子どものインフルエンザの解熱|アンヒバ坐剤の使い方

インフルエンザなどの高熱で子どもに処方される座薬アンヒバ坐剤について薬剤師がわかりやすく解説!アンヒバ坐剤の成分や効果、正しい座薬の使用方法など、アンヒバ坐剤について徹底解説します!

アンヒバ坐剤とは?

子どもがインフルエンザのときに解熱のための座薬としてアンヒバ坐剤が処方されることがあります。

アンヒバ坐剤の有効成分はアセトアミノフェンです。アセトアミノフェンは子どもがインフルエンザのときに使用できる最も安全な成分とされています。

アセトアミノフェンは、体温調整中枢や中枢神経に作用して、解熱・鎮痛効果を発揮する成分です。血管を拡張して体から熱を逃し、痛みの感じ方を鈍くする作用があります。穏やかに効いて副作用も少ないことから、子どもでも安全に使用することができます。

アセトアミノフェンを使用した座薬タイプの解熱剤は、アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤、カロナール坐剤があります。どれも使い方は同じで解熱効果に違いはほとんどありません。薬の在庫状況や医師の判断によって、どの坐剤を処方するか選択します。

効果が現れる時間

製薬メーカーの資料によると、アンヒバ坐剤は使用後30分程度で効果がでます。効果のピークは1〜2時間後で、4時間後まで解熱作用が持続します。ただし、効果の発生時間や持続時間には個人差があります。

インフルエンザの解熱剤でインフルエンザ脳症に?

インフルエンザの重い合併症のひとつに、インフルエンザ脳症があります。

インフルエンザ脳症は進行が非常に早いことが特徴で、高熱や喉の痛みといった症状のほか、痙攣や意識障害、異常行動(突然大声を出す、幻覚、幻聴など)がみられます。5歳以下の子どもに多くみられる症状です。

インフルエンザ脳症はアスピリン(アセチルサリチル酸)やジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸などの成分が含まれた解熱剤の使用との関係が示唆されています。インフルエンザのときには、自己判断で薬を使用しないように十分に注意してください。

インフルエンザ脳症について詳しくは関連記事をごらんください。

アンヒバ坐剤の副作用

アンヒバ坐剤は比較的副作用が少ない薬ですが、まれに食欲不振、下痢、軟便、嘔吐、発疹などがみられます。

また、息苦しさや意識の低下、蕁麻疹や吐き気、皮膚や白目の黄色くなる、むくみなどがみられた場合は重篤な副作用である可能性があります。

明らかにいつもと違う症状が見られた場合は、すぐに医師・薬剤師に相談してください。

【重篤な副作用の初期症状】

・ショック、アナフィラキシー:全身潮紅、じんましん、皮膚のかゆみ、息苦しい、動悸など
・中毒性表皮壊死融解症:主に皮膚に異常症状など
・肝臓や腎臓の重い障害:皮膚が黄色い、尿が茶色い、尿の異常など
・間質性肺炎:から咳など

アンヒバ坐剤の使い方

使用のタイミング

解熱剤は子どもの熱が上がりきってから、38.5度以上を目安に苦しそうな場合に使用してください。38.5度以上あっても水分補給ができており、つらくなさそうで機嫌もよければ、あえて解熱剤を使用する必要はありません。

発熱はウイルスの増殖を防ぎ自分の体を守るために起こる防御反応です。眠れない、食事を摂れないなど体力の消耗につながる症状がない限りは、熱を下げる必要はありません。ただし、熱が38度前後であってもつらそうで食事もとれないような場合は、解熱剤を使用します。

また、一度使用したら次の使用まで4〜6時間間隔をあけるような指示がでる場合もあります。医師の判断によって指示が異なる場合があります。医師の指示に正しく従って使用してください。

座薬の切り方(カットの仕方)

座薬は包装のまま、清潔なハサミで切ります。使用する部分は座薬の大きく膨らんで尖っている方です。

厳密に分量を計る必要はなく、大体の位置で切って問題ありません。使用しない部分は捨てましょう。

基本的には斜めに切りますが、医師や薬剤師に真横に切るように指示された場合は指示に従ってください。また、4/5個といったように切る部分が少ない場合にも、座薬の下の方を真横に切って使用します。

必ず使用する直前に指示された分を切ってください。

なお、まるまる1個使用する場合は切る必要はありません。

子どもにアンヒバ坐剤を入れる手順

1)子どもを仰向けに寝かせます

2)アンヒバ坐剤の包装を剥がして、ティッシュを使い、清潔に洗った利き手でアンヒバ坐剤を持ちます

3)もう片方の手で子どもの足を持ち上げます

4)尖った部分から、アンヒバ坐剤を一気に挿入します
(入りにくい場合は、先端を水やベビーオイルで少し濡らしましょう)

5)ティッシュで肛門を押えましょう
(目安は1~2分)

6)アンヒバ坐剤が出てきていないか再確認しましょう
(5分以上経っても排出されなければ、問題ありません)

挿入後の注意点

座薬を挿入してすぐに排便などをしてしまい、座薬の形が残っている状態で出てしまった場合は、再度新しい座薬を入れ直してください。

しばらくして排便しても半分以上溶けていたり、挿入してから10分以上立っているときは次の使用まで、医師の指示通りに時間をあけてください。

1回使用しても熱が下がらなかった場合は、医師に指示された時間以上あけてから再度使用しましょう。必ず医師・薬剤師から指示された通りに使用します。

子供が口に入れないよう、残った座薬の保管にはくれぐれも注意してください。保管場所は冷蔵庫が一般的です。

アンヒバ坐剤が効かない場合

インフルエンザの場合、解熱剤を使っても目に見えて体温が下がらない場合があります。

しかし、解熱剤は使用前と比べて体温が0.5℃でも下がっていれば効果は出ているとされます。平熱にまで戻らなくとも、少し体が楽になっているのであれば解熱剤の効果は出ているといえるでしょう。

効果がでないからといって、自己判断で連続で使用することはやめましょう。

解熱剤を使用したのに全く熱が下がらない場合や体温が上がってしまうような場合は、すみやかに医師や薬剤師に相談しましょう。

用量を誤って多く使用してしまった場合

少量であればしばらく経過を観察しましょう。ただし、2回分を誤って使ってしまった場合は早めに医療機関を受診してください。

また、異常があらわれた場合にはすぐに病院を受診しましょう。

アンヒバ坐剤とダイアップ坐剤

インフルエンザの子どもに処方される可能性がある座薬には、ダイアップ坐剤というものもあります。

ダイアップ坐剤は熱性けいれんを予防するために、子どもに処方されることがあります。

熱性けいれんは小児が発熱によって意識を失うなどの症状を起こすものです。通常は5分程度で意識を取り戻すことが多いのですが、立っている時に熱性けいれんが起きると、倒れた時に怪我をするおそれがあります。

ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤の順番

熱があがってきて熱性けいれんのおそれがあれば、医師の指示に従ってダイアップ坐剤を使用してください。

ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤を使用する場合は、ダイアップ坐剤を先に挿入し、アンヒバ坐剤は30分以上の間隔をあけてから挿入してください。

熱性けいれんが起きた場合

ダイアップ坐剤はあくまで熱性けいれんの「予防」です。

熱性けいれんが起きてしまった場合は、ダイアップ坐剤は使わずに横向きに寝かせて、5〜10分程度様子をみてください。10分たって呼びかけても意識が戻らない場合や、一度おさまったけいれんが再発した場合は、病院に連絡してください。

ダイアップについて詳しく知りたい方は以下の記事をごらんください。

インフルエンザ対策のポイント

インフルエンザウイルスの苦手な環境

インフルエンザのシーズンでは、インフルエンザウイルスの活動が低下する環境を作ることが重要です。部屋の湿度は50~60%、室温は22℃以上を目安にしましょう。、また、2〜3時間に1回程度は換気を行うと効果的です。

インフルエンザが苦手な室内環境については関連記事をごらんください。

インフルエンザの時に気をつけたいポイント

【脱水を防ぐ】
水分はこまめに少量ずつとるのが効果的です。脱水を防ぐにはスポーツドリンクや経口補水液を薄めて飲ませるのもお勧めです。

【熱を冷ましたいとき】
熱を冷ましたいときは保冷剤などにタオルを巻き、首回りやわきの下、ももの付け根を冷やします。ただし、冷やし過ぎには注意しましょう。

【寝冷えを防ぐ】
こまめに汗を拭き、着替えをしましょう。

おわりに

アンヒバ坐剤は、アセトアミノフェンを成分とした子どもにも使用できる解熱剤です。

座薬は指示された用量によってはカットが必要など、正しく使用することが難しいイメージもあるかもしれませんが、正しい手順で使用すれば高い効果を得ることができます。

正しい座薬の知識と使い方を確認し、いざという時に備えましょう。

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