ギランバレー症候群は、インフルエンザ予防接種の重大な副反応のひとつとして報告されています。

この記事では、ギランバレー症候群とインフルエンザ予防接種の関連性や、早期発見が鍵となるギランバレー症候群の初期症状について解説します。

ギランバレー症候群とは?

ギランバレー症候群は、突然、筋肉を動かす運動神経が障害されて、両手両足に力が入らなくなる病気です。また他にも、食べ物が飲み込みにくくなる、物が二重に見える、しびれたりするなどの症状があり、自己免疫疾患のひとつと考えられています。

発症数は年間10万人あたり1~2人と、発病率が高いものではありませんが、早期に対処しないと後遺症を残すことがあるため注意が必要です。

インフルエンザ予防接種がギランバレー症候群の原因に?

ギランバレー症候群の原因ははっきりとはわかっていませんが、ウイルスや細菌などによる感染症が引き金になると考えられています。

発症する1~2週間前に何らかの感染症にかかっているケースが多く、約6割が上気道感染、2~3割が下痢などの消化器感染です。主な病原体は、カンピロバクター・サイトメガロウイルス・EB ウイルス・マイコプラズマなどが多く報告されています。

ギランバレー症候群は、まれに、ワクチン・抗菌薬・抗ウイルス薬・抗がん剤などの医薬品の使用による副反応として引き起こされることがあります。多くは使用後2週間以内に発症がみられますが、時には数か月以上経ってから発症することもあります。

インフルエンザ予防接種の重大な副反応のひとつ

インフルエンザワクチンによる副反応としては、1976年にアメリカでA型H1N1使用のワクチンが、ギランバレー症候群患者の増加と関係があるとされました。

インフルエンザワクチンが原因のギランバレー症候群については、接種後2週間以内の発症が多くみられ、6週間以内の発症がほとんどです。ギランバレー症候群の発症はごくまれですが、以前に発症したことがある人は、再発のリスクを高める可能性も考えられるため、予防接種は慎重に検討した方がよいでしょう。

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ギランバレー症候群は症状の早期発見が重要

ギランバレー症候群の初期症状

ギランバレー症候群は、急速に進行し悪化することがあるため、兆候を見逃さないことが大切です。初期症状には、次のようなものがあります。

・両足の筋力低下(力が入らない)
・歩行障害(つまずく・階段がのぼれない)
・両手・腕の筋力低下
・両側の顔の筋肉がまひする
・声が出にくい
・物が二重に見える
・食べ物が飲み込みにくい

ギランバレー症候群が疑われたら速やかに医療機関を受診

ギランバレー症候群は、症状が軽い場合は自然に回復する事もありますが、急速に悪化し、時には人工呼吸が必要になることもあります。一般的に2~4週間目で進行が止まり、その後は徐々に快方に向い、約3~6か月で元に戻ります。

治療は、早期の血液浄化療法や、免疫グロブリン大量静注療法が有効とされています。また、まひした手足の神経を回復させるためには、早い段階からのリハビリテーションも必要です。

運動神経や感覚神経の障害などの後遺症が残ることもあるため、早期診断、早期治療が重要な鍵となります。

 

おわりに

今回は、ギランバレー症候群とインフルエンザワクチンとの関連性について紹介しました。

ギランバレー症候群は、インフルエンザワクチンの副作用としての報告もありますが、発症はごくまれです。

万が一、インフルエンザ予防接種の後に、ギランバレー症候群の症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。