タミフルの長所と短所は?飲みやすいタミフルの効果を徹底解説!

抗インフルエンザ薬・タミフルを薬剤師監修のもと徹底解説。タミフルのメカニズム、効果、正しい飲み方、などの基本情報をわかりやすく紹介。タミフルの飲み合わせやお酒・アルコールが与える影響など気になる疑問も掲載!

タミフルはA型・B型インフルエンザウイルスに効果あり

タミフルは、A型・B型インフルエンザウイルスの増殖をおさえる抗インフルエンザ薬です。インフルエンザ発症後の治療としてだけではなく、発症前の予防目的でも使用できます。

タミフルの特徴は、抗インフルエンザ薬の中でも唯一カプセルとドライシロップの剤形があることです。

ドライシロップは水に溶かして液体にして飲む薬で、カプセルや吸入薬が苦手な子どもでも飲みやすくなっています。量を調節できるため、体重が37.5kg未満(おおよそ10歳くらいまで)の子供にはドライシロップが処方されます。

また、薬を使用できる年齢の下限も他の抗インフルエンザ薬に比べると低く、5歳未満でも使用可能です。

タミフルという呼び名は商品名で、成分はオセルタミビルです。正式には「タミフルカプセル75」または「タミフルドライシロップ3%」という名称で販売されています。

なお、タミフルカプセル・ドライシロップともにジェネリックの販売はありません。(2017年10月現在)

タミフルの用法用量

タミフルは治療目的と予防目的で用法用量が異なります。

【タミフルカプセル75の用法用量】

使用目的 対象 用法用量
治療 成人および体重37.5kg以上の子供 オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間使用する
予防 成人 オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間使用する
予防 体重37.5kg以上の子供 オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間使用する

タミフルドライシロップの用法用量については関連記事をごらんください。

タミフルの飲み方と服用期間

タミフルは治療目的の場合、1日2回、5日間続けて服用します。基本的には朝と夕に1回ずつで1日2回、食後に使用します。

薬を購入後はすぐに1回分を使用し、2回目以降は規則的に飲めるような時間を設定して使用してください。服用間隔は少なくとも3時間以上は空けることが推奨されています。

なお、タミフルは食事の影響を受けないため、食前に飲んでも薬の効果に影響はありません。

イナビル・リレンザとの違い

タミフルとイナビル・リレンザとの違いは、服用回数、服用年齢、剤形など、さまざまあります。

  服用回数 服用可能年齢 剤形
タミフル 1日2回、5日間 生後2週目以上(ドライシロップ)
1歳以上(カプセル)
・カプセル剤
・ドライシロップ
イナビル 1回のみ 5歳以上 吸入薬
リレンザ 1日2回、5日間 5歳以上 吸入薬

患者の年齢などによって医師の判断により処方される薬が選択されます。吸入薬が苦手な方は医師にタミフルに変更できないか相談しましょう。

タミフルの長所と短所は?

タミフルの長所

タミフルの最大の長所は、0歳〜5歳未満の子供が使用できることです。

タミフルカプセルは1歳〜5歳未満、水などに溶かして使用するドライシロップは0歳から使用が可能です。

イナビルとリレンザは基本的には5歳以上から使用可能であることに対し、5歳未満でも使用できる抗インフルエンザ薬はタミフルのみです。インフルエンザはもともと子供に感染することが多く、発症後に命に関わる重大な合併症が起こりやすいことも知られています。0~4歳の子供においては、毎年100~200例のインフルエンザ脳症の発症が確認されています。

インフルエンザ脳症を引き起こさないためにも、発症後に抗インフルエンザ薬の使用が役立ちます。

また、タミフルは抗インフルエンザ薬の中で唯一のカプセル剤・ドライシロップ剤であり、飲みやすく安定した効果を得やすいことも長所です。

イナビルやリレンザは吸入薬であり、特に小さな子供などは正しく使用することが難しい場合があります。

タミフルの短所

タミフルの短所のひとつに服用頻度が多いことがあります。タミフルは1日2回の服用を5日間継続しなければなりません。

薬を飲み忘れたり途中で服用を止めてしまうと正しい効果を得ることができないため、飲む時間を規則的に設定することをおすすめします。

また、タミフルの服用後に起こった異常行動が重大な事故につながったニュースが話題になったことを覚えている方も多いのではないでしょうか。大きな事故が起こった結果から、タミフルは副作用がでる危険な薬というイメージがついてしまったことも短所といえるでしょう。

しかし実際には、厚生労働省の見解ではタミフルの服用と異常行動の因果関係は無いとしています。タミフルは用法用量を守って正しく使用すれば、安全で優秀な薬といえます。

タミフルは予防目的でも使える薬!

タミフルはインフルエンザを治療する薬としてだけではなく、発症を予防する目的としても使用されます。

タミフルはインフルエンザウイルスが増殖するときに必要な「ノイラミ二ダーゼ」という物質の機能を阻害して、インフルエンザウイルスの増殖を抑制します。

そのため、特に感染の早期の段階に使用することで、インフルエンザウイルスの増殖を防ぎ症状の発症をおさえる高い効果が期待できる薬なのです。

ただし、インフルエンザの予防効果は、タミフルを連続して服用している期間の10日間のみになります。また、感染自体を予防する薬ではありません。感染してもウイルスの増殖を妨げることで発症をおさえる効果があります。

タミフルと予防投与について詳しくは関連記事をごらんください。

タミフルの副作用と異常行動の関係は?

タミフルカプセルとドライシロップの副作用の症状は大きく変わりはありません。

タミフルの主な副作用は、下痢、吐き気、嘔吐です。その他にも、カプセル剤では腹痛、ドライシロップ剤では低体温・発疹なども報告されています。

製薬会社の販売後の調査では、タミフルの副作用発生率はカプセルで2.1%、ドライシロップで5.7%と比較的副作用の発生頻度が少ない薬といえます。

タミフルの副作用として「異常行動」がニュースでも話題になりましたが、さまざまな研究データから厚生労働省の見解では「抗インフルエンザ薬の種類や使用の有無と異常行動には特定の因果関係がない」としています。

ただし、タミフルの服用と異常行動との因果関係は確認できなくても、インフルエンザの患者に異常行動がでることは事実としています。タミフル服用後は体調の変化に十分注意し、子供の場合は少なくとも薬の飲み始めの2日間は一人きりにさせないように配慮してください。

タミフルの副作用について詳しくは関連記事をごらんください。

タミフルで眠気がでる?

頻度は0.1%未満ですが、タミフルの副作用として傾眠、嗜眠、感覚鈍麻などの精神神経系の症状が報告されています。また、インフルエンザの症状により眠気が出ていることも考えられます。

薬の服用中は安静にして回復に努めることをおすすめします。薬の服用後に眠気がひどい場合は医師に相談してください。

タミフルと他の薬の飲み合わせ

タミフルの添付文書によると、タミフルとの併用に注意が必要な薬はありません。

ただし、タミフルとの飲み合わせではなく、インフルエンザのときに飲んではいけない成分の薬があります。休日で病院に行けず市販薬で応急処置をしたいときなど、自己判断で薬を使用するときは十分に注意しましょう。

特に注意したいのが日常的にしようされる解熱鎮痛剤です。インフルエンザのときには以下の成分が含まれている市販薬の使用は避けてください。

  成分名 具体的な市販薬
サリチル酸系 アセチルサリチル酸 バファリンA、バイエルアスピリン、エキセドリンA錠など
サリチル酸系 エテンザミド ノーシン、新セデス錠、ナロン錠など
ジクロフェナクナトリウムを含む   市販薬には販売なし(2017年10月現在)
メフェナム酸を含む   ルメンタール

有名な薬が多いため注意が必要です。特にアセチルサリチル酸(アスピリン)は、他の解熱剤と比べて副作用のリスクが高いため使用は控えてください。因果関係はまだわかっていませんが、ライ症候群を引き起こすという疫学調査の報告もあります。

市販薬を選ぶときには必ず成分名を確認し、不明な点は購入時に薬剤師に確認しましょう。

「イブ」(成分名:イブプロフェン)や「タイレノール」「小児用バファリンCII」(成分名:アセトアミノフェン)といった他の成分を含む解熱鎮痛剤であれば問題ありません。

ロキソニン(成分名:ロキソプロフェンナトリウム水和物)も問題ありませんが、副作用の観点から20歳未満の方は念のため注意が必要です。ロキソニンについては関連記事をごらんください。

タミフル使用中に飲酒してもいい?

タミフルとアルコールの飲み合わせについて製薬会社からの正式な注意喚起はされていません。

しかし、インフルエンザの感染中はお酒・アルコールは控えることが望ましいです。

インフルエンザのときは高熱を出し脱水症状に陥りやすい状態にあります。アルコールには利尿作用があるため、インフルエンザのときにアルコールを飲むと脱水のリスクが高くなります。

また、インフルエンザに感染中は体力も落ちているため、胃腸や肝臓に負担をかける飲酒は控えましょう。

妊娠中・授乳中のタミフルの使用

薬の添付文書では、妊娠中の方は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」と注意喚起がなされています。

しかしながら、新型インフルエンザが流行した2009年では、日本産科婦人科学会ならびに日本産婦人科医会では妊娠中の方の抗インフルエンザ薬の積極的な使用を推奨しています。

妊娠中の場合は受診時に必ず医師に申告しましょう。

また、タミフルの成分は母乳へ移行することが報告されています。添付文書ではタミフルを飲んでいる期間は授乳を避けるように記載されています。製薬会社によると、授乳の再開時期は薬を飲む期間が終了してから2日間(48時間)経過した後が望ましいとしています。

授乳中の場合は医師に申告し指示を仰いでください。

タミフルの市販薬はある?

タミフルなどの抗インフルエンザ薬には市販薬はありません。(2017年10月現在)

抗インフルエンザ薬を使用する場合は、病院を受診してインフルエンザ検査を受ける必要があります。基本的にはインフルエンザ検査で陽性だった場合に抗インフルエンザ薬が処方されます。

おわりに

タミフルは、特に発症した直後に使用した場合は高い効果を発揮する優れた薬といえます。

しかし、タミフルに限らずどんな薬でも副作用のおそれはあります。薬を使用する際は、医師の指示のもと用法用量を守って正しく使用しましょう。

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