今年もインフルエンザ感染が心配な時期になってきました。きちんと予防して体調管理に気をつけていても、感染を防ぎきれずにかかってしまうこともありますよね。
発熱、全身の倦怠感、食欲不振、吐き気などのつらい症状。インフルエンザのつらい症状のひとつに頭痛があります。
早くゆっくり眠って、治したいのに頭がズキズキ痛んで眠れない。横になって眠ろうとすると、頭痛が余計に気になってしまう。
今回は、そんなインフルエンザ時の眠れない頭痛の対処法のご紹介です!
インフルエンザと風邪の違いは?
インフルエンザと風邪は症状が似ています。まずは自分がインフルエンザなのか、風邪なのか確認することが大切です。
インフルエンザに感染している場合、特定の成分が含まれている解熱鎮痛薬を服用してしまうと、インフルエンザ脳症の予後の悪化やライ症候群を引き起こしてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
【風邪の主な症状】
・38℃以下程度の発熱
・鼻水
・鼻づまり
・せき
・喉の痛み
・頭痛
風邪の症状は、通常2〜3日かけてひどくなっていきます。くしゃみや喉などの上気道の症状が主な症状の場合が多いです。
【インフルエンザの主な症状】
・急な発熱(38℃以上)
・全身倦怠感
・関節痛
・筋肉痛
・目の充血
・頭痛
インフルエンザの症状は突然現れます。冬季に急激な風邪に似た症状を感じた場合、まずは病院で検査を受けることをおすすめします。
【インフルエンザの頭痛の特徴】
・痛みが強い
・長引く
・解熱後も痛みが続く
・重症化しやすい
インフルエンザ時の頭痛は、風邪のときや普段の頭痛に比べて痛みが強い場合があります。発熱や悪寒に加えて、普段とは違うほどの頭痛を感じたらインフルエンザを疑いましょう。
ウイルスのせいではない!インフルエンザの頭痛の原因
インフルエンザの頭痛はインフルエンザに感染あるのですが、インフルエンザウイルスそのものが痛みを引き起こしているわけではありません。
では、なぜひどい頭痛がおこってしまうのでしょうか。
頭痛の原因はプロスタグランジン
インフルエンザ時の頭痛を引き起こす原因物質は、インフルエンザウイルスではなくプロスタグランジンという物質です。
プロスタグランジンという物質は、ウイルスの侵入を伝達するために分泌されるサイトカインという物質と同時に体内で分泌されます。
インフルエンザ時の頭痛はプロスタグランジンの中でも痛みの増強や発熱をうながす種類が原因になっています。
ただし、プロスタグランジンは直接的に痛みを増強させているわけではありません。
プロスタグランジンには、痛みを感じやすくなる作用があるとされており、インフルエンザのときは、普段なら感じることもないほどの頭痛が生じてしまうのです。
インフルエンザの頭痛で眠れないときの対処法
インフルエンザでは自然な緩和を待つことが最も良いとされています。
それでも頭痛で眠れないときは、身体の働きを邪魔せずに症状を緩和する、以下の対処法を試してみましょう。
眠れないときの対処法①:冷やす
どうしても痛みが我慢できないときは、広がっている血管を収縮させましょう。
≪方法≫
タオルで巻いた氷枕で首の後ろや脇の下を冷やしてみましょう。(太い血管が通っているところを冷やします)
ただし発熱はウイルスを撃退するための自然な反応です。長時間冷やすと逆に治りが遅くなります。痛みが我慢できないときのみの対処法になります。
眠れないときの対処法②:血行を促進する
症状によって冷やすことでは、痛みを緩和する効果が得られない場合もあります。
そんな場合は、身体が緊張して筋肉の収縮が頭痛を引き起こしているおそれがあります。
首や肩を温めて、血行をうながしましょう。
眠れないときの対処法③:栄養を摂取
≪おすすめ食べ物≫
・タンパク質(白身魚・豆類・卵など)
・ビタミン、ミネラル(ほうれんそう・にんじん・かぼちゃ・果物など)
初期の頃は無理をせず水分をたっぷり補給して、少し症状が落ち着いたころ徐々に食事を摂っていきましょう。
眠れないときの対処法④:昼夜のリズムを取り戻す
症状が落ち着いてきたら昼間はベッドから出て、安静に過ごすことをおすすめします。
身体は正しいリズムで活動しているときこそ、健康な身体へ近づいていきます。
抗インフルエンザ薬の服用
病院で診察を受け、インフルエンザだと診断だとされると抗インフルエンザ薬を処方されます。抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスが身体の中で繁殖するのを防いでくれる薬です。
ウイルスの繁殖を抑えられると、頭痛の原因物質プロスタグランジンの分泌をおさえられます。
抗インフルエンザ薬はインフルエンザが発症してから48時間以内に服用する必要があるので、症状が出たらすぐに診察を受けることをおすすめします。処方された抗インフルエンザ薬を、用法・用量を守り正しく服用しましょう。
解熱剤は最終手段として使おう
インフルエンザと診断されると多くの場合、高熱期間分だけ解熱剤が処方されます。
高熱で本当につらいときだけ服用を許されるのは、解熱剤が症状を緩和してくれても、治療にはつながらないからです。
発熱や頭痛は、自分の身体がインフルエンザウイルスを撃退するための働きです。解熱剤によって熱を下げてしまうと、むしろインフルエンザは長期化することを覚えていきましょう。
それと同時に、インフルエンザ時の頭痛の原因が、日常に起こる頭痛や風邪による頭痛とは全く違うことをきちんと理解しておきましょう。一般的な解熱鎮痛剤や頭痛薬にはインフルエンザ時に服用すると、インフルエンザ脳症の予後の悪化やライ症候群などの重い病気の原因になりかねませんので注意が必要です。
おわりに
頭が痛いからといって、家にあった頭痛薬を安易に飲むなどの行為は大変危険です。
インフルエンザ時には、医師に処方された薬を用法・用量を正しく守り服用しましょう。