子どものインフルエンザの解熱|座薬の正しい使い方

インフルエンザによる発熱のときの座薬の使い方について現役薬剤師が解説します。座薬の正しい使い方を図説で解説!薬が効かないときの対処法、子どもが使える市販の解熱用の座薬も紹介します!

インフルエンザの発熱に使われる座薬について

インフルエンザのときにでる高熱は、体がウイルスと戦っているときの正常な反応です。そのため、解熱剤を使って無理に解熱させることはあまり推奨されません。

しかし、高熱のあまり眠れなかったり水分もとれない状態であれば、体力が落ちて体に悪影響を及ぼすため、必要に応じて解熱剤を使用します。

小さな子どもの場合、38.5℃以上の発熱を目安に座薬タイプの解熱剤の使用が検討されます。また、38.5℃を超えてない場合でも熱で苦しそうにしている、ぐったりしているときには解熱が必要なこともあります。発熱後、急激な体調の変化や意識の混濁がある場合はすぐに病院を受診してください。

座薬を使用した場合は、個人差がありますが、使用後約30〜60分で効果があらわれ、効果のピークを迎えるのは約2~3時間後です。

インフルエンザでよく使われる座薬

医師の判断により使われる薬は異なりますが、子どものインフルエンザの発熱で処方される座薬は主に次の3種類です。

アンヒバ坐剤
アルピニー坐剤
カロナール坐剤

いずれもアセトアミノフェン成分の座薬です。それぞれ使い方も同じで効果にも違いはほとんどありません。50mg・100mg・200mgと成分量ごとの種類があります。医師から指示された用法用量を守って使用してください。

解熱用の座薬と抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ・イナビル)は一緒に使用しても問題ありません。

アンヒバ坐剤・アルピニー坐剤については、関連記事をごらんください。

子どもに座薬が処方されるのはなぜ?

高熱でぐったりしていたり、吐き気のある子どもは粉やシロップの薬でも飲むのが大変なことがあります。座薬は粉やシロップの薬を飲むよりも使用が簡単です。

また、まだ錠剤を飲めない子どもや粉薬が苦手な子どもにも使用しやすく、薬を吐き出してしまうおそれもないため、高熱の解熱に座薬が使用されることが多くあります。

座薬の正しい使い方

使用のタイミング

解熱剤は子どもの熱が上がりきってから、38.5度以上を目安に苦しそうな場合に使用してください。38.5度以上あっても水分補給ができており、つらくなさそうで機嫌もよければ、あえて解熱剤を使用する必要はありません。

発熱はウイルスの増殖を防ぎ自分の体を守るために起こる防御反応です。眠れない、食事を摂れないなど体力の消耗につながる症状がない限りは、熱を下げる必要はありません。ただし、熱が38度前後であってもつらそうで食事もとれないような場合は、解熱剤を使用します。

また、一度使用したら次の使用まで4〜6時間間隔をあけるような指示がでる場合もあります。医師の判断によって指示が異なる場合があります。医師の指示に正しく従って使用してください。

座薬の切り方(カットの仕方)

座薬は包装のまま、清潔なハサミで切ります。使用する部分は座薬の大きく膨らんで尖っている方です。

厳密に分量を計る必要はなく、大体の位置で切って問題ありません。使用しない部分は捨てましょう。

基本的には斜めに切りますが、医師や薬剤師に真横に切るように指示された場合は指示に従ってください。また、4/5個といったように切る部分が少ない場合にも、座薬の下の方を真横に切って使用します。

必ず使用する直前に指示された分を切ってください。

なお、まるまる1個使用する場合は切る必要はありません。

 

子どもに座薬を入れる手順

挿入する人は手をきれいに洗いましょう。

座薬を入れた刺激で排便をしてしまう子どももいるので、なるべく排便後に使用してください。

1)子どもを仰向けに寝かせます

2)座薬の包装をはがして、ティッシュを使い、清潔に洗った利き手で座薬を持ちます

3)もう片方の手で子どもの足を持ち上げます

4)尖った部分から、座薬を一気に挿入します
(入りにくい場合は、先端を水やベビーオイルで少し濡らしましょう)

5)ティッシュで肛門を押えましょう
(目安は1~2分)

6)座薬が出てきていないか再確認しましょう
(5分以上経っても排出されなければ、問題ありません)

挿入後の注意点

座薬を挿入してすぐに排便などをしてしまい、座薬の形が残っている状態で出てしまった場合は、再度新しい座薬を入れ直してください。

しばらくして排便しても半分以上溶けていたり、挿入してから10分以上立っているときは次の使用まで、医師の指示通りに時間をあけてください。

1回使用しても熱が下がらなかった場合は、医師に指示された時間以上あけてから再度使用しましょう。必ず医師・薬剤師から指示された通りに使用します。

子どもが口に入れないよう、残った座薬の保管にはくれぐれも注意してください。保管場所は冷蔵庫が一般的です。

解熱用の座薬が効かない場合

インフルエンザの場合、解熱剤を使っても目に見えて体温が下がらない場合があります。

しかし、解熱剤は使用前と比べて体温が0.5℃でも下がっていれば効果は出ているとされます。平熱にまで戻らなくとも、少し体が楽になっているのであれば解熱剤の効果は出ているといえるでしょう。

効果がでないからといって、自己判断で連続で使用することはやめましょう。

解熱剤を使用したのに全く熱が下がらない場合や体温が上がってしまうような場合は、すみやかに医師や薬剤師に相談しましょう。

用量を誤って多く使用してしまった場合

少量であればしばらく経過を観察しましょう。ただし、2回分を誤って使ってしまった場合は早めに医療機関を受診してください。

また、異常があらわれた場合にはすぐに病院を受診しましょう。

ダイアップ坐剤と解熱剤の座薬の違いは?

インフルエンザの子どもに処方される可能性がある座薬には、もう一つダイアップ坐剤というものがあります。

ダイアップ坐剤は熱性けいれんを予防するために、子どもに処方されることがあります。

熱性けいれんは、子どもが発熱によって意識を失うなどの症状を起こすものです。通常は5分程度で意識を取り戻すことが多いですが、立っている時に熱性けいれんが起きると、倒れた時に怪我をするおそれがあります。

ダイアップ坐剤と解熱用の座薬は作用や効果が異なります。症状によっては併用することもあります。

ダイアップ坐剤と解熱用の座薬の順番

熱があがってきて熱性けいれんのおそれがあれば、医師の指示に従ってダイアップ坐剤を使用してください。

ダイアップ坐剤と解熱用の座薬を併用する場合は、ダイアップ坐剤を先に挿入し、解熱用の座薬は30分以上の間隔をあけてから挿入してください。

熱性けいれんが起きた場合

ダイアップ坐剤はあくまで熱性けいれんの予防です。

熱性けいれんが起きてしまった場合は、ダイアップ坐剤は使わずに横向きに寝かせて、5〜10分程度様子をみてください。10分たって呼びかけても意識が戻らない場合や、一度おさまったけいれんが再発した場合は、病院に連絡してください。

ダイアップについて詳しくは関連記事をごらんください。

子どもが使える市販の座薬

夜間などでどうしても病院にいけない場合、市販の解熱薬を使用することも一つの手です。突然の発熱で子どもがつらそうにしているなど、インフルエンザの疑いがあるときでも使用できる解熱用の座薬を紹介します。

ただし、子どもは自分の体調の悪化をうまく伝えられないので、できるだけ病院の受診を優先させるようにしてください。

こどもパブロン坐薬

1歳から使用できる解熱薬。1日1回までの使用で、2日連続で使用することはできません。あくまで発熱でツラそうな場合のみに使用してください。インフルエンザ自体を治すものではないので、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診するようにしてください。

また、すでにインフルエンザの子どもでも使用することができます。

ただし、併用できない薬もあるのでタミフルやイナビル、リレンザ以外のお薬を使用している場合は薬剤師・登録販売者に相談してみましょう。

市販薬の解熱剤の注意点

子どものインフルエンザの場合、解熱鎮痛薬の成分にはアセトアミノフェンが推奨されています。また、子どもが市販薬で使える解熱鎮痛薬は、アセトアミノフェンを成分とするものだけです。

インフルエンザのときに引き起こすおそれがある重篤な合併症に、ライ症候群やインフルエンザ脳症があります。アスピリンやボルタレンなどの解熱鎮痛薬は、子どものライ症候群やインフルエンザ脳症との関係が示唆されているため、避けることが望ましいです。

解熱剤の使用で不明な点があるときは、医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

インフルエンザの際の市販薬の使用について、詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに

平熱は人によって差があるため、普段から自分や子どもの平熱を把握しておきましょう。発熱の具合を確かめ、正しく座薬タイプの解熱剤を使用してください。

インフルエンザのときの解熱剤の使用についてはさまざまな意見があるため、心配なことがある場合は担当医や薬剤師に相談してください。

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