている傾向にあります。

この時期には風邪も引きやすいのですが、風邪?…もしやインフルエンザ?…など、なかなか分からず、対処が遅れて重症化することがあります。

シーズン真っただ中、インフルエンザを見逃さないために、風邪との違いや見分け方を解説します。

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インフルエンザと風邪の症状の違い

インフルエンザと風邪は、見分けが付きにくいこともありますが、発症の仕方や症状の強さに違いがあります。

風邪の症状

一般的な風邪は、風邪のウイルスに感染後、5~6日の潜伏期間の後発症します。

風邪の引きはじめに上気道(鼻やのど)の炎症などの症状が現れます。

●くしゃみ、鼻水・鼻づまり

●のどの痛み

●咳、痰

●発熱(微熱)

風邪の主なウイルスは、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなどをはじめ200種類以上あるといわれ、季節や年齢を問わず大半の人がかかるごく普通の疾患です。

発症もゆるやかで、通常の風邪の場合、重症化や合併症は見られません。

インフルエンザの症状

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染後、1~3日(2日)の潜伏期間の後発症します。

感染始めから急激な「3大全身症状」が現れ、その後「呼吸器症状」「消化器症状」が現れます。

3大全身症状

①38℃~40℃の高熱

感染後、38℃を超える高熱が誰にでも現れ、40度近くまで上がることがあります。

高熱により、熱性のけいれんや、脱水症状も引き起こしやすくなります。

②悪寒・寒気

高熱がすでに出ているにもかかわらず、身体の表面を異常な寒気や悪寒が襲います。

初期段階で自覚症状があり、また熱が上がる合図でもあります。

③強い筋肉痛・関節痛

免疫システムが、ウイルスを抑制するために激しく戦う際に炎症を起こし、筋肉や関節に強い痛みが発生します。成人に多く見られ、高熱・悪寒と共に、筋肉と関節の痛みが出ることが、インフルエンザの特徴的な症状です。

その他「呼吸器症状」と「消化器症状」

インフルエンザは3大症状の他に、以下の症状も見られます。

●くしゃみ、鼻水、鼻づまり、

●強いのどの痛み

●ひどい咳、痰

●呼吸困難

●頭痛、めまい

●全身倦怠感

●食欲不振

●腹痛、嘔吐・下痢

これらの症状は、風邪よりも強く出ます。インフルエンザウイルスは増殖力が高く、1個のウイルスから、8時間後に約100個、1日で100万個になるといわれています。そのため、感染後には短期間で急激に発症し、激しい症状が現れます。

主な流行はインフルエンザA型とB型ウイルスですが、B型は、時に高熱が出ないケースがあり、消化器症状が強く出ることもあります。高熱が出ないことで、インフルエンザだと思わないことがあるため注意が必要です。

いずれも、インフルエンザは風邪より急激で、症状も強いため、インフルエンザの特徴と風邪との違いを知っておきましょう。

インフルエンザは合併症に注意!

インフルエンザの合併症として、特に高齢者に頻度が高いのは「肺炎」で、死亡原因の90%を占めています。

1~2歳の乳幼児は「インフルエンザ脳症」を発症しやすく、まひ、運動障害、知的障害など重い後遺症が残ったり、命に関わることもあります。

その他、気管支炎、関節炎、中耳炎、副鼻腔炎、胃腸炎、心筋炎なども見られます。

このように、普通の風邪とインフルエンザは、症状の強さや重症度は別格です。

見落とさないためにも見極め方を知っておくことが大切です。

インフルエンザの受診のポイント

インフルエンザは重症化することが多いため、早期の治療が大切です。

以下の症状みられたら早めに医療期間を受診しましょう。

  • 急激な38度以上の高熱
  • 悪寒・寒気
  • 強い筋肉痛・関節痛
  • 鼻水・咳・のどの痛み
  • 下痢・腹痛
  • 身近に感染者がいる

全身症状があればインフルエンザを疑う必要があります。早い段階で治療すれば回復も早いため、できるだけ早めに病院を受診しましょう。

インフルエンザの「迅速検出キット」で診断を!

インフルエンザの診断には、鼻や喉の粘液を綿棒で拭って採取するだけの「インフルエンザ抗原迅速検出キット」が使用されています。15分~30程度でインフルエンザかどうか診断できるため、陽性の場合の早期治療に役立ちます。

インフルエンザは、自己判断によって悪化することも多いため、病院にて検査を受けるのがオススメです。

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インフルエンザも風邪も対症療法が基本!

インフルエンザも風邪も、基本的には対症療法になります。

インフルエンザには、ウイルスの増殖を抑えるために、以下のような「抗インフルエンザウイルス薬」があります。

症状が出てから48時間(2日)以内に使用すれば、症状を軽減し、重症化を防げるとされています。

■飲み薬…タミフル、シンメトレル(A型のみ)

■吸入薬…リレンザ、イナビル

■点滴…ラピアクタ(薬の服用が困難な方に有効)

これらの効果は、症状が出始めてからの時間や、病状により異なるため、薬の使用は医師の判断で行います。

その他、咳や鼻水、消化器症状などは、症状に合わせた薬が処方されることがあります。

風邪の場合は、風邪のウイルスに有効な抗ウイルス薬はないため、症状に合せた対症療法になります。

市販薬の使用について

風邪の場合、市販の感冒薬などで症状が軽減されることがありますが、インフルエンザの場合、自己判断で市販薬を使用すると逆効果になることもあります。

特に高熱が出たときに、市販の風邪薬や解熱鎮痛剤を使用する場合、成分によっては脳症などの障害を起こす可能性もあります。特に子どもには、むやみに市販薬を使用しないことが大切です。

薬の使用は、医師や薬剤師に確認のうえ、インフルエンザでも使える安全なものを使用しましょう。

さいごに ~日頃の感染予防を徹底しましょう~

インフルエンザと風邪の違いがお分かりいただけたでしょうか。

特に冬の冷たく乾燥した環境では、ウイルスが増殖するため、日頃から基本的な感染予防が大切です。

手洗い・うがい・マスクをはじめ、部屋を乾燥させないようにし、できるだけウイルスを侵入させないようにしましょう。また、十分な睡眠と栄養を取って、免疫力を落とさないように注意しましょう。

インフルエンザのシーズン中は、風邪との症状の違いを覚えておき、症状が見られたら早めの対処ができるようにしたいですね。