インフルエンザの点滴薬「ラピアクタ」の効果や副作用は?値段は高い?

点滴の抗インフルエンザ薬「ラピアクタ」はどんなときに使われるのか、ラビアクタの効果、副作用、使用後の注意から、他の抗インフルエンザ薬と比較した値段までわかりやすく解説します。

インフルエンザの薬にはタミフルやイナビルなどの飲み薬や吸入薬だけでなく点滴薬もあり、それがラピアクタです。

ラピアクタ(成分名:ペラミビル)は抗インフルエンザ薬の中で唯一の点滴薬です。

この記事では、点滴薬であるラピアクタがどんなときに使われるかや、ラピアクタの効果や副作用について解説します。

ラピアクタはどんなときに使われる?

体の弱った高齢者や喘息のある人など、薬を口から飲んだり吸い込んだりすることが難しい場合に使用されます。

通常は、医療機関を受診しインフルエンザの検査で陽性と診断された場合に、その場でラビアクタを点滴します。基本的に1回15〜30分程度の点滴ですむことがメリットですが、錠剤を飲めたり吸入できたりする場合にはタミフルやリレンザなどが処方されます。

国内では2010年に製造販売の承認を受けた比較的新しい薬です。

ラピアクタの用法・用量

ラピアクタの用法・用量は以下の通りです。

成人

通常,ペラミビルとして300mgを15分以上かけて単回点滴静注する。
合併症等により重症化するおそれのある患者には,1日1回600mgを15分以上かけて単回点滴静注するが,症状に応じて連日反復投与できる。
なお,年齢,症状に応じて適宜減量する。

小児

通常,ペラミビルとして1日1回10mg/kgを15分以上かけて単回点滴静注するが,症状に応じて連日反復投与できる。
投与量の上限は,1回量として600mgまでとする。
出典:ラピアクタ点滴静注液バッグ300mg/ラピアクタ点滴静注液バイアル150mg添付文書)

ラピアクタの効果

ラピアクタにはA型・B型インフルエンザウイルスの増殖をおさえる効果があります。

ラピアクタはインフルエンザウイルスの表面に存在するノイラミニダーゼという酵素を阻害する薬です。ウイルスの増殖をうながす働きをするノイラミニダーゼを邪魔することで、ウイルスの増殖を阻止して症状の発現や悪化をおさえます。

ラピアクタは、症状が現れたら可能な限り早く使用することが望ましいです。症状が現れてから48時間が経過した後では、ラピアクタの有効性は認められていません。高熱などの症状がでた場合は48時間以内に病院を受診してインフルエンザの検査を受けましょう。

なお、発症後12時間が経過しないと正しい診断結果が得られないおそれがあるので注意してください。

インフルエンザA型およびB型については関連記事をごらんください。

なお、ラピアクタは他の抗インフルエンザ薬と同じく、C型インフルエンザウイルスには効果がありません。

インフルエンザC型については関連記事をごらんください。

ラピアクタの予防投与は不可

タミフルやイナビルなど他の抗インフルエンザ薬は予防目的で服用することも可能ですが、ラピアクタは予防のために使用することはできません。

ラピアクタの予防投与の有効性や安全性は確立されていません。予防目的で抗インフルエンザ薬を使用したい場合は、タミフルやイナビルの処方が可能かどうか医師に相談しましょう。

タミフルやリレンザなど、ほかの抗インフルエンザ薬の予防投与については関連記事をごらんください。

ラピアクタの副作用

主な副作用は下痢、嘔吐や蛋白尿・好中球減少などの検査値の異常です。

ラピアクタを販売している製薬会社が行った調査では、成人では24.7%、子供では29.1%の副作用発現率が報告されています。

重大な副作用

発生頻度は低いですが、まれに次のような重大な副作用が起こることがあります。

副作用 主な症状 発生頻度
ショック、アナフィラキシー 血圧低下、顔面蒼白、冷や汗
呼吸困難、蕁麻疹、など
頻度不明
白血球減少、好中球減少 発熱(好中球減少)のほか、血液検査値の異常 1~5%未満
肝機能障害、黄疸 肝機能検査値の異常 頻度不明
急性腎不全 尿が出ない、尿の出が悪い 頻度不明

その他の副作用

副作用 発生頻度
・下痢(6.3%)、悪心、嘔吐
・AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
・蛋白尿、尿中β2ミクログロブリン上昇、NAG上昇
・リンパ球増加
・血中ブドウ糖増加
1%以上
・皮膚の発疹
・腹痛
・LDH上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
・BUN(尿素窒素)上昇
・好酸球増加
・尿中血陽性、CK(CPK)上昇、尿糖
0.5~1%未満
・皮膚の湿疹、蕁麻疹
・食欲不振、腹部不快感、口内炎
・Al-P上昇
・血小板減少
・めまい、不眠
・霧視
0.5%未満
血管痛 頻度不明

ラピアクタ使用後の注意

ラピアクタを含む抗インフルエンザ薬との因果関係は明確にはなっていませんが、抗インフルエンザ薬の使用後に異常行動を起こす例が報告されています。

特に子供においては転落など命に関わる事故が起こることを防ぐため、ラピアクタの使用後少なくとも2日間は、子供が一人きりにならないように、周りの保護者が配慮する必要があります。

また、使用後の翌日の早朝などに肝機能障害や黄疸が現れることもあります。ラピアクタを使用した後は体調の変化に注意して観察してください。

ラピアクタの値段は?

タミフルやイナビルと比較すると薬の値段はやや高めになっています。また、薬の値段に加えて点滴料、インフルエンザの検査料などが加算されます。

抗インフルエンザ薬を治療で使用する場合は健康保険の適用になるため、自己負担3割の場合、目安の料金は3500〜4000円前後になります。

詳しい値段は病院ごとに異なるため、各病院に問い合わせてください。

子供・妊娠中・授乳中でも使用される?

子供の使用

ラピアクタは子供でも使用が可能です。

重症の肺炎やインフルエンザ脳症など急速な症状の悪化により入院治療が必要だと判断された場合など、医師が点滴の必要性があると判断した場合にに処方されます。

ただし、新生児や低出生体重児に関しては安全性が確立されていません。

妊娠中・授乳中の使用

妊娠中・授乳中の場合は、インフルエンザの検査時に必ず医師に申告しましょう。医師が処方が必要と判断した場合に使用されることがあります。授乳中の場合は授乳のタイミングなどを医師と相談してください。

なお、愛知県薬剤師会の報告では、授乳中にラピアクタを使用しても安全性に問題ないとしています。

最近新しく承認されたペラミビル水和物(ラピアクタ)、ラニナミビルオクタン酸エステ ル水和物(イナビル)は子どもにも使われることがありますし、吸入や注射で使う薬なので、 母乳に出ないか、出たとしても赤ちゃんの胃や腸から吸収されにくい薬ですので、心配ありません。 
出典:愛知県薬剤師会「妊娠・授乳と薬」

おわりに

ラピアクタは抗インフルエンザ薬の中で唯一注射薬です。インフルエンザのときは、基本的に飲み薬や吸入薬のタミフル・イナビルが処方されますが、医師の判断によってはラピアクタが処方されるケースもあります。

ラピアクタ使用後の注意や過ごし方など、医師の指示を正しく守って過ごしましょう。

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