インフルエンザ感染後に早期の完治を目指すためには、しっかりと休養と栄養のある食事をとる必要があります。
そうはいっても、インフルエンザ感染中はなかなか食欲がわかないもの。
この記事ではインフルエンザ感染中でも食べやすく、症状の緩和にも役立つ食べ物や飲み物の選び方について解説します!お見舞いで食べ物を差し入れするときにもおすすめです。
インフルエンザのときにおすすめの食べ物
食欲がない場合は、無理に食事をとらずに水分補給につとめましょう。
少しでも食欲のあるときにおすすめの食べ物は、口あたりが良く消化しやすい次のようなものです。
・おかゆ
・うどん
・スープ
・アイスクリーム
・果物
一度にたくさんの量を食べると胃腸に負担を与えてしまうので、一回当たりの食事量を少なくし、徐々に食事回数を増やしましょう。
食べてはいけないものは?
インフルエンザウイルスと戦って体が疲れている時期は、消化に時間がかかる食べ物は控えましょう。
揚げ物やバターといった油脂類を多く含んだ食べ物、脂肪の多い肉類や魚類などです。
インフルエンザのときにおすすめの飲み物
インフルエンザを発症中は、高熱による発汗や下痢・吐き気などで身体の水分が不足しがちな状態です。水分補給を十分に行わないと脱水症状を引き起してしまいます。
脱水症状は最悪の場合、意識障害を招くおそれがあるため、こまめに水分補給を行いましょう。
ただし、吐き気がひどい時は、一度に水分を多く摂取すると吐き気が悪化してしまうことがあるので、少量の水分を回数を多くして飲むと良いでしょう。
お湯・麦茶
体を温めるお湯やカフェインの含まれていない麦茶は、インフルエンザのときの水分補給に適しています。
経口補水液・スポーツ飲料
インフルエンザに感染中は、発熱による汗や嘔吐や下痢などにより、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
OS-1をはじめとした経口補水液やポカリスエットなどのスポーツ飲料には電解質が含まれているので、失われたものを補うことができます。
栄養ドリンクは飲んでもいい?
栄養ドリンクにもいろいろな種類がありますが、ジオウ、ニンジン、ショウキョウなどの抵抗力を高める成分が配合されているものは、療養時におすすめです。また、栄養ドリンクによく配合されているイノシトールやニコチン酸アミド、ビタミンB6には、疲れをとる働きが期待できます。
ただし、インフルエンザのときに栄養ドリンクを飲む場合は、ノンカフェインやノンアルコールのものを選びましょう。カフェインには利尿作用があるため、脱水状態になりやすいためインフルエンザの感染時に摂取するのはおすすめできません。
また、アルコールが含まれる栄養ドリンクの場合、利尿作用に加えて薬との飲み合わせにも注意が必要です。タミフル・リレンザ・イナビルなどの抗インフルエンザ薬や、解熱鎮痛剤などを飲んでいる場合、アルコール入りの栄養ドリンクによって薬の効き目が強く出たり副作用が出てしまうことがあります。
避けた方がいい飲み物は?
胃腸への刺激を避けるため、冷たい飲み物は控えましょう。ホットドリンクは飲みたくないという場合は、常温にして飲みましょう。
同じく胃腸への刺激を避けるため、炭酸飲料やアルコール類もNGです。また、喉が痛む場合は、果汁がたっぷりのジュースが喉にしみるケースがあるので注意しましょう。
治りかけ・病み上がりのときにおすすめの食べ物
たんぱく質が含まれた食べ物
食欲が少しずつ回復してきたら、意識してとりたい栄養素がたんぱく質です。たんぱく質には体の修復をする働きがあります。
たんぱく質が含まれた食べ物には、次のようなものがあります。
・動物性たんぱく質…肉類・魚介類・卵・乳製品など
・植物性たんぱく質…豆類・穀類
ビタミンAが含まれた食べ物
喉や鼻の症状が気になる場合は、粘膜を守る働きがあるビタミンAを食事に取り入れましょう。
ビタミンAとして働く食べ物には、次のようなものがあります。
・卵
・レバー
・緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど)
ビタミンB群が含まれた食べ物
ビタミンB群は、ビタミンB1やB2、B6、B12をはじめとしたの計8種類の水溶性ビタミンの総称です。
たんぱく質や糖質の代謝をサポートするなど重要な役割を担っていますが、水に溶けるため、尿として排出してしまい、体内に蓄えておくことができません。
さらにインフルエンザ感染中は発熱によって失われやすく、不足しがちな栄養素といわれています。
ビタミンB群が豊富な食べ物には、次のようなものがあります。
・ビタミンB1…肉、豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜
・ビタミンB2…肉、卵黄、緑黄色野菜
・ビタミンB6…レバー、肉、卵、乳、魚、豆
・ビタミンB12…レバー、肉、魚、チーズ、卵
ビタミンCが含まれた食べ物
ビタミンCは、インフルエンザウイルスに対する抵抗力を高めたり、免疫力を高めるのに効果的な抗酸化作用を持つ栄養素です。人間には自分でビタミンCをつくる力がないため、食べ物などによって摂取する必要があります。
ビタミンCが豊富な食べ物には、次のようなものがあります。
・緑黄色野菜
・果物
子どもがインフルエンザ感染したときの食事
子どもがインフルエンザに感染した場合も、基本的に食事のとり方は同じです。先ほど紹介した食べ物や飲み物を積極的にとりましょう。
さらにプラスして、子どもの食事では、下記の3点に注意してください。
脱水症状には大人以上の注意を
子どもは自分の症状を大人に伝えにくい分、脱水症状を起こしても気づきにくい場合があります。そのため、水分補給は大人以上に細やかな配慮が必要です。インフルエンザ感染中は吐き気や発熱でぐったりしているので、1回あたりの飲み物の量を少なくして、そのぶん頻繁にとりましょう。
次の症状がみられると、脱水症状の兆候である可能性があります。かかりつけ医に相談し、的確な指示を仰いでください。
・唇が渇いている
・肌がカサカサしている
・目の周りがくぼんでいる
・脈が速くなっている
解熱後の咳や鼻づまりがひどい場合は要注意
熱が下がった場合も、その後の咳や鼻づまりがひどい場合は注意が必要です。こうした不快な症状から食欲が減ってしまい、飲み物も受け付けなくなってしまうおそれがあります。子どもの脱水症状では比較的よくみられるケースなので、こうした場合は熱が下がっていても病院へ受診し、医師へ相談するのが理想的です。
スポーツ飲料は薄めて飲ませる
子どもがインフルエンザにかかった場合は、お茶だけでなく、スポーツ飲料も薄めて飲ませてあげましょう。スポーツ飲料には糖分が含まれています。子どもがスポーツ飲料をそのまま飲むと、糖分の過剰摂取となってしまいます。子どもに飲ませるときには、水やお湯で2~3倍に薄めてください。
欲しがっている食べ物を優先的にあげる
子どもがインフルエンザにかかると、大人と同じ症状であっても、よりつらく感じるものです。そのため大人以上に食欲をなくしてしまう傾向にあります。
栄養をがあるものをたくさん食べて少しでも早く治ってほしいものですが、無理に食事を与えることはおすすめできません。無理に食べさせると吐き出してしまったり、食事がつらいものという印象がついてしまいます。
インフルエンザ感染中は、子どもが欲しがっている食べ物を優先的に食べさせてあげるようにしましょう。たとえば、おかゆやうどんは嫌がっても、ゼリーやプリンなら食べるケースがあります。刺激物は避けながら、好きなものを少しずつ食べさせてあげましょう。
インフルエンザは食べ物では感染しない
インフルエンザは食べ物からは感染しません。
ただし、食べるときにはマスクを外すため、インフルエンザに感染している人と一緒に食事をとることで、感染を広げてしまうおそれがあります。
インフルエンザに感染している方は、家族とは別の場所でひとりで食事ととることをおすすめします。
インフルエンザに感染した子どもに食事をあげる場合は、一緒に食べるのではなく、大人はマスクをして子どもに食事をあげるようにしましょう。
また、インフルエンザウイルスは、洗剤などの使用で死滅します。そのため、きちんと洗浄すればば感染に対して、それほど神経質になることはありません。念のため、感染者と同じ食器やコップを使用することは避けるとより安心です。
おわりに
インフルエンザ感染中、どうしても食欲がないときは無理に食べる必要はありません。ただし、脱水症状を起こしやすくなっていますので、水分補給はこまめにするよう心がけましょう。今回紹介した食べ物や飲み物で早めの体力回復を目指してください。