授乳中にインフルエンザ予防接種を受けても大丈夫?

インフルエンザの予防接種は、授乳中でも受けることが可能です。

インフルエンザ予防接種のワクチンは「不活化ワクチン」といって、ウイルスを殺して毒性をなくし免疫をつけるのに必要な成分だけを取り出したものです。不活化ワクチンは体内でウイルスが増殖することがないため、母乳に影響を与えることはありません。

インフルエンザワクチンについては関連記事をごらんください。

また、赤ちゃんのインフルエンザ感染を防ぐためには、周りの家族がインフルエンザの予防対策を行うことが一番の予防法です。赤ちゃんがいる家庭では、予防接種は積極的に受けましょう。

インフルエンザに感染していても授乳できる?

インフルエンザ感染中でも授乳をしても問題ありません。

母乳からウイルスが移行することはないため、母乳を通して赤ちゃんにインフルエンザがうつることはありません。

母乳には赤ちゃんをウイルスや細菌から守る物質が含まれており、母乳を飲むことによって赤ちゃんの免疫力が上がる効果があります。

インフルエンザの症状が重くてつらい場合には、搾乳して健康な第三者に与えてもらうと良いでしょう。

抗インフルエンザ薬を飲んでも授乳できる?

インフルエンザウイルスの増殖をおさえる抗インフルエンザ薬は、タミフル・イナビル・リレンザが代表的です。

タミフル・イナビル・リレンザの添付文書には、使用する場合は授乳を避けさせるようにという記載がされていますが、欧米では母乳中への薬の成分の移行はわずかであることから授乳の継続を可能としています。

また、日本産科婦人科学会では抗インフルエンザ薬を使用中でも母乳を与えても良いとしています。

授乳中の場合は必ず医師に申告し、薬の使用について相談しましょう。

タミフル

母乳中に移行する成分量はわずかであり、母乳を通じて赤ちゃんに影響が出る可能性はほとんどないとされています。

しかし、製薬会社ではタミフルを使用後48時間が経ってから授乳を再開することを推奨しています。

医師に授乳中であることを伝え、使用するかどうかは相談しましょう。

タミフルについて詳しくは関連記事をごらんください。

イナビル

イナビルは吸入薬で直接喉や気管支に作用するため、血液中への成分への移行が少なく母乳にもほとんど移行しません。

2013年に行われた第44回日本小児臨床薬理学会では、授乳婦がイナビルを使用した時の母乳中の薬物濃度測定についての発表がありました。

検査の結果、「イナビル吸入後1~46時間の母乳の薬物濃度を測定した所、全ての例において薬物濃度が検出限界未満であった」ことが発表され、授乳婦に対するイナビル投与の安全性は高いと示されました。

イナビルについて詳しくは関連記事をごらんください。

リレンザ

リレンザもイナビルと同様、吸入薬で血液や母乳への移行が少ないため、授乳中でも処方されることがあります。

医師に授乳中であることを伝え、使用するかどうかは相談しましょう。

リレンザについて詳しくは関連記事をごらんください。

抗インフルエンザ薬を飲まない選択肢もある

インフルエンザは抗インフルエンザ薬を飲まないと治らないわけではなく、基本的には自然治癒が可能な病気です。

抗インフルエンザ薬を使用することでインフルエンザウイルスの増殖を防ぎ、使用しない場合に比べて治癒を多少早める効果があります。

しかし、授乳中に薬を使用する不安が強い場合は抗インフルエンザ薬を飲まないという選択肢を選んでも良いでしょう。ただし、自己判断するのではなく、医師に相談して決めることをお勧めします。

インフルエンザの治療方法については関連記事をごらんください。

症状がつらいときはアセトアミノフェンの薬を

インフルエンザの症状がつらく授乳もままならない場合には、解熱鎮痛薬を使用して症状を和らげるという方法もあります。

アセトアミノフェンは安全性の高い薬で、インフルエンザのときにアセトアミノフェンを主成分としたカロナールが処方されることもあります。

症状がつらい場合は医師に相談して解熱鎮痛薬を処方してもらうことも良いでしょう。

病院にすぐに行くことができない場合は、アセトアミノフェン単一成分であるタイレノールAを使用することができます。

タイレノールA

病院で処方されるカロナール錠300と同量のアセトアミノフェンが配合されています。

インフルエンザのときの解熱剤の使用については関連記事をごらんください。

赤ちゃんへのインフルエンザ感染対策

インフルエンザは母乳から赤ちゃんに感染しませんが、自分や周りの大人がインフルエンザに感染している場合、赤ちゃんにうつさないために日常生活での注意を徹底しましょう。

マスクを必ず着用する

インフルエンザは感染者の咳やくしゃみを吸い込むことで感染します。赤ちゃんの周りにいる方は室内でもマスクを着用しましょう。

授乳時などは特に赤ちゃんとの距離が近づくため、マスクの着用を徹底してください。

こまめに手を洗う

鼻をかんだりくしゃみや咳をおさえた手で赤ちゃんに触れるのはやめましょう。

鼻をかんだティッシュは蓋つきのごみ箱へ捨て、鼻をかんだりくしゃみなどを手でおさえたあとに赤ちゃんに触れる場合は必ず手洗いをしましょう。

適度な加湿とこまめな換気

加湿器を利用して50〜60%の湿度と室温は22度を保ちましょう。加湿器がない場合は濡れたタオルを部屋に干すなどして湿度を上げるようにします。

また、寒いからといって換気をせずにいるのはウイルスが部屋にこもった状態になってしまうため、日中にできるだけ換気を行い、空気の入れ替えを行いましょう。

水分補給

高熱のときの授乳は特に脱水症状に気をつける必要があります。また水分をとることで痰を切れやすくすることも期待できます。

シーツや枕カバーの交換

シーツや枕カバーにはインフルエンザウイルスが付着しやすいため、できるだけこまめに交換することが望ましいです。

症状がつらくそのような余裕がない場合は、枕の上にタオルを1枚と、掛け布団の口元あたりにもタオルをはさんでおくと、タオルを交換するだけで寝床を清潔に保つことができます。

おわりに

赤ちゃんは、インフルエンザにかかるとインフルエンザ脳炎という重篤な病気を誘発する確率が大人より高くなっています。

母親だけに限らず一緒に住んでいる家族や周りの人にも協力を得て、全員がインフルエンザにかからないように対策をしましょう。

万が一赤ちゃんにインフルエンザのような症状が見られたら、なるべく早く病院に行き、医師の指示にしたがって治療に専念してください。