インフルエンザの解熱にボルタレンは危険!使用禁忌の成分と理由は?

インフルエンザの解熱にボルタレンの使用は控えましょう。使用禁忌の理由と、ボルタレンの成分やインフルエンザとの関係を解説します!

インフルエンザに感染すると、特徴的な症状として高熱があらわれます。
高い熱があると苦しく、よく眠れないために一時的にでも熱を下げようと解熱剤を使いたくなるでしょう。

しかし、インフルエンザの際には使用に注意が必要な解熱剤があります。
ボルタレンもそのひとつであり、インフルエンザの際に独断で使用することは大変危険です。

この記事ではボルタレンが避けるべきといわれている理由と、インフルエンザのときに避けたい成分、推奨される成分を合わせて紹介します!

ボルタレンはインフルエンザの解熱に使用しない!

ボルタレンは痛みや炎症を抑える非ステロイド系の抗炎症薬です。
さまざまな形状で販売されていますが、飲み薬であるボルタレン錠ボルタレンSRカプセルと座薬であるボルタレンサポは、市販されておらず医師の処方箋が必要な薬です。
とくに錠剤と座薬は劇薬指定されており、他の解熱鎮痛剤と比較しても作用の強い薬です。

数ある解熱鎮痛剤の中でも、強い効果を期待できるボルタレン。
しかし、インフルエンザの解熱にボルタレンを飲もうとしたときは、ストップしてください。
ボルタレンの成分、ジクロフェナクナトリウムはインフルエンザの際に避けるべき成分なのです。

ボルタレンが危険な理由:飲んでしまったときは?

厚生労働省インフルエンザ脳炎・脳症研究班は、インフルエンザ脳症・脳炎の患者にボルタレンを処方しないと発表しました。
ボルタレンの販売元であるノバルティスファーマ株式会社でも同様の発表がされています。

インフルエンザ脳症・脳炎の重症化に、ボルタレンの成分であるジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)が関与する可能性があると指摘されたためです。
インフルエンザの解熱剤としてボルタレンを飲んでいた場合、脳症が起きたときに重症化の危険度が高まってしまうのです。

参考:1999/2000年シーズンにおけるインフルエンザ脳炎・脳症二次調査の概要

インフルエンザ脳症はインフルエンザが引き起こす合併症の1つです。
発症するととにかく進行が早いことが特徴で、インフルエンザで高熱が出た後、数時間~1日の間に意識障害や神経症状がみられます。
致死率は10%弱あり、発症した子どもの25%には後遺症が残るなど、インフルエンザの合併症の中でも特に重篤な疾患です。
発症の8割以上が5歳までの子どもですが、大人にも発症の可能性はあります。

インフルエンザにかかった場合、インフルエンザ脳症をいつ発症するかは誰にもわかりません。
そのため医師の中にはインフルエンザを発症した段階で、ボルタレンは禁止とはっきりと言うことも多くあります。

子どもにボルタレンは厳禁!

ボルタレンの重要な注意事項として「小児のウイルス性疾患(インフルエンザ、水痘)の患者に投与しないことを原則とする」と書かれています。

小児等への投与

ウイルス性疾患(水痘、インフルエンザ等)の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。

ボルタレン錠25mg添付文書

小児科では、アセトアミノフェンを成分とする、カロナール、アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤が解熱鎮痛剤として処方されるので、ボルタレンを使うことはありません。

インフルエンザが流行している時期は、子どもが熱を出したときに安易にボルタレンなどを使用しないよう注意しましょう。

成人の場合でもボルタレンは避ける

子どもに多いインフルエンザ脳症ですが、インフルエンザを発症したら成人であってもインフルエンザ脳症になる可能性はあります。
いつインフルエンザ脳症を発症するかわからない以上、リスクを回避するためにもボルタレンの服用は避けてください。

もともとボルタレンは処方薬であるので、処方されたときの指示以外の飲み方は避けなければなりません。

また座薬のボルタレンサポも、ジクロフェナクナトリウムを成分としているため、同様に避ける必要があります。

万が一ボルタレンを飲んでしまったら?

インフルエンザの発症が疑われる時に万が一ボルタレンを飲んでしまった場合は、体調の変化に注意し、早急にインフルエンザで受診した医師に相談してください。
インフルエンザの時に、とくに解熱鎮痛剤は注意すべき成分があるので自己判断で薬を服用しないようにしましょう。

インフルエンザの解熱で避けた方が良い成分

インフルエンザに使用する解熱鎮痛剤で避けた方が良い成分は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)内の「サリチル酸系+α」と呼ばれるグループの解熱鎮痛・消炎成分です。

【代表的なサリチル酸系の成分】
・ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン)
・アスピリン、アセチルサリチル酸(商品名:バイエルアスピリン、バファリンAなど)
・サリチル酸ナトリウム
・サザピリン
・サリチルアミド(商品名:PL配合顆粒・ピーエイ配合錠など)
・エテンザミド(市販薬にも使われるので要注意!)
・ジフルニサル
・メフェナム酸(商品名:ポンタール)

これらの成分が避けられる理由は、その成分の解熱鎮痛剤を使用した小児にインフルエンザ脳症(ライ症候群)が発生し、死亡事故が起こった事例があるためです。

インフルエンザの解熱にはアセトアミノフェンを

インフルエンザで使われる解熱鎮痛成分では、アセトアミノフェンが最も安全性が高いとされています。安全性の高さから、成人だけでなく子供や妊婦も安心して使うことができます。

成人であれば、アセトアミノフェンの他にもイブプロフェンロキソプロフェンが使用されることも多くあります。
医師から抗インフルエンザ薬とともに、解熱剤としてロキソプロフェンが成分のロキソニンを処方されることも多くあります。

おわりに

ジクロフェナクナトリウムが成分であるボルタレンは、脳症を発症した場合、重症化の恐れがあるのでインフルエンザの高熱では使用を避けましょう。

ボルタレンは主に頓服(1日に何回と決めず、症状が出たときに服用する)用として処方される薬です。ボルタレンをはじめとした処方薬は、家に残っているからと安易に使うことは控えなければなりません。

インフルエンザの解熱剤として使用する場合は、アセトアミノフェンが成分の薬を選ぶと安全です。分からないことは必ず医師や薬剤師に確認するようにしましょう。

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