タミフルドライシロップの上手な飲ませ方は?苦い味を和らげる方法

タミフルドライシロップについて薬剤師監修のもと解説。子供が苦手な味のドライシロップを上手に飲ませる方法を詳しく紹介します。タミフルドライシロップの長所と短所、副作用、用量、薬価の計算方法まで掲載!

タミフルドライシロップの長所と短所

タミフルドライシロップは、抗インフルエンザ薬「タミフル」の顆粒を液体に溶かして飲む薬です。

タミフルはA型とB型のインフルエンザウイルスに効果を発揮します。C型インフルエンザウイルスや、その他の構造変化を生じている新型のインフルエンザウイルスには効果がありません。インフルエンザ発症後の治療としてはもちろん、発症の予防目的でも使用することができます。

長所:ドライシロップがあるのはタミフルだけ!

主要な抗インフルエンザ薬として、タミフル・イナビル・リレンザがありますが、ドライシロップがあるのはタミフルのみです。

ドライシロップは顆粒状の薬を水などに溶かして飲む薬です。錠剤を飲み込むことが苦手な子供や吸入薬を吸い込む力が少ない高齢者に向いています。

また、イナビルやリレンザは5歳未満の子供は使用できませんが、タミフルは剤形に関わらず1歳〜5歳未満でも使用が可能です。さらに、タミフルドライシロップだけが0歳〜1歳未満にも使用することが可能です。

厚生労働省では、平成28年11月24日から1歳未満の新生児と乳児に対してもドライシロップの使用を保険適用の対象と定めています。

短所:味が苦手な場合

タミフルドライシロップには薬特有の苦味があります。子供によってはタミフルの味を嫌がって飲んでくれない場合もあります。子どもが薬の味を嫌がるときは、何かに混ぜて飲ませてあげましょう。

ドライシロップは顆粒を液体に溶かして液剤にする手間がかかります。必ず飲む前に飲む分だけの量を作りましょう。作り置きをして飲ませることはできません。

タミフルドライシロップの用法用量

タミフルドライシロップ1g中に有効成分であるオセルタミビルが30mg入っています。

タミフルドライシロップは、治療目的と予防目的では用法や用量が異なります。また、身体の大きさの違う大人と子どもとでも服用に違いがあります。

治療の場合

成人 オセルタミビルとして1回75mg(タミフルドライシロップ3% として2.5g)を1日2回、5日間使用

小児

新生児
・乳児

体重に合わせて1回の用量が異なるが、1回の最高量はオセルタミビルとして1回75mg(タミフルドライシロップ3% として 2.5g)とする
1日2回、5日間使用
<用量の目安>
幼小児の場合:1回2mg/kg(タミフルドライシロップ3% として 66.7mg/kg)
新生児、乳児の場合:1回3mg/kg(タミフルドライシロップ3% として100mg/kg)
体重37.5kg以上であれば、成人量を使用可能

予防の場合

成人 オセルタミビルとして1回75mg(タミフルドライシロップ3%として 2.5g)を1日1回、7〜10日間使用
小児 体重に合わせて1回の用量が異なるが、1回の最高量はオセルタミビルとして1回75mg(タミフルドライシロップ3% として 2.5g)とする
1日1回、10日間使用
幼小児の場合:1回2mg/kg(タミフルドライシロップ3%として 66.7mg/kg)

飲むタイミング

治療の場合、基本的には朝と夕に1回ずつで1日2回、食後に使用します。一番最初は薬を購入後すぐに使用し、2回目以降は規則的に飲めるような時間を設定して使用してください。

服用間隔は少なくとも3時間以上は空けることが推奨されています。

苦いタミフルドライシロップの上手な飲ませ方

ドライシロップはもともと水などに溶かして使用するものであり、基本的には何で混ぜても薬の作用に影響はありません。子どもが好きな味のものに混ぜてあげましょう。

なお、1歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べると乳児ポツリヌス症に感染するおそれがあります。厚生労働省からも赤ちゃんにハチミツを与えないように注意喚起がされています。タミフルドライシロップをハチミツに混ぜて与えないでください。

製薬メーカーも公認!おすすめの食べ物・飲み物

タミフルを販売している中外製薬のパンフレットでは、タミフルの苦味を感じにくくさせる食べ物や飲み物を紹介しています。

以下のような食べ物や飲み物と混ぜて飲ませてみましょう。一口で全部飲ませるのではなく、少しずつ飲ませることも上手に飲ませるコツです。

・チョコアイス
・ヨーグルト(いちご味)
・ココア
・オレンジジュース
・スポーツドリンク
・服薬補助ゼリー

乳酸飲料・バニラアイス・りんごジュースはNG

製薬メーカーのパンフレットでは、一緒に飲むと味が変わってしまうため、かえって薬が飲みにくくなるものも紹介しています。

飲むヨーグルトやヤクルトなどの乳酸飲料、バニラアイス、りんごジュースなどに溶かすことは避けましょう。

チョコに溶かして固めるのもあり

薬を溶かして飲むのが嫌いな子供には、温めて溶かしたチョコレートなどに混ぜてから、冷蔵庫で冷やして固めてから食べさせる保護者の方もいます。

チョコレートが好きな子供の場合に試してみるのも良いでしょう。

薬を飲ませるタイミングをずらす

タミフルは食事の影響を受けないため、食前に飲んでも薬の効果に影響はありません。

子供がご飯の後では薬は飲めないと訴えたときは、食前に飲ませることもひとつの方法です。薬を飲むタイミングを変えることで、嫌がらずに飲むケースもあります。

タミフルドライシロップの副作用

タミフルドライシロップの主な副作用は、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、低体温、発疹などです。特に2歳未満の子供が使用する場合は、服用後に副作用と考えられる体調の変化が起きていないか、周りの保護者が十分に観察しましょう。

製薬会社の販売後調査では5.7%の副作用発生率が報告されています。なお、治療目的でも予防目的でも副作用の症状は同じです。

タミフルの副作用について詳しくは関連記事をごらんください。

重大な副作用

発生頻度は不明ですが、以下のような重大な副作用を起こすおそれもあります。タミフルドライシロップを服用後に身体になんらかの不調が現れたら、すみやかに病院で診察を受けてください。

・アナフィラキシー症状
・肺炎
・出血性大腸炎
・劇症肝炎
・肝機能障害
・黄疸
・皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)
・中毒性表皮壊死融解症症 (Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
・急性腎不全
・白血球減少、血小板減少

異常行動とタミフルの関係

タミフルを服用後に異常行動が起こったとの因果関係を示唆するニュースを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

タミフルと異常行動についてさまざまな研究がなされてきましたが、厚生労働省では異常行動の発生状況のデータから「抗インフルエンザ薬の種類や使用の有無と異常行動には特定の因果関係がない」としています。

しかし、タミフルなどの抗インフルエンザ薬の服用と異常行動の因果関係は確認できなくても、インフルエンザの患者に異常行動がでることは事実としています。

未成年の子供がタミフルドライシロップを使用する場合は、飲み始めから少なくとも2日間は一人にならないように周りの方が配慮することが求められています。

タミフルドライシロップの使用上の注意

タミフルドライシロップは医師が指示する用法用量を正しく守って使用してください。用法用量を守らず過剰に使用すると、嘔吐・傾眠・浮動性めまいなどが現れる恐れがあります。

インフルエンザ予防の基本は予防接種

タミフルドライシロップを予防目的で使用する場合でも、 インフルエンザを完全に予防するものではありません。インフルエンザ予防の基本はワクチン摂取による予防です。ドライシロップの使用が予防接種に置き換わるものではないので注意してください。

高齢者

国外で実施された臨床試験の成績では、副作用の頻度や種類について高齢者と非高齢者との間に差は認められていません。

しかし、一般的に高齢者は腎や肝機能などの生理機能や免疫力が低下している場合が多いため薬の吸収に影響があるおそれがあります。薬の服用後の体調の変化に十分注意してください。

妊娠中・授乳中の方

薬の添付文書では、妊娠中の方は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」と注意喚起がなされています。

しかしながら、新型インフルエンザが流行した2009年では、日本産科婦人科学会ならびに日本産婦人科医会では妊娠中の方の抗インフルエンザ薬の積極的な使用を推奨しています。

また、タミフルの成分は母乳へ移行することが報告されています。添付文書ではタミフルを飲んでいる期間は授乳を避けるように記載されています。製薬会社によると、授乳の再開時期は薬を飲む期間が終了してから2日間(48時間)経過した後が望ましいとしています。

妊娠中や授乳中の場合は必ず医師に申告して指示を仰いでください。

タミフルドライシロップの薬価

タミフルドライシロップの1gの薬価は244円です。(2017年10月現在)

タミフルドライシロップを購入する場合は医師の処方箋が必要になるため、薬の値段に加えて病院での診察料、調剤料などがかかります。インフルエンザの治療は健康保険が適用になるため三割の自己負担になります。ただし、予防目的で購入する場合、自由診療になり保険が適用されないため全額自己負担になります。

なお、薬の使用量は年齢や体重によっても異なるため、薬の値段も異なります。

タミフルドライシロップを体重21kgの7歳児が治療で使用する場合、薬の値段は5日間分三割自己負担で約1025円です。診察料なども含めると、全部でかかる値段の目安は約2500〜3000円になります。

ただし、住んでいる地域によっては医療費助成制度があるため、目安の価格よりも安くなる場合があります。

幼児・小児の体重換算表

ドライシロップの幼児・小児の製剤量(1回量)は体重により異なります。

薬価の目安となる計算式は次のようになります。

244円/g×製剤量(1日分)×服用日数

例)体重21kgの7歳児の場合
244円/g×製剤量(2.8g:1日分)×5日間=3,416円(自己負担3割であれば約1025円)

おわりに

タミフルドライシロップはカプセル剤や吸入薬が苦手な子供には強い味方です。
また、インフルエンザでは特に低年齢の場合、重症化や合併症のリスクが高くなります。医師と相談しながら抗インフルエンザ薬を活用し、早期治療につなげましょう。

【インフルエンザ特集】症状・予防接種・潜伏期間・薬など徹底解説!

インフルエンザに関するお役立ち情報

インフルエンザに関連するQA

ピックアップ特集