インフルエンザ治療薬を比較:タミフル・リレンザ・イナビルの特徴と違いについて

インフルエンザで投与される治療薬には、飲み薬・吸入薬・注射薬があります。イナビル、タミフル、リレンザなど、インフルエンザ治療薬の種類とそれぞれの効果など徹底比較します。

インフルエンザ治療薬は年齢や症状によって処方が異なる!

インフルエンザに感染すると、治療の基本は抗インフルエンザ薬の服用になります。

抗インフルエンザ薬には、飲み薬のタミフル、吸入薬のイナビル・リレンザなど様々な種類やタイプがあり、病状や年齢などによって処方される種類が異なります。

主な抗インフルエンザ薬は、飲み薬・吸入薬・注射薬の3つに分類することが出来ますが、それぞれの違いはなんでしょうか。

この記事では「どの薬が一番いいの?」「どう使い分けたらいいの?」という疑問について解説します!

 

飲み薬:タミフル・シンメトレル

タミフル(成分:オセルタミビル)

【特徴】

主流となっている抗インフルエンザ薬の1つがタミフルです。

カプセルとドライシロップ(粉薬)の2種類の剤形があることが特徴です。ドライシロップが子どもでも飲みやすく、また処方出来る対象年齢も他の薬に比べると低くなります。

【効果を発揮するインフルエンザウイルス】

■A型インフルエンザウイルス
■B型インフルエンザウイルス

【処方対象】

1歳以上から使用可能

【用法・用量・服用期間】

◼︎カプセル

成人及び体重37.5kg以上の小児:通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間服用します。

◼︎ドライシロップ

成人:通常、オセルタミビルとして1回、75mgを1日2回・5日間、粉のまま服用、または水に溶かして服用。

幼小児:通常、オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)を1日2回・5日間、粉のまま服用、または水に溶かして服用。ただし、1回の最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。


【妊娠中・授乳中の方について】

添付文書によると、妊娠中の方に対しては「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とあり、授乳中の方に対しては「投与する場合には授乳を避けさせること」とあります。

しかし、近年厚生労働省をはじめとした各学会から「妊婦や授乳中の方に対するタミフルの投与は問題がない」という発表をされています。

妊娠中や授乳中の場合は、かかりつけ医と相談しましょう。

【新生児や乳児の服用】

抗インフルエンザ薬の中でも一番処方対象年齢の広いタミフルですが、1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確立していません。ご注意ください。

【メリット・デメリット】

タミフルのメリットは、飲むのに手間がかからないことです。また、ドライシロップは1歳以上の幼児から使えます。

デメリットは「1日2回を5日」という服用期間で、他の抗インフルエンザ薬に比べると比較的長期になります。

関連記事:【インフルエンザ予防薬】「タミフル」の使用方法・予防効果・予防期間・価格まとめ

関連記事:タミフルドライシロップは子どものインフルエンザにおすすめ!

シンメトレル(成分:塩酸アマンタジン)

【特徴】

現在はパーキンソン病の治療薬として知られる薬ですが、もともとはインフルエンザの治療薬として開発された薬です。現在主流となっている抗インフルエンザ薬の一世代前から使われている薬です。

【効果を発揮するインフルエンザウイルス】

■A型インフルエンザウイルス

B型インフルエンザウイルスをはじめとしたその他のインフルエンザウイルスには効果がありません。

【処方対象】

成人

【用法・用量・服用期間】

通常、成人はアマンタジン塩酸塩として1日100㎎を1~ 2回に分割して服用します、症状や年齢に応じて用法・用量は増減します。

高齢者や腎障害のある患者は投与量の上限を1日100㎎とされています。

【妊娠中・授乳中の方について】

妊娠中や授乳中の方への投与は禁止です。催奇形性が疑われる症例報告があり、動物実験においては催奇形の報告があります。

【小児への投与】

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していません。基本的には投与しないようにしましょう。

【注意】

現在、インフルエンザ治療においてシンメトレルが処方されることは滅多にありません。しかし、主力となっている抗インフルエンザ薬が何らかの原因で流通に支障をきたした場合や、それにかわる代替薬がどうしても必要な場合には処方される可能性があります。

関連記事:A型インフルエンザウイルスの治療薬「シンメトレル」の効果

吸入薬:リレンザ・イナビル

リレンザ(成分:ザナミビル)

【特徴】

リレンザは吸入薬です。ディスクに入っている薬剤を専用の吸入器に装着して使用します。

【効果を発揮するインフルエンザウイルス】

■A型インフルエンザウイルス
■B型インフルエンザウイルス

【処方対象】

小児、成人

【用法・用量・服用期間】

通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスター×2)を、1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入します。

【妊娠中・授乳中の方について】

添付文書によると、妊娠中の方に対しては「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とあり、授乳中の方に対しては「投与する場合には授乳を避けさせること」とあります。

しかし、近年厚生労働省をはじめとした各学会から「妊婦や授乳中の方に対するリレンザの投与は問題がない」という発表をされています。

妊娠中や授乳中の場合は、かかりつけ医と相談しましょう。

【新生児や乳児、幼児への投与】

低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児に対しては安全性が確立していません。そのため通常処方されることはありません。

【メリット・デメリット】

メリットは飲み薬が苦手な人でも投与がしやすいこと、近年では妊娠中の方や授乳中の方への安全性を示唆した報告例が増えていることなどがあげられます。

デメリットは、薬を専用の吸入器に装着して使わないといけない手間があることや5日間の投与を求められることなどがあげられます。

また、高齢者や喘息患者は吸入薬を吸入出来ない場合もあり、小さな子どもは上手に吸入出来ない場合もあります。

関連記事:【インフルエンザ予防薬】「リレンザ」の予防使用方法・予防効果・予防期間・価格まとめ

イナビル(成分:ラニナミビル)

【特徴】

2010年に発売された比較的新しい薬です。また、創製・開発したのは日本の企業で純国産の薬でもあります。

【効果を発揮するインフルエンザウイルス】

■A型インフルエンザウイルス
■B型インフルエンザウイルス

【処方対象】

小児、成人

【用法・用量・服用期間】

成人:ラニナミビルオクタン酸エステル40mgを1回吸入する。

10歳以上の小児:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを1回吸入する。

10歳未満の小児:ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを1回吸入する。

【妊娠中・授乳中の方について】

添付文書によると、妊娠中の方に対しては「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とあり、授乳中の方に対しては「投与する場合には授乳を避けさせること」とあります。

しかし、近年、各学会から妊娠中・授乳中の方に対して安全面での発表がされています。

妊娠中や授乳中の場合は、かかりつけ医と相談しましょう。

【新生児や乳児、小児の服用】

低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していませんが、これぐらい小さな子どもだと、吸入器を使うこと自体が難しいので吸入薬を処方されるケースはありません。

幼児に対しては、医師の判断によって投与される場合もあります。

【メリット・デメリット】

イナビルの最大のメリットは1回の吸入で済むことです。タミフルやリレンザのように数日間服用する手間はありません。

またリレンザと同様に、飲み薬が苦手な人や妊娠・授乳中の方への安全性の報告数が増えているのもメリットと言えるでしょう。

デメリットは、他の抗インフルエンザ薬と比べると、吸入の手順が比較的難しいため子どもや高齢者には使用しづらいことです。

関連記事:イナビルの長所・短所は?1回の吸入で終わるインフルエンザ治療薬「イナビル」を徹底解説

点滴する注射薬:ラピアクタ

ラピアクタ(成分:ペラミビル)

【特徴】

ラピアクタは注射薬です。イナビルと同様に、2010年に発売が開始された比較的新しい薬です。

【効果を発揮するインフルエンザウイルス】

■A型インフルエンザウイルス
■B型インフルエンザウイルス

【処方対象】

成人、小児

【用法・用量・服用期間】

成人

通常:ペラミビルとして300mgを15分以上かけて1回点滴する。

小児

通常:ペラミビルとして1日1回、10mg/kgを15分以上かけて1回点滴する。投与量の上限は、1回量として600mgまで。

【妊娠中・授乳中の方について】

ラピアクタの添付文書によると、妊娠中の方に対しては「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」、授乳中の方に対して「投与する場合には授乳を避けさせること」となっています。

ラピアクタの場合、他の抗インフルエンザウイルス薬と比べて臨床試験による妊娠・授乳中の方への投与使用経験が少ないため、安全性が確立されてません。

【新生児や乳児への投与】

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していないので注意してください。

【メリット・デメリット】

インフルエンザが重症化すると、飲み薬や吸入薬を系臆して飲み続けることがつらい時もあります。ラビアクタは患者の身体状態にかかわらず1回の点滴で済むので、その点はメリットと言えます。

関連記事:抗インフルエンザ薬・ラピアクタの効果や副作用について解説!

おわりに

インフルエンザに感染した場合、現在はタミフル・リレンザ・イナビルを処方される傾向が強いといえるでしょう。

それぞれの薬にはメリット・デメリットがあり、服用方法に注意が必要な場合もあります。

抗インフルエンザ薬はの正しい使用方法を知って、最大限の効果を得ることにつなげましょう。

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