インフルエンザの吐き気・嘔吐はB型で出やすい!

インフルエンザの主な症状といえば38℃以上の急な高熱。そのほか風邪症状にみられるような頭痛、咳、咽頭痛、鼻水、筋肉痛、関節痛などが全身に現れます。

そして気をつけたいのが吐き気や嘔吐、下痢など消化器系の症状です。症状をこじらせると回復の遅れや二次感染への危険性がさらに高くなってしまいます。そのため、できるだけ症状を悪化させないように、吐き気や嘔吐にも正しい対処が求められます。

インフルエンザの中でも特に流行しやすいのが、A型インフルエンザとB型インフルエンザです。

A型インフルエンザの症状の特徴

A型インフルエンザは感染力と増殖力が強いため、感染から発症までの期間が短く、急激に症状が進行します。初期症状から激しい全身症状が出ることも特徴です。

A型インフルエンザは、高熱、悪寒、筋肉痛・関節痛の全身症状に加えて、咳などの呼吸器症状が強くでる傾向があります。風邪よりも強い喉の痛みやひどい鼻づまりをともないます。

A型インフルエンザについて詳しくは関連記事をごらんください。

B型インフルエンザの症状の特徴

基本的な症状は、A型とほとんど変わりません。インフルエンザの初期症状は、発熱、悪寒や筋肉痛・関節痛の全身症状が先に出るのが特徴ですが、B型の場合は次のような特徴があります。

・吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状が強く出る傾向がある
・38~40℃の高熱が出ないケースがある

特に胃炎を起こしやすく、吐き気や嘔吐、下痢の症状が現れ、乳幼児は食欲がなくなって脱水症状を起こすこともあります。

A型インフルエンザにかかったからといって、吐き気や嘔吐の症状が全くないというわけではありませんが、B型インフルエンザの方が吐き気や嘔吐、さらには下痢などの消化器関係の症状を引き起こしやすいということを抑えておきましょう。

B型インフルエンザについて詳しくは関連記事をごらんください。

吐き気・嘔吐の症状はいつまで続く?

体がウイルスを受け付けないために吐き気や嘔吐の症状が出たり、腸まで届いたウイルスを排出するために下痢が起こることもあります。

インフルエンザの熱は1〜2日で治る場合がほとんどですが、吐き気や嘔吐は熱が下がっても続くことがあります。人によっては4〜7日程続く場合もあるようです。

吐き気や嘔吐、下痢などの症状はとてもつらいものですが、これは体の防衛反応です。なるべく薬は使用せず、我慢しないで全て出すようにしましょう。

また、嘔吐や下痢の症状によって脱水症状を引き起こすこともあるため、水分補給を忘れないようにしましょう。

あまりにも症状がひどい場合や、症状が長期化し改善の気配がない場合は、医師の診断を受けて適切な処置を行いましょう。

インフルエンザで吐き気・嘔吐が起こる原因

インフルエンザウイルスによって起こる吐き気・嘔吐

インフルエンザウイルスは生きたまま消化管にとどまっていられることが報告されているため、嘔吐や下痢などによってウイルスを排出していると考えられます。

また、異物を体外に出そうとする体の防衛反応であるとも考えられます。薬などで無理に吐き気・嘔吐を止めるとウイルスが消化管に留まったままになるため、できる限り薬は使用しない方が良いでしょう。

抗インフルエンザ薬の副作用によって起こる吐き気・嘔吐

抗インフルエンザ薬を使用し始めた後に吐き気や嘔吐を生じる、もしくはインフルエンザの発症時よりも吐き気が強くなるといったことがあれば、抗インフルエンザ薬による副作用の可能性があります。

代表的な抗インフルエンザ薬は、内服薬のタミフル、吸入器を使って薬剤を吸い込むリレンザとイナビル、点滴タイプのラピアクタの4つです。

病院で処方される抗インフルエンザ薬は、身体の中のインフルエンザウイルスの増殖をおさえることにより症状を快方へと導くので、治療には欠かせません。しかし、吐き気や嘔吐の他にも発熱、下痢、倦怠感、めまいなどの副作用があることも知ったうえで使用することが大切です。

予防接種の副反応によって吐き気・嘔吐が起こる場合も

インフルエンザの流行シーズン前には予防接種を受けることが推奨されていますが、インフルエンザワクチンの接種によって、吐き気や嘔吐の症状が引き起こされる場合があります。

インフルエンザワクチンの比較的頻度が高い副反応としては、接種した部分の発赤・腫れ、痛みなどがあります。全身の症状としては、発熱、頭痛、吐き気・嘔吐、悪寒・寒気、倦怠感などがあります。

また、稀にワクチンに対するアレルギー反応として、発疹、じんましん、かゆみなどがみられることがあります。

厚生労働省の報告によると、インフルエンザワクチンによって接種した部位に副反応が現れる確率は10〜20%で、全身の症状がみられる確率は5〜10%です。

これらの症状は通常2〜3日で消失することが多く、それらの症状によって周囲にインフルエンザウイルスが感染することもないので、過剰に心配する必要はないようです。

解熱後に吐き気・嘔吐がある場合

吐き気や嘔吐は、インフルエンザの初期症状としてもよく現れますが、解熱後や完治後に起こる場合もあります。熱が下がると、なんとなくインフルエンザが治ったような気持ちになりますが、体内にはまだウイルスが潜んでいるため注意しましょう。

解熱後に吐き気や嘔吐がある場合

インフルエンザは感染してから約1〜3日の潜伏期間を経て発症します。

発症後約1〜3日目くらいに、突然38度以上の高熱や関節痛、筋肉痛、頭痛などの症状が現れ、その後咳や喉の痛み、鼻水などの呼吸器の症状が現れるというパターンが多くあります。他にも腰痛や悪心などの消化器症状がでることもありますが、それらの症状は基本的に7日前後で治るとされています。

インフルエンザによる熱の症状は大体1〜2日程で治ることが多いですが、熱が下がったからといって、完全に体内のウイルスが消滅したというわけではありません。体内に残ったウイルスへの反応として、吐き気や嘔吐、頭痛、咳・痰などの症状が解熱後にも続くことがあります。

熱が下がっても、インフルエンザの症状が完全に治るまでは無理をしないようにしましょう。

インフルエンザ完治後に吐き気や嘔吐がある場合

インフルエンザを発症してから10日ほど経っても吐き気や嘔吐の症状が続いている場合、胃腸炎などの他の病気にかかっているおそれがあります。

免疫力が下がっていることで感染性の胃腸炎にかかるケースなどもあるため、吐き気や嘔吐の症状が長期化している場合はなるべく早く病院を受診しましょう。

吐き気・嘔吐が起こったときの対処法

インフルエンザによって吐き気や嘔吐の症状が出た場合、次のような対処法を取りましょう。

脱水症状には十分に気をつけ、症状があまりにもひどい場合にはもう一度病院を受診しましょう。

吐き気・嘔吐を我慢しない

吐き気が起こったら我慢せずに排出しましょう。

インフルエンザの感染で起こる嘔吐は、体がウイルスを体内から排除しようとしている反応です。吐き気止めの薬などでおさえずウイルスを吐き出すことがポイントです。

また、吐き気が強いときはにおいにも敏感になります。嘔吐した後の口臭が吐き気を誘発することがあるので、水や塩水などで口をゆすぐとスッキリします。

こまめに水分補給を

高熱による発汗と嘔吐を繰り返すことで、体の水分やミネラルが失われ脱水症状が起こりやすくなっています。

嘔吐や下痢、発汗などによって失われた体液には、水だけではなくナトリウムなどの電解質も含まれています。

水分だけを摂取すると体内の電解質濃度のバランスが崩れ、余分な水分を排出しようとしてしまいます。これによって脱水症状を悪化させるおそれがあるため、電解質の摂取も忘れないようにしましょう。

嘔吐が続く場合は摂取した水分もすぐに吐いてしまうことがあるため、吐き気がおさまったタイミングを見て水分補給をしましょう。

脱水症を防ぐ飲み物として販売されている経口補水液や、家でもできる経口補水液の作り方については関連記事をごらんください。

抗インフルエンザ薬を変えてもらう

4種類ある抗インフルエンザ薬のうち、どの抗インフルエンザ薬を使用するかは医師の診断によって決まります。

しかし、最初に処方された抗インフルエンザ薬が体に合わず、吐き気や嘔吐で使用が困難な場合は、医師に相談のうえ他の種類の抗インフルエンザ薬も検討してみましょう。

薬を使用しても吐いてしまうような強い吐き気があるときは、点滴タイプの抗インフルエンザ薬が有効な場合があります。

強い吐き気のために飲み薬を使用できないことを医師に説明し、適切だと判断された場合に使用されます。

吐き気や嘔吐が治まってきたら

吐き気や嘔吐が治まって食欲が出てきたら、少しずつ栄養を摂り始めましょう。

症状が軽くなってきても、胃腸はまだまだ疲れ切っています。

お粥やいつもより柔らかく炊いたご飯、うどんなど、消化によく胃腸に負担の少ない食事にしましょう。野菜などは小さく切り食べやすいように工夫します。また、サラダなどの生野菜は避け、蒸し野菜や茹で野菜にしましょう。

香辛料などの刺激の強いもの、揚げ物や炒め物などの脂っこいものは、かえって吐き気を催してしまうため控えましょう。飲み物は牛乳などの乳製品やジュースではなく、白湯や温かいお茶を少しずつ補給するようにしてください。

嘔吐物からの感染防止も忘れずに

家族の誰かがインフルエンザにかかったら、看病中はもちろん嘔吐の後処理をするときにも感染予防が必要です。

後処理をする際には、最初にマスク、エプロン、ビニール袋、ゴム手袋、ビニール手袋を用意し、バケツに消毒薬を入れ新聞紙を浸しておきます。

窓を開け喚起をしてにおいを遠ざけたら、ビニール手袋をつけた上にゴム手袋を重ねてから作業に移りましょう。

飛び散った嘔吐物の上に消毒薬に浸しておいた新聞紙をそっと置きふき取りながらビニール袋へしまいます。中身が漏れないように、ビニール袋の口はきつく縛ってください。

嘔吐物の処理で使った、マスク、手袋、エプロンも一緒に捨て、処理後は手や腕をしっかり洗い、衣服も放置せず早めに洗います。可能であれば、シャワーで全身をしっかり洗い流すようにしましょう。

おわりに

高熱や体の痛み・咳・吐き気などインフルエンザの症状がつらいと、すぐに薬に頼りたくなってしまいますが、薬を服用するにも適したタイミングがあり、場合によっては服用しない方が良い場合もあることを念頭に置いておきましょう。

吐き気や嘔吐は、ウイルスを追い出し身体を守るために必要な反応です。

インフルエンザウイルスを少しでも早く排出するには、身体の反応を理解し、応援してあげなければなりません。そのためには、できるだけ身体に現れる反応や症状に合った対処をすることが大切になります。