インフルエンザの解熱にボルタレンは危険!使用禁忌の理由は?

解熱剤ボルタレンをインフルエンザの解熱に使用できない理由を解説!ボルタレンの成分とインフルエンザの関係、ボルタレンを使ってしまった場合の対処、インフルエンザのときに使えない成分など薬剤師監修のもと解説します!

ボルタレンは痛みや炎症をおさえる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。

錠剤・塗り薬・湿布・座薬などさまざまな形状で販売されています。医師の処方箋が必要な薬であり、ボルタレン錠とボルタレンサポ(坐剤)は劇薬にも指定されています。

ボルタレンはNSAIDsの中でも強い鎮痛消炎効果を期待できますが、インフルエンザのときには避ける必要がある薬です。

この記事ではインフルエンザとボルタレンの関係を解説します!

ボルタレンはインフルエンザの解熱に使用しないこと!

2001年、厚生労働省ではインフルエンザ脳症・脳炎の重症化にボルタレンの成分であるジクロフェナクナトリウムが関与しているおそれがあると発表しました。

インフルエンザ脳症はインフルエンザが引き起こす合併症のひとつです。インフルエンザ脳症は進行が早く、インフルエンザで高熱が出た後、数時間~1日の間に意識障害や神経症状がみられます。治療をしなかった場合の致死率は10%弱で、発症した子どもの25%には後遺症が残るなど、インフルエンザの合併症の中でも重篤な病気です。

インフルエンザの解熱にボルタレンを飲んだ場合、インフルエンザ脳症・脳炎が起きたときの重症化のリスクが高まるおそれがあります。

また、ボルタレンは用法用量を誤って使用すると危険な薬です。医師の指示以外の用法用量で使用しないでください。

インフルエンザ脳症については関連記事をごらんください。

子供にボルタレンは厳禁

ボルタレンの添付文書には、インフルエンザに感染している場合はボルタレンを使用しない旨の注意喚起が記載されています。

厚生労働省からは、インフルエンザに感染している15歳未満の子供には、ボルタレンは使用しないことと通達が出されています。2017年現在では、特別な場合を除いて子供にボルタレンは使用されなくなりました。

成人もボルタレンを避けること

インフルエンザを発症した場合や、インフルエンザの発症が疑われる場合は、年齢を問わずボルタレンの使用を控えてください。

「子どもに危険なら成人にも使用すべきではない」と考える医師も多く、インフルエンザのときにボルタレンが処方されることはあまりありません。

また、インフルエンザ脳症の発症率は8割以上が5歳までの子どもですが、成人でも発症するおそれがあります。

インフルエンザでボルタレンを使ってしまった場合は?

インフルエンザが疑われるときにボルタレンを使ってしまった場合、まずは焦らずに体調の変化を観察しましょう。

ボルタレンはインフルエンザ脳症・脳炎を発症した場合に死亡率が高くなる薬なので、インフルエンザ脳症・脳炎が発症していない限りはひとまずは経過観察しましょう。

体調に変化がなければ通院などの特別な対処をしなくても問題ありませんが、不安なことがあれば医療機関を受診しましょう。

なお、インフルエンザ脳症・脳炎では、激しい嘔吐、意識がなくなる、けいれんなどの初期症状が現れます。インフルエンザ脳症・脳炎が疑われる初期症状が現れた場合は、救急車を呼ぶなどすぐに対処してください。

ボルタレンのほかに避ける解熱鎮痛剤

ボルタレンのほかにインフルエンザの解熱に避ける解熱鎮痛剤の成分は、サリチル酸系に分類される成分とメフェナム酸です。

これらの成分はライ症候群の発症に関わっていたり、インフルエンザ脳症を発症したときに重症化を招く危険性があります。自己判断で家に残っている薬を使用しないでください。

【インフルエンザで避けるべき解熱鎮痛剤】

成分名 代表的な製品
アスピリン(アセチルサリチル酸/サリチル酸系) アスピリン、バイアスピリン、バファリン配合錠 など
サリチルアミド(サリチル酸系) PL配合顆粒、幼児用PL配合顆粒、ピーエイ配合錠 など
エテンザミド(サリチル酸系) エテンザミド など
(市販薬にも使われる成分なので要注意!)
ジクロフェナクナトリウム ボルタレン、ナボール など
メフェナム酸 ポンタール など

インフルエンザで市販薬は使える?

インフルエンザは基本的には病院を受診しますが、夜間や休日で病院が閉まっているとき、どうしてもすぐに病院に行けないときなどのつらい症状に応急処置として市販薬を活用することができます。

ただし、市販薬の中にもインフルエンザの解熱に使用してはいけない成分を含んだ薬があります。市販薬を購入する際には薬剤師や登録販売者に相談すると安心できます。

インフルエンザに使える市販薬については関連記事をごらんください。

インフルエンザの解熱にはアセトアミノフェンを

インフルエンザの解熱にはカロナールが推奨されています。

カロナールはアセトアミノフェンという成分から作られている解熱鎮痛剤で、作用がおだやかで安全性が高いことから、インフルエンザのときでも安心して使用できます。

カロナールの詳細については関連記事をごらんください。

おわりに

ボルタレンは、インフルエンザに限らず医師の処方以外の症状に使う薬ではありません。手元にあるからといって、自己判断で使わないように注意してください。

インフルエンザが疑われる高熱が出た場合は、早めに病院を受診してインフルエンザの検査を受けましょう。

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