インフルエンザにクラリスは効果あり?!インフルエンザの時に処方される理由を解説

インフルエンザにかかったとき、クラリスを処方されることがあります。病気の原因はウイルスなのに、なぜ細菌をやっつける抗生剤が処方されるのでしょうか。インフルエンザの時にクラリスを処方される理由や効果効能、副作用など、徹底解説します。

はじめに

一般的にインフルエンザというと、冬に猛威をふるう流行性感冒を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

インフルエンザの原因はインフルエンザウイルス

しかし、似たような名前でまったく違う病気を引き起こすインフルエンザ菌というものがいることをご存知でしょうか。

抗生剤であるクラリスは、このインフルエンザ菌の増殖を抑える薬。

インフルエンザ菌は、髄膜炎や咽頭蓋炎など重大な感染症の原因菌で、クラリスはその治療薬のひとつです。

ところが、ウイルスが原因の流行性感冒・インフルエンザのときにも抗生剤・クラリスが処方される場合があるのです。

ウイルスが原因なのに、菌をやっつける薬を使用?!

ちょっとややこしい流行性感冒・インフルエンザとクラリスの関係について徹底解説します。

インフルエンザでクラリスが処方される理由

インフルエンザの薬というとタミフルやリレンザ、イナビルなどの抗ウイルス剤が代表的。

インフルエンザの発症後48時間以内に服用することでウイルスの増殖を抑え、症状を軽くするとされています。

一方のクラリスは抗生剤。感染症にかかった際に、細菌の増殖を抑えて炎症を鎮める薬として処方されるものです。

このことだけを考えると「ウイルスが原因のインフルエンザに、クラリスの処方は違うのでは?」という疑問が生じるかと思いますが、じつはクラリスの処方はあり!なのです。

ウイルス性のインフルエンンザを発症すると、高熱などの激しい症状で体が衰弱し、免疫力も低下します。免疫力が低下すると、さまざまな感染症にかかりやすくなります。

クラリスはインフルエンザそのものの治療薬ではなく、体力の消耗で免疫力が低下した際の感染症予防として処方されるのです。

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クラリスの効果効能

クラリスはそもそもどのような薬なのでしょうか。

販売名:クラリス錠200

主要成分:クラリスロマイシン

クラリスは、医師のだす処方箋がなければ購入できない処方薬です。

抗生物質は、細菌やカビ(真菌)などの病原微生物が生育するのに必要なたんぱく質ができるのを阻害するもので、病原微生物の増殖を抑えるよう働きかけます。

細菌による感染症において広く使用されており、胃潰瘍などを引き起こすとされているヘリコバクター・ピロリの除菌療法にも使われます。

<クラリスの適応菌種>

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、カンピロバスター属、ペプトストレプトコッカス属、クラミジア属、マイコプラズマ属、マイコバクテリウム属、ヘリコバクター・ピロリ

<適応症>

・表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症

・外相・熱傷および手術創などの二次感染

・肛門周囲膿瘍

・咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染

・尿道炎

・子宮頸管炎

・感染性腸炎

・中耳炎、副鼻腔炎

・歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

・マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス症を含む非結核性抗酸菌症

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ感染症など

クラリス錠200 | 添付文書 | 医療関係者向け情報 | 大正富山医薬品株式会社

クラリスの注意点と副作用について

抗生物質は細菌をやっつけるための薬。

通常、私たちの体内にはさまざまな細菌が住み着いていますが、抗生物質の服用により体に有用な菌までやっつけてしまう場合があります。

また抗生物質を繰り返し、あるいは長期間使っていると、抗生剤が効きにくい耐性菌を作ってしまう可能性もあります。

このため、服用にあたっては必ず医師等の指導に従い、用法・用量を守ることが重要です。

また主な副作用に腹痛、下痢・軟便等の消化器症状、ALT(GPT)、AST(GOT)上昇、好酸球増多などがあります。

薬を服用していて少しでも体調不良がみられたら、すぐに医療機関に行き、飲んでいる薬を医師に伝えて指示を仰いでください。

大正製薬のクラリス錠200の効果、用法用量、成分、添加物、薬効分類を掲載

インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌は全く違う病原体

クラリスの適応菌種にあるインフルエンザ菌は、流行性感冒のインフルエンザとまったく関係がない細菌です。

インフルエンザウイルスが発見されるまで、この菌が冬のインフルエンザの原因とされていたため、この名前がついています。

インフルエンザ菌にはいくつか種類がありますが、肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症のほか、中耳炎、副鼻腔炎、喉頭蓋炎、髄膜炎などを引き起こします。

なかでもb型インフルエンザ菌(Hib)は乳幼児の重症髄膜炎や肺炎などの原因として知られ、この場合はワクチン接種で予防する方法が一般的となっています。

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おわりに

流行性感冒・インフルエンザのときは、抗ウイルス剤を使ってウイルスの増殖と感染の広がりを抑えるのが基本です。

クラリスはあくまでも二次的に免疫力の低下で他の細菌に感染することを避けるために使う薬であることを理解しましょう。

また、同じインフルエンザにかかったとしても、他の人が処方された薬や、以前、処方された薬を自己判断で服用しないようにしましょう。

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